本日13時15分、大阪高等裁判所で分室訴訟控訴審の判決言渡しがありました。残念ながら敗訴でした。
しかし、地裁判決より少し前進した部分が。第一審の大阪地裁判決では、分室が「公の施設」であること(公の施設蓋然性)は認められませんでしたが、大阪高裁は、
当裁判所は、本件分室の使用実態は、条例により設置すべき公の施設に該当すると解すべきであるが(地方自治法244条1項、244条の2第1項)、本件要綱の制定行為自体は、以下に述べるとおり不法行為に該当するとは言えず、その余の法令等の違反をいう控訴人の主張には理由がないから、控訴人の請求を棄却すべきものと判断する。
として、公の施設に該当すると認定しました。
まあ、条例設置されている同種の施設の「労働センター」の何倍もの利用がされているのですから、分室が公の施設ではないというのはおかしな話です。
しかし、分室が、大阪高裁が認定したとおり、「条例により設置すべき公の施設に該当する」のであれば、地方自治法244条の2第1項で「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがあるものを除くほか、公の施設の設置及びその管理に関する事項は、条例でこれを定めなければならない。」とされているのですから、条例で設置しなければ、違法のはずです。
この点、大阪高裁は、「本件要綱が規定どおり運用されている限り、本件分室の公の施設蓋然性が否定される」と言うのです。ということは、行政は、条例について議会の承認を得ずとも、要綱さえ作れば、公の施設を設置できるということになってしまいます。こんな法を踏みにじる滅茶苦茶な話はありません。
この「要綱を制定すれば、公の施設を設置できる」というやり方は、おそらく高槻市が全国で初めて行ったもので、新たな「高槻方式」といえるかもしれませんが、大阪高裁判決は、これにお墨付きを与えたことになります。
もしこれの真似をする自治体が続出すれば、全国的に混乱をまねきかねませんので、この件も上告せねばならないと考えています。
以下、判決文です。