高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【京大農場】ガンバ大阪を誘致しないなら土地は買うな

京都大学の農場には、サッカースタジアムができ、ガンバ大阪が誘致される。市長はそう約束したはずだ・・・少なからぬ高槻市民の方はそのようにお考えかもしれません。

けれども、どうやらそれはマヤカシで、単に土地を買い、スポーツ施設か何かが造られるだけになりそうです。数百億円かけて。

Aという目的だったはずが、いつの間にかBという目的にすり替わっている。なのに、平然と数百億の税金をつぎ込もうとしている・・・こういうことが、これから、京大農場を舞台に行われそうになっています。

11月10日の史跡整備特別委員会で明らかにされたところによれば・・・高槻市は、京大農場に埋まっている安満遺跡の分布状況を調査。8月にそれをほぼ終えたので、文化庁に対して史跡指定の意見具申を行ったとのこと。文化庁は11月中に、官報で史跡指定の告示をする見込みだとのことです。

京大農場のすべてについて史跡指定の意見具申を行ったのではなく、あくまでも、遺跡があると思われる範囲のみ(下図)。遺跡がないと考えられる部分の土地(下図の南側のフタコブラクダの背中のような形の箇所)については、都市再生機構(通称「UR」・国交省の外郭団体)に工事をさせた後に、国土交通省補助金を受けて、買い取る方針なのだとか。

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けれども、そもそも京大農場を買い取るという話は、サッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致という約8年前の選挙時の奥本市長の公約からスタートしたもの。当初は、京大も、そんな話は寝耳に水だといったような反応でした。

長くなるので、この経緯については、後日改めて書きます。

今日の午前中に、議会事務局で、史跡整備特別委員会での私の質疑の部分のテープ起こしをしてきましたので、まずはそちらからご覧下さい(下のほうにあります)。

奥本市長は、公約について「全体的な計画の中で、いろいろ考えてきた中の一つ…」と答弁していますが、これは明らかに嘘です。この公約からすべてがはじまったはず。いい加減にもほどがあります。

なお、ツイッターにも書きましたが、奥本市長は、委員会終了直後に、私に紅潮したしかめっ面を近づけ、握りこぶしを作りながら「何が言いたいんや、あの質問は、こら!何が言いたいんや!」と怒声を上げました。副市長に抱きかかえられて止められながら、「ふざけるなよ!」の捨て台詞も発しました。

非礼にもほどがあります。私に対して「質問するな」との圧力をかけたつもりなのでしょうか。

12月議会でも、奥本市長に対して、しっかりとした説明を求めていきますが、市民の皆さんも、うまくだまされないように、8年前の公約を思い出して、それを念頭に置き、これからの動きに注目していただきたいと思います。

私は、ガンバ大阪が誘致できないのであれば、京都大学には残ってもらうのが一番だと思います。そうすれば、無駄な税金を使う必要もありません。関西大学補助金を出した際の高槻市役所の主張のとおりだとするならば、京都大学という西日本一の学府に残ってもらうことは、高槻の一つのブランド・ステータスになるはずです。

ガンバ大阪も誘致できず、京都大学も去っていく、ということになれば、何のために、数百億もの税金を投じるのか・・・京大農場移転の話は、すべてなかったことにすべきです。

■平成22年11月10日 史跡整備特別委員会の北岡質疑部分


<質問1回目>

 6点質問させていただきます。
 1点目は、費用についてです。どれくらい費用がかかるのでしょうか?また、市の負担分の財源はどのように確保されるのでしょうか。
 2点目は、国からの補助金についてです。どういった形でどれだけの補助を受けることができるのでしょうか?
 3点目は、基本協定書の内容についてです。今年度中に京都大学高槻市都市再生機構(UR)の三者で基本協定書を締結するとのことですが、どういった中身になるのでしょうか。
 4点目は、既存指定地の活用についてです。京大農場の北側に隣接する形で、既に国から史跡指定を受けた史跡安満遺跡(約6.4ヘクタール)がありますが、その公有率は、現在約3割とのことです。これを、工事開始までに市が100%買い取ることができれば、一体的な整備や活用ができると思いますが、虫食い状態であれば、整備、活用の時期がずれることも考えられます。この点についてはどうお考えでしょうか。
 5点目は、サッカースタジアム建設とガンバ大阪誘致についてです。奥本市長は、今から約8年前に、このJRと阪急の線路に挟まれた空間を、「アメリカニューヨークのセントラルパークのような全面芝の都市型公園にする。」「サッカースタジアムなどを建設して、ガンバ大阪のホームタウンにする。」「ガンバ大阪を誘致する。」と、そういう公約を掲げられました。この公約に関しては、今現在はどうなっているのでしょうか。今でも実現させるつもりなのでしょうか。それとも諦めたのでしょうか。その公約と、今回の取り組みとの関係について教えてください。
 最後に、6点目は、ここで何ができるのか、ということです。あくまでもサッカースタジアムを造るおつもりかもしれませんが、仮にサッカースタジアムではない、別のものを造るとしたら、どのようなものができるのでしょうか。どういう可能性があるのでしょうか。お答えください。
 以上で1回目の質問を終わります。


●政策企画室参事

 私のほうからは、4点目以外についてご答弁を申し上げます。
 まず1点目について。事業費等のお尋ねでございます。京大農場の土地を取得するに当たりまして、土地の価格につきましては、鑑定評価額をもって決定することとなります。しかしながら、現在、鑑定評価額は出ておりませんので、土地の単価は、現時点では把握しておりません。したがいまして、事業費、土地取得費の算定は困難でありますので、よろしくお願いいたします。
 次に、2点目でございます。国の補助、というところでございますが、土地取得に係る補助についてのお尋ねですが、史跡の追加指定の部分につきましては、国の8割補助であります文化庁の史跡公有化助成を活用してまいりたいというふうに考えております。また、残りの土地取得につきましては、いったん都市再生機構が土地取得を行い、事業完了後、市に引き渡すこととなる国土交通省の防災公園街区整備事業を活用してまいりたいと考えております。この事業の補助率ですが、通常の都市公園整備事業と同様に、3分の1となりますけれども、財政負担が一時に集中しないように、分割払いとすることで平準化できるメリットがあると認識してございます。
 次に3点目、今後予定している基本協定の中身というところでございます。昨年9月に、京都大学高槻市都市再生機構の三者におきまして、「京都大学大学院農学研究科付属農場の移転等に係る覚書」、今日の参考資料にもお付けしておりますが、いわゆる大枠合意書を締結しております。この大枠合意書の中には、平成22年度末を目途に、面積、形状、引渡し時期等の譲渡条件を確定し、基本協定を締結するものとしております。現在、基本協定の内容につきましては、3者間で協議中ですので、よろしくお願いしたいと思います。
 5点目、サッカースタジアムということでございますが、現時点では、史跡の追加指定の範囲が明確になっておりませんので、上面利用の具体的な検討は、これからでございます。基本的には、まず市民の将来にわたっての財産として確保していきたいというふうに考えております。そして、当該地は、市街地における貴重で高いポテンシャルをもった空間でございますので、市の新たなシンボルとして、防災、緑地景勝、にぎわいとふれあい、健康増進といった都市機能の充実を図る観点から、今後、利活用について、庁内推進委員会を中心に、検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 続きまして6点目、防災公園でどういうことができるのかというお尋ねでございます。防災公園につきましては、公園内に防災機能を付加する必要があるとは認識してございますが、整備については、一般的な都市公園事業と同様と考えております。例えば、古曽部防災公園や、萩谷総合公園にあるような、施設も可能ですし、都市公園法および政令に定めております運動施設や教養施設および遊戯施設等の設置が可能であるというふうに認識してございます。
 以上でございます。


文化財課長

 ただいまご質問の4点目の既存指定地の活用と申しますか、将来像についての質問でございます。ご案内のように、史跡指定地につきましては、地権者の方の買い上げ要望に基づきまして公有化を進めてございます。そういう点で、現行の枠組みで進む中では、強制力はございませんので、ご指摘のような状態が、短期間にまとまるということは、ちょっと見込めない状況にはございます。ただし、全体の整備構想を検討していく中で、段階的に整備、基本設計、実施設計、着手、というふうに進めていくという方向性はあると考えてございます。
 以上でございます。


<質問2回目>

 奥本市長は、今期限りで引退されますので、任期中に、サッカースタジアム建設とガンバ大阪誘致は、実現できないということが、確定しました。大きく目玉公約として掲げた以上は、その総括をちゃんとしなければならないと思います。
 サッカースタジアム建設とガンバ大阪誘致に関しては、これまで、いったい、どういう取り組みをしてきたのでしょうか。ガンバ大阪との交渉などが、あったのではないのかと推測いたしますが、これまでの取り組みの経緯を、具体的にお答えください。これが1点目です。
 また、今後は、どうするのでしょうか。新しい市長にも、取り組んでもらうべく、お願いをするのでしょうか。新しい高槻市長に、引き継ぎをされる際には、サッカースタジアム建設とガンバ大阪誘致に関して、どのようなことを引き継ぎ事項として伝えるおつもりなのでしょうか?以上、2点について、お答えください。


●市長公室理事

 ただいまの2点の質問につきましては、組織として対応しておりますので、私のほうが答弁させていただきます。スタジアム建設等につきましては、平成18年3月に策定いたしました「基本的な方針」の中で、まずは市民の財産として、公園用地を確保し、その後、民間企業等の協力を得た段階で、段階的に取り組んでいくとしておりまして、行政案の一つとして、今も考えております。しかしながら、具体的なガンバ大阪との協議はどうなっているのかということにつきましては、現段階では、何も協議をしておりませんので、よろしくお願いいたします。
 それから、今後の、いずれにしろ、具体的な上面利用の検討につきましては、先ほど答弁させていただいたとおり、今後、庁内委員会で、様々な観点から、進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


<質問3回目>

 いや、ガンバ大阪とは協議をしたりしてこなかったということなんですけれども、ということは、そのあたりの取り組みは、何もしてこなかったということになりますよね。これは、最初から無理だと知っていたのか、途中で無理だと分かって諦めたのか、どちらかなのかと・・・どちらかなのでしょうか。この点についても、お答えをいただきたいと思います。
 それと、組織として対応されてきたということで、職員の方がお答えになられましたけれども、奥本市長に、念のため確認をさせていただきたいんですけれども、サッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致の公約というのは、これはもう、事実上、白紙撤回ということでよろしいのでしょうか。それとも、うやむやのままで、引退されるということなのでしょうか。お答えください。
 もう引退されるわけですから、判断の先送りというのは、適切ではないと思いますので、しっかりとご答弁をお願いいたします。
 以上です。


●市長公室理事

 若干重複いたしますけれども、無理だと考えていたのかというご質問でございますが、まずは、先ほど申し上げましたとおり、18年3月の段階で、行政案の一つとして示しておりましたけれども、具体的な、いわゆる土地という部分につきましては、今回のいわゆる史跡指定地の追加指定ということが明らかでない限りは、その土地の部分につきましても、はっきりしない、というふうな状況で、協議が出来るような状況ではとてもございません。しかしながら、当然、本市は、ガンバ大阪の準ホームタウンでもありますので、そういう部分での儀礼的なお付き合いというのは当然ありますから、そういう部分でのお話は当然あったところでございますけれども、今申し上げましたとおり、具体的な協議が出来る状況では、まったくございませんでしたので、やっておりません。それで、繰り返しになりますけれども、今後の部分につきましては、上面利用の検討を、これから具体的に進めます庁内委員会での検討で進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。


●野々上愛史跡整備特別委員会委員長

 今回の報告議題に沿った内容でお願いします、北岡委員。


<質問4回目>

 すみません、じゃあ、これ最後にさせていただきますので。
 どうしても奥本市長に、最後、直接お答えをいただきたいんですけれども、先ほどのご答弁では、何が埋まっているか分からなければ、どういうふうに利用できるかわからないということですよね、言ってみれば。じゃあその、分からないままに、8年前に、ああいうふうに造りますと、誘致しますと、公約した、その根拠はいったい何だったんですか。あれは、不確かなまま、そういうふうに公約をされたのか。奥本市長、ぜひ一言お願いいたします。
 これを最後といたします。


●奥本市長

 ここれは、全体的な計画の中で、いろいろ考えてきた中の一つであり、例えば、この京大農場にしましても、その北側が、すでに史跡指定ということで、順次買収をしてきております。しかし、それが、個人所有であるということから、一挙になかなか進まないという中で、その下側は京大農場でありますので、京大との話がどのように進むか、あるいはまた、都市再生機構との関係で、これをどのように有利に公有化していけるのかという天秤の上で考えてきておるわけでございますので、経過として、その中で、うまく行かないというようなことも、あるいは、話が前へ進まないというようなこともあったり、あるいは、京大の事情があったり、いろんな面で、三者の協定書は作っておりますけれども、それが具体化するというようなことは、そう簡単にできるもんではない。だから、公約があったのは、それはどうやったかと、過去に遡って言われても、それは、そういうことは往々にしてあることですので、何もこの問題だけに限ってのことではなく、例えば、前のこの京大農場の北側は、私の知った時には、すでに3割程度くらいまでしか、進んでおらないというような中での状況と、京大が一大学としてもっているということとの関係からすれば、いろいろとその整合性を図ったりしていくということは、将来においても、これは続くものと、このように思っております。