高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【学校耐震化】わざと耐震化を遅らせるのは殺人行為ではないのか?

娘が学校でもらってきた「おしえて☆たかちゃん」という高槻市発行の漫画冊子にこんなページがあり、私は怒りを覚えました。

おしえて☆たかちゃん

いかにも校舎の耐震改修工事を進めているようにこの漫画には記載されていますが、実際には、学校に通う子供達の命を軽視するような悪質なことが密かに行われているのです。こんなものを学校で配るなんて…

高槻市では、平成15年度から17年度の3年間に、小中学校と幼稚園の建物について、第1次診断法による耐震診断(1次診断)を実施。18年度から20年度は、地域住民の避難場所になるということで、小中学校の体育館の耐震化工事を行いました。

耐震診断の結果は、Is値というもので示されるのですが、Is値が0.75未満だと耐震化工事が必要とされるのですが、 その中でも、Is値が0.3未満のものについては、大地震震度6強から7程度)が起きれば、倒壊または崩壊する危険性が高いとされています。

高槻市は、1次診断でIs値が0.3未満であった小中学校の校舎について、平成21年度と22年度に、第2次診断法による耐震診断(2次診断)を実施し、この「2次診断の結果を受けて、早期に耐震性の低い施設を見極め、耐震対策を進めてまいります」としています。

1次診断でIs値が0.3未満だったものは72棟。21年度は、そのうち34棟で2次診断を実施。結果、2次診断でIs値0.3未満のものは一つもなかったということでした。

ところが、3月議会の際、22年度の分の情報だということで、4つの校舎が0.3未満だということが高槻市教育委員会から示されました。私はこれを見て「おやっ?」と思いました。

21年度分ではゼロで、22年度分は、まだ始まったばかりなのに・・・

より詳しく、1次診断の結果と、2次診断の行われた順番を照らし合わせてみると、0.3より低い0.2未満の校舎は14棟あるのですが、そのうち21年度中に2次診断されたのは4棟。残り10棟は22年度に診断されることに・・・特に、川西小学校は、3つの校舎が、1次診断で0.15、0.19、0.15と、どれも低い数値だったのですが、どの校舎も21年度中に2次診断はされませんでした。

高槻市立川西小学校の校舎の耐震診断結果

ごく普通に考えれば、1次診断で値の低かった校舎から順に2次診断を行うべきはず。その点を高槻市議会で尋ねると「2次診断を行う上で、診断順位を決めるための参考資料の一つとしては活用していますが、この1次診断の結果のみで診断順位を決めているものではございません。」「1次診断の結果は、2次診断の参考にはしていますが、作業効率を勘案した結果として、最も早く全体作業が完成する順番で診断しているところです。」との答弁。

作業効率を勘案したといっても、診断をする学校の順番を入れ替えたところで、ほとんど作業効率には影響がないはずです。

22年度における2次診断の結果、0.3未満のものが続出する可能性もあるが、もしかすると、21年度にゼロだったというのは偶然かもしれないとも考えていたのですが、6月議会で示された資料を見て呆然としました。

高槻市立の小中学校の耐震診断の順番

まず、2次診断で0.3未満のものが、4棟から7棟に増えていました。次に、まだ耐震診断がされていない校舎の順を見ると、表のとおり、小学校の校舎9棟(この9棟の中では、接合されている2つの校舎を1棟として数えています)のうち、1次診断でIs値0.2未満のものが5棟あり、これが一つ置きに、互い違いに並べられていました。0.2未満のものが連続しないように並べたのでしょうが、これは誰が見ても作為的としか考えられないはずです。

また、高槻市は作業効率云々と言いながら、3棟とも1次診断でIs値が0.2未満だった川西小学校をバラバラの順にしている。同じ小学校のものはまとめて診断を行うほうが、効率がよいはず。

こうしたやり方と診断結果を見ると、高槻市教育委員会は、耐震化の必要性の高いものを優先したのではなく、むしろ逆に、より倒壊や崩壊の危険性の高い校舎の耐震化工事を、後回しにするために、1次診断の結果を悪用しているとしか考えられません。

こんなやり方は、殺人行為なのではないでしょうか?地震はいつ起こるか分かりませんが、「地震で子供たちが死んでもいい」という、「未必の故意」が、教育委員会にあるとしかいいようがありません。

一番に守るべき子供達に対してこんなことをやっている。学校の耐震化がこんなのでは、他の部分でもちゃんとやっているのか心配になってきます。高槻市は、本当に、地震や災害に対して、しっかりとした、良心的な対策を立てているのか、非常に疑問を覚えます。

私は6月議会で、「2次診断を行う順番は、どんな基準に基づいて、誰が、どのように、決定したのか、具体的に、明確にお答えください。」と質問しましたが、明確な答弁はありませんでした。

私は6月議会の質疑で最後に以下の質問をしました。

 3月議会でもお聞きしましたが、もう一度お聞きします。奥本市政の最大の売りは健全な財政ということになるのではないかと思いますが、学校の校舎の耐震工事に莫大な予算が必要だとわかってしまうと、一気に財政が悪化してしまうから、あるいは高槻市立の学校の校舎の耐震化工事にお金が必要なのに、関西大学へのあの巨額の補助金は何だったのかと。防災公園やなんかをつくる一方で、なぜ、小中学校の耐震化を急がないのかと、そういう非難を浴びてしまうことになるので、市長選挙も近いことですし、このようなまずいことは後回し、先延ばしにするというような操作を意図的に行ったのではないのでしょうか。お答えください。健全な財政も確かに大事だと思いますが、それよりも子どもたちの命のほうが大事なのではないのでしょうか。奥本市長のお考えをお聞かせください。
 教育委員長も、何かご意見、ご感想、ご見解があればお聞かせ下さい。



もし地震が起きて校舎が倒壊・崩壊し、命を落とす子供がいたら・・・2次診断の順番を決定した人間を殺人犯として追及しなければなりません。市長や教育委員会にも責任が発生するはずです。大規模な地震が起こらないことを祈るばかりです。


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以下は3月議会と6月議会の質問と答弁です。3月議会は議事録。6月議会は原稿です(3問目に対する答弁原稿はもらっていないので不記載です)。


開催日:平成22年 3月10日
会議名:平成22年第1回定例会(第4日 3月10日)

○(北岡隆浩議員)
 教育費の中の耐震関係ですね。耐震改修の工事請負費、そして耐震診断調査と耐震改修実施設計の委託料に関して、まず4点お聞きします。
 1点目、第八中学校の耐震改修工事の予算をお答えください。また、なぜ今年度、耐震改修工事については第八中学校の分しか予算計上されていないのかについてもお答えください。
 2点目、第三中学校の2棟の校舎の耐震改修実施設計を行うとのことですが、なぜ行うことになったのでしょうか。その経緯と理由をお答えください。
 3点目、耐震2次診断におけるIs値0.3というのは、どれだけの震度に耐えられる数値なのでしょうか。また、Is値が0.3以上であれば耐震化工事の必要はないのでしょうか、お答えください。
 最後、4点目です。21年度に引き続いて、22年度も耐震2次診断を行うとのことですが、21年度はどのような方針に基づいて、どのような順番で診断を行ったのでしょうか。また、その結果はどういったものだったのでしょうか、お答えください。


○教育管理部長(四宮明男)
 北岡議員の、校舎の耐震化に係るお尋ねにお答えします。
 まず1点目の、第八中学校の耐震改修工事の予算額ですが、3億5,000万円でございます。また、第八中学校につきましては、有馬高槻構造線付近に位置することから、モデルケースとして20年度に2次診断及び基本設計を行った結果、北校舎のIs値が0.3未満であったため、21年度に耐震改修実施設計を行い、22年度に耐震改修を行うものでございます。
 他の学校の校舎は、21年度と22年度の2か年で実施している2次診断結果をもとにIs値が0.3未満の校舎を優先して耐震改修に取り組むべく、22年度には第三中学校の校舎棟2棟の実施設計委託料を予算計上するとともに、今後の耐震結果により、Is値0.3未満の校舎の耐震改修への取り組みのため、小学校耐震改修実施設計を債務負担行為で計上しております。
 次に、2点目の、第三中学校の耐震改修実施設計についてのお尋ねですが、先ほど申し上げましたとおり、21年と22年で、1次診断でIs値0.3未満の校舎の2次診断を行っており、22年度分の第三中学校の校舎2棟において、2次診断でIs値が0.3未満であるとの情報を予算編成時に得たため、耐震改修実施設計経費を予算計上いたしました。
 次に、3点目の、Is値に係るお尋ねですが、Is値0.3未満は大地震に対して倒壊または崩壊する危険性が高いとされており、ここで言う大地震とは震度6強から7程度を想定しています。また、Is値0.3以上であっても0.75未満のものについては、耐震化工事が必要と考えております。
 次に、4点目の、耐震診断に係るお尋ねですが、今回、進めている耐震診断は1次診断結果がIs値0.3未満の校舎を、さらに2次診断を行い、Is値0.3未満となるものの全体量を早期に把握し、その校舎の耐震改修に優先的に取り組むことを目的といたしております。耐震診断を効率的に進めるため、まず、すべての学校について現地調査を行っております。診断は多数の校舎の結果を早期に得るために、作業効率も考慮の上、校舎の長いもの、増築されているもの、柱が少ないものなど、特殊な構造のものなど、耐震性が低いと想定されるものから進めております。その結果、21年度に予定していた校舎はIs値0.3未満のものはありませんでしたが、来年度分のうち、速報として現時点で4棟がIs値0.3未満であるとの報告を受けております。
 以上でございます。


○(北岡隆浩議員)
 2回目は、6点お聞きします。
 1点目、2次診断におけるIs値が0.27の第八中学校の北校舎1棟の耐震工事の予算が3億5,000万円とのことですが、この校舎の1次診断のIs値はどれだけだったのでしょうか、お答えください。
 2点目、1次診断の結果はどのように生かされたのでしょうか。2次診断をどの学校から優先して行うかという順番を決める際には、1次診断の結果を参考にされたのでしょうか、お答えください。
 3点目、平成21年度で2次診断を実施した校舎ではIs値が0.3未満のものはなかったのに、平成22年度分の2次診断では第三中学校の2つの校舎のIs値が0.3未満だとわかったので耐震改修工事の実施設計を行うとのことですが、今後も0.3未満の校舎が見つかる可能性はあるのでしょうか、お答えください。
 4点目、今月3月5日付で配付された資料によると、如是小学校の北棟1と真上小学校の北棟も2次診断でIs値が0.3未満だったとのことですが、この2つの校舎については、耐震改修の実施設計は行わないのでしょうか、お答えください。
 5点目、Is値が0.3未満の校舎だけではなく、0.75未満のものについても耐震化工事が必要とのことですが、いつ耐震化工事の実施設計を行うのか。また、いつ耐震化工事を実施し、いつまでに完了させるのか。Is値0.3未満のもの、Is値0.3以上0.75未満のもの、それぞれについてお答えください。また、その費用はどれだけ必要だと予測されているのでしょうか。
 第八中学校の1つの校舎で3億5,000万円とのことですが、Is値0.3未満の校舎、Is値0.3以上0.75未満の校舎、それぞれについて耐震化工事完了までの費用はどれだけかかるのでしょうか、お答えください。この費用の点を6点目とします。
 以上、よろしくお願いします。


○教育管理部長(四宮明男)
 北岡議員の、校舎の耐震化に係るお尋ねですが、まず1点目の、第八中学校北校舎1次診断のIs値は0.17です。
 次に、2点目の、1次診断結果についてですが、平成14年に文部科学省から耐震性能を把握するよう通知があり、平成15年度より3か年で1次診断を実施しており、その結果をもとにIs値0.3未満の校舎について、21年度と22年度の2か年で2次診断を行っております。また、2次診断を行う上で、診断順位を決めるための参考資料の一つとしては活用していますが、この1次診断の結果のみで診断順位を決めているものではございません。
 次に、3点目の、22年度分の2次診断結果ですが、1問目でお答えしたとおり、22年度分のうち、速報として現時点では4棟がIs値0.3未満であるとの報告を受けております。なお、今後もIs値0.3未満の校舎が出てくる可能性があると考えています。
 次に、4点目の、Is値0.3未満の4棟の耐震改修実施設計ですが、今後の耐震診断結果により、Is値0.3未満の校舎が出てきた場合の対応として、小学校耐震改修実施設計費を債務負担行為で予算計上しており、如是小学校の北棟1と真上小学校の北棟については早期に耐震改修実施設計を行います。
 次に、5点目の、耐震化の実施設計及び工事完了時期ですが、現在、1次診断でIs値0.3未満の校舎の2次診断を行っているところで、現状においては、全体の把握ができておりません。このような状況ですので、現状においては実施設計及び工事完了の時期は未定でございます。Is値0.3未満の校舎については、早期に耐震化に取り組みたいと考えています。
 次に、6点目の、耐震工事に要する費用についてですが、Is値0.3未満、またIs値0.3以上0.7未満の校舎がどの程度になるか、現状で把握できておらず、また、個々の校舎の改修規模もわかっていないことから、費用の算出は現状ではできておりませんので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。


○(北岡隆浩議員)
 3回目は、8点お聞きします。
 1点目、22年度分の速報として、4つの校舎の2次診断のIs値が0.3未満だということがわかったとのことですが、0.3以上のものも含めて、議員あてに速報を出された3月5日の時点で、22年度分については合計幾つの校舎の2次診断のIs値が判明しているのでしょうか、お答えください。
 2点目、1次診断と2次診断との関係についてお聞きします。1次診断と2次診断については、それぞれ高槻市教育委員会の資料によると、このように説明されています。第1次診断法とは、建築物の図面をもとに現況調査を行い、柱や壁の断面寸法、建築物の形状や経年劣化状態などを考慮し、Is値を算定する方法です。この方法は壁の多い建築物の判定に適しています。第2次診断法とは、コンクリートのひび割れや強度などについて、詳細な現地調査を行い、柱や壁の中の鉄筋量も考慮してIs値を算定する方法です。この方法は、中低層の鉄筋コンクリート造建築物の判定に適しています。これを読むと、1次診断と2次診断というのは若干別物の診断方法であるような印象を受けるのですが、1次診断よりも2次診断のほうが正しいというふうに言えるのでしょうか、お答えください。
 3点目、念のためにお聞きしますが、1次診断でIs値0.3未満のものでも、2次診断で0.3以上なら緊急に工事をする必要はないのでしょうか、お答えください。
 4点目、1次診断の結果については、2次診断の順番を決める際の参考資料の一つで、この診断結果のみで2次診断の順位は決めていないとのご答弁でした。3年もかけて行われた1次診断がどんなふうに、どの程度、2次診断の順番を決める際に参考にされたのか、もっと詳しく知りたいところなんですが、素人考えですけれども、1次診断で数値が低かったものほど優先して2次診断を行うべきだったのではないのでしょうか。例えば、川西小学校では3つの校舎が1次診断で0.15、0.19、0.15と、0.3よりも0.1以上低い0.2未満だったわけです。にもかかわらず、21年度において、どの校舎も2次診断はされませんでした。この川西小学校のように、1次診断でIs値が0.2未満だったものは小、中学校合わせて14棟の校舎がありましたけれども、そのうち21年度中に2次診断がされたのは、わずか4棟でした。それ以外の10棟は、21年度中に2次診断がされなかったのですが、これはなぜなんでしょうか。この残り10棟から2次診断で0.3未満が続出するということはないんでしょうか、お答えください。

 5点目、2次診断を行う順番については、Is値0.3未満、すなわち倒壊の危険性が高いものがどれだけあるのか、その校舎の全体の数ですね、担当職員の方はボリュームという言い方をされていましたけれども、全体のボリュームを把握することを主眼に置いて決めたというような説明を受けました。しかし、21年度と22年度の2か年度で2次診断を実施していく中で、既に21年度分については完了したと。つまり、期間の半分が過ぎたにもかかわらず全体像がわからない、どれだけの費用が耐震改修工事にかかるのかも当然のことながらわからないとのことです。普通なら、調査期間を半分終えたのであれば、中間報告がされて、その報告の中で半数か、それ以上のサンプルが示されて、全体像が見通せるはずです。しかし、今回の議会において、教育委員会から出された、学校・園施設の耐震診断結果についてという資料を読むと、1次診断で0.3未満だった72棟のうち34棟で2次診断を実施した結果、2次診断でIs値0.3未満のものは一つもなかったということでした。
 その一方で、22年度の分の情報だということで、4つの校舎が0.3未満だということが示されたわけです。21年度分ではゼロで22年度分は、まだ始まったばかりだと思いますが、4だと。そして、さらにそれ以上も出てくる可能性があると、そういった結果を見ると、高槻市教育委員会は、実は耐震性が低いと見込まれる校舎については、2次診断を後回しにしたのではないのかと私は疑うわけです。私は平成21年6月29日の市議会本会議で、他市の事例を参考に独自に試算をしたところ、高槻市立の小、中学校の校舎の耐震化工事には、ざっと120億円が必要ではないかと、100億円規模の予算が必要ではないかと質問の中で申し上げました。こうした莫大な費用が必要であることが発覚するのをできるだけおくらせるために、耐震性が低そうな校舎の2次診断を後回しにしたのではないのでしょうか、お答えください。
 6点目、奥本市政の最大の売りは健全な財政ということになるのではないかと思いますが、学校の校舎の耐震工事に莫大な予算が必要だとわかってしまうと、一気に財政が悪化してしまうから、あるいは高槻市立の学校の校舎の耐震化工事にお金が必要なのに、関西大学へのあの巨額の補助金は何だったのかと。防災公園やなんかをつくる一方で、何で小、中学校の耐震化を急がないのかと、そういう非難を浴びてしまうことになるので、市長選挙も近いことですし、このようなまずいことは後回し、先延ばしにするというような操作を意図的に行ったのではないのでしょうか、お答えください。
 7点目、健全な財政も確かに大事だと思いますが、それよりも子どもたちの命のほうが大事なのではないのでしょうか。奥本市長のお考えをお聞かせください。
 8点目、校舎の耐震化工事に必要な費用は現時点では算出できていないとのことですが、では、いつまでに算出できるのでしょうか。来年の市長選挙の前でしょうか、それとも来年の市長選挙が終わった後なのでしょうか、お答えください。
 以上です。


○教育管理部長(四宮明男)
 校舎の耐震化に係るお尋ねですが、まず1点目の、3月5日時点の22年度分のIs値が判明しているものは、小学校8棟、中学校5棟の合計13棟でございます。
 次に、2点目の、1次診断と2次診断についてですが、1次診断は壁のコンクリートの断面形状から略算的に診断する手法で、また2次診断は、コンクリートだけではなく、鉄筋も含め評価する精度を高めた診断方法です。
 次に、3点目の、耐震工事についてですが、2次診断でIs値0.75未満のものについては耐震化工事が必要と考えておりますが、中でもIs値0.3未満のものを優先して耐震化を進めているところでございます。
 次の、4点目の、診断の順番ですが、2問目でもお答えいたしましたが、1次診断の結果は、2次診断の参考にはしていますが、作業効率を勘案した結果として、最も早く全体作業が完成する順番で診断しているところです。また、2問目でお答えしましたが、22年度分から今後Is値0.3未満の工事が出てくる可能性はあると考えています。
 次に、5点目から8点目の、耐震診断及び改修工事の取り組みについてですが、今回の耐震診断は、可能な限り早期にIs値0.3未満となるものの把握をすることを目的としており、議員お考えのような対応は行っておらず、22年度分のIs値0.3未満のものについては、早期に取りかかれるように予算措置を講じております。また、耐震化事業につきましては、子どもの安全を守るため、小、中学校の耐震化に取り組んでいるところで、昨年の3月の代表質問において、公明党議員団などへお答えいたしましたとおり、2次診断を早期に終了した後に、速やかに耐震化計画の策定作業に取りかかりたいと考えております。
 以上でございます。



<耐震・1回目>補正予算書22ページ、教育費の中の、中学校の耐震改修実施設計の委託料2400万円について、4点伺います。

1点目.2次診断で新たにIs値0.3未満だと判明した校舎はどこなのでしょうか?お答えください。

2点目.いただいた参考資料の中に「小中学校校舎2次診断 (平成22年度分進捗状況)平成22年5月末現在」というものがあり、そこに2次診断を行う順番が記載されていますが、この順番は、どんな基準に基づいて、誰が、どのように、決定したのでしょうか?お答えください。

3点目.この2次診断を行う校舎の中には、学校の統廃合により取り壊される予定のものはあるのでしょうか?あるいは近々建て替える予定のものはあるのでしょうか?お答えください。

4点目.耐震化工事の予算については、シミュレーションをして、概算を出したと伺ったのですが、Is値0.3未満の校舎については、どれだけの費用がかかりそうなのでしょうか?また、Is値0.75未満の校舎についても、どれだけの費用がかかりそうなのか、お答えください。



【答弁1】
2次診断の結果IS値0.3未満の校舎は、小学校は、如是小学校の北棟、真上小学校の北棟、川西小学校の南棟の中央部分計3棟です。
また、中学校は、第三中学校の北棟西側と、南棟の東増築校舎を除く部分、第四中学校の中棟、第六中学校の南棟東増築校舎を除く部分計4棟です。

【答弁2】
2次診断を行う順番のお尋ねですが、昨年度から進めております2次診断は、診断結果でIS値0.3未満のもの全体量を早期に把握するため、作業効率等を勘案して、業者と協議の上、順次診断を行っております。

【答弁3】
現在のところ、統廃合を予定している学校はございません。また、建替える予定の校舎も、今のところございません。

【答弁4】
現在、教育委員会事務局において、学校及び幼稚園の校園舎の耐震化計画の策定に向け取り組みを進めています。しかし、1次診断でIS値0.3未満の校舎について現在行っている2次診断はまだ一部残っております。また、1次診断でIS値0.3以上0.75未満の校園舎の2次診断についても、今後、取り組んでいかなければならないと考えており、議員お尋ねの費用については、現時点でお示しすることが出来ない状況でございますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


<耐震・2回目>5点伺います。

1点目.
 3月5日の速報の時から、さらに川西小学校、4中、6中の計3つの校舎で2次診断のIS値が0.3未満ということが判明したわけです。
 いただいた資料によると、22年度においては、あと、中学校1棟、小学校9棟(この9棟の中では、接合されている2つの校舎を1棟として数えています)、これの検査が残っているということですが、小学校のほうをみると、1次診断でIs値が0.3より低い、0.2未満のものが9棟のうち5棟ある。0.2未満のものが、一つ置きに、互い違いに並べられている。非常に作為的な順番ではないかと感じます。
 私は先ほど、2次診断を行う順番は、どんな基準に基づいて、誰が、どのように、決定したのかと尋ねましたが、ご答弁では、診断結果でIS値0.3未満のもの全体量を早期に把握するため、作業効率等を勘案して、業者と協議の上、決定しているとのことでした。
 順番の決定の基準は何なのでしょうか?作業効率だけなのでしょうか?だったら、3棟とも1次診断でIs値が0.2未満だった川西小学校を、なぜバラバラの順番にしているのでしょうか?同じ小学校のものはまとめて診断を行うほうが、効率がよいのではないのでしょうか?この点についてお答えください。これが1点目です。

2点目.
 なぜ、1次診断で値が低かったものが、順番がうしろのほうなのでしょうか?先ほども言いましたが、のこり9棟のうち、5棟が0.2未満です。耐震診断で値の低いものは、地震の際には倒壊崩壊の危険度が高い、当然子どもたちの命が危険にさらされるということですから、1次診断で値の低かったものほど優先して、2次診断を行うべきではなかったのでしょうか?お答えください。

3点目.
 学校の統廃合の予定も、校舎の建て替えの予定もないということですが、そうすると、現存するすべての校舎において、耐震基準を満たしていないものについては、耐震化工事を行わなければならないということになります。3月議会では、今回調査している0.3未満のものだけでなく、0.75未満のものも、耐震化工事が必要だと、答弁されました。
 ということは、昨年度と今年度の調査で、0.75未満であると判明したものについても、実施設計と耐震化工事を行わなければならないわけですが、なぜ0.75未満だと判定されたものについては、実施設計を行わないのでしょうか?お答えください。

4点目.
 現在2次診断で0.75未満と判明した校舎は何棟あるのでしょうか?また、それについて実施設計を行うと、どれだけの費用がかかるのでしょうか?お答え下さい。

5点目.
 耐震化工事の予算についてシミュレーションをして、概算をしたのに、それを示すことができないということで残念ですが、いつになったらそれをお示しいただけるのでしょうか?また、どのような想定でシミュレーションを行ったのでしょうか?シミュレーションの中身をお答えください。

 以上で2回目の質問を終わります。


【答弁1・2】
 耐震診断を行う順番についての数点のお尋ねについて、まとめてお答えいたします。

 一問目でもお答えしたように、作業効率等を勘案し、順次診断を実施しており、現在発注している2次診断を早期に終えることにより、IS値0.3未満の全体量を把握しようといたしたもので、契約期日は平成23年3月15日までといたしておりましたが、現在の予定では7・8月頃には、全ての診断が完了する予定となっております。
 なお、川西小学校及び1次診断でIS値の低い校舎棟の診断順位についても、このような考えのもと取り組んできたところでございますのでご理解のほどお願いいたします。

【答弁3】
 IS値0.75未満の実施設計についてのお尋ねですが、耐震改修が必要な校舎棟は多くあり、現在、大地震に対して倒壊又は崩壊する危険性が高いとされているIS値0.3未満の校舎棟の耐震改修を優先的に進めているところです。
 なお、その後、IS値0.3以上の校舎棟につきましても、計画的に改修に取り組んでいかなければならないと考えております。

【答弁4】
 次に、2次診断の結果IS値0.75未満の校舎の数についてのお尋ねですが、現在のところ、74棟がIS値0.75未満で、その内IS値0.3以上の校舎は66  棟となっております。
 また、このIS値0.75未満の実施設計費用についてのお尋ねですが、現在、IS値0.3未満の改修に取り組んでいるところであり、IS値0.3以上、0.75未満の校舎の実施設計費用の算出については、行えていないのが現状でございます。

【答弁5】
 耐震化工事の概算額についてのお尋ねですが、今回、契約を行った第八中学校の工事費をもとに、概算費用を算出したりしておりますが、この第八中学校の北棟は、他の校舎と比べて、規模が大きく、また耐震補強箇所数等工事量も多い結果、工事費が高くなっております。また、耐震改修の必要な校舎は、校舎規模も異なり、耐震補強箇所等の工事量にも差異が生じるものと考えており、数校の校舎の耐震改修実施設計を行い、さらに1次診断でIS値0.3以上0.75未満の2次診断も行い、耐震化を行う全体棟数も把握したうえで全体の工事費を算出しようとしておるものですので、よろしくお願いいたします。


<耐震・3回目>5点伺います

1点目.
 耐震診断の順番についてお聞きしましたが、1回目の質問に対しては「作業効率等を勘案」した、2回目の質問に対しても「作業効率等を勘案」した、とのことで、作業効率という言葉しかありませんでした。耐震診断の順番を決める基準は「作業効率」だけだったのでしょうか?
 3年もかけて得た1次診断の結果というのは、非常に重いはずで、多少の作業効率は勘案するにしても、この1次診断の結果を基軸にして、耐震性が低いと診断された順に、2次診断を行うべきではなかったのでしょうか?
 3月議会でこの点について詳しく述べましたので省略しますが、結果として、1次診断で0.3未満だった72棟のうち、21年度は34棟で2次診断を実施したところ、Is値0.3未満のものは一つもなかったのに、その一方で、22年度は、まだ2次診断がすべて終わっていない現時点で、7つの校舎が0.3未満と判明した。21年度分ではゼロで、22年度分では7。
 高槻市教育委員会のやり方とこれまでの結果を見ると、高槻市教育委員会は、耐震化の必要性の高いものを優先したのではなく、むしろ逆に、より倒壊や崩壊の危険性の高い校舎の耐震化工事を、後回しにするために、1次診断の結果を悪用した、悪用しているとしか考えられません。
 高槻市教育委員会のこのやり方は、殺人行為なのではないでしょうか?地震はいつ起こるか分かりませんが、「地震で子供たちが死んでもいい」という、「未必の故意」が、教育委員会にあるとしかいいようがありません。
 一番に守るべき子供達に対してこんなことをやっている。学校の耐震化がこんなのでは、他の部分でもちゃんとやっているのか心配になってきます。高槻市は、本当に、地震や災害に対して、しっかりとした、良心的な対策を立てているのか、非常に疑問を覚えます。
 もう一度お聞きしますが、2次診断を行う順番は、どんな基準に基づいて、誰が、どのように、決定したのか、具体的に、明確にお答えください。

2点目.
 今年度は、1次診断でIs値0.3未満と判定された校舎の2次診断を行っていますが、今後はどのようなスケジュールで、診断や耐震化工事を行っていくのでしょうか?1次診断でIs値0.3以上とされた校舎についても、耐震基準を満たしていないものについては、2次診断を実施されると思いますが、それはいつからいつまでかかるのでしょうか?また、耐震化工事は、どのような順に行って、いつまでに完了するのでしょうか?お答えください。

3点目.
 平成18年1月に建築物の耐震改修の促進に関する法律が改正され、市町村耐震改修促進計画の策定が 努力義務とされたのに伴い、高槻市では、「高槻市耐震化アクションプラン」が策定されました。このアクションプランの中で、東南海地震や南海地震、あるいは有馬高槻断層帯による地震の想定震度は、どのようになっているでしょうか?最大の震度をどのように想定しているでしょうか?また、その最大の震度に耐えられず、倒壊又は崩壊する危険性が高い校舎は全部で何棟あるのでしょうか?具体的な数値をお答えください。

4点目.
 文部科学省は「学校施設耐震化推進指針」というものを定めており、次のことが書かれています。

 「地震発生時における児童生徒等の人的被害を防止するためには・・・倒壊又は大破する恐れのある危険度の大きいものから優先的に改築や耐震補強といった耐震化事業を実施していくことが重要である。」
 「学校施設の耐震化を計画的に推進していくためには、その重要性及び緊急性について、教育委員会をはじめとして、・・・教職員、保護者、地域住民等の関係者間で理解を促進していくことが重要である。
 このためには、地方公共団体等の設置者は、所管する学校施設の耐震化優先度調査や耐震診断の結果、並びに、耐震化推進計画を策定した場合はその内容及び検討経緯等について、学校関係者に対し公表した上で、耐震化事業の緊急度等について幅広い合意を形成していくことが重要である。」
 「耐震化に関する個別事業の緊急度や年次計画等を内容とした耐震化推進計画を早急に策定するなど、計画的に学校施設の耐震化を推進していくことが重要である。」

 高槻市が、2次診断の順番の基準を、明確に答えずに、あいまいにしているところからすると、市民、とりわけ保護者の理解を得る努力をしているようには思えませんし、実質的には危険度の高いものは後回しにしているところからすると、緊急度に応じた耐震化推進計画を実施しているとも思えません。
 とても、この文部科学省の指針を遵守しているとは考えられない対応を、高槻市はしているわけですが、この指針についてはどのようにお考えなのでしょうか?お答えください。

5点目.
 3月議会でもお聞きしましたが、もう一度お聞きします。奥本市政の最大の売りは健全な財政ということになるのではないかと思いますが、学校の校舎の耐震工事に莫大な予算が必要だとわかってしまうと、一気に財政が悪化してしまうから、あるいは高槻市立の学校の校舎の耐震化工事にお金が必要なのに、関西大学へのあの巨額の補助金は何だったのかと。防災公園やなんかをつくる一方で、なぜ、小中学校の耐震化を急がないのかと、そういう非難を浴びてしまうことになるので、市長選挙も近いことですし、このようなまずいことは後回し、先延ばしにするというような操作を意図的に行ったのではないのでしょうか。お答えください。健全な財政も確かに大事だと思いますが、それよりも子どもたちの命のほうが大事なのではないのでしょうか。奥本市長のお考えをお聞かせください。
 教育委員長も、何かご意見、ご感想、ご見解があればお聞かせ下さい。

 以上です。