高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【街かどデイハウス】せめて補助金の算定基準は公平に

これも9月10日の本会議の決算の質疑で質問した問題です。

今日の報道によると・・・

★【産経新聞】5人に1人は70歳以上 総務省、高齢者の推計人口を公表 女性の高齢者は2000万人超

敬老の日」を前に総務省は16日、65歳以上の高齢者の推計人口を公表した。人口減少が進むなか、高齢者は9月15日時点で前年同期を44万人上回る3557万人となり、総人口に占める割合は28.1%と過去最高を更新した。70歳以上は2618万人に上り、全体に占める割合は初めて20%を超えて20.7%となった。また、女性の高齢者が初めて2000万人を超えた。



5人に1人が70歳の時代を迎えたわけです。この先も、少子化で人口減少が続くでしょうし、ますます高齢者の割合は増えるはず。元気で長生きしていただくためには、介護予防等の取り組みが重要です。

そんな介護予防の一端を担うのが「街かどデイハウス」。高齢者の介護予防や交流等のための事業です。発祥は豊中市なのですが、平成15年からは大阪府でも事業化。府の補助金によって、府内全域に広まりました。

しかし、橋下知事になり、平成19年から補助金が段階的に削減され、23年には廃止されました。

それに伴って、「街かどデイハウス」事業をやめる自治体もあったのですが、一方で、自らの財源で事業を継続した市も。高槻市もその一つです。現在でも、高槻市には13か所の「街かどデイハウス」があります。

ところが、その高槻市も、段階的に補助金を削減し、来年度からは補助金をゼロにしようとしています。補助金が打ち切られると、経営が成り立たないと、「高槻市街かどデイハウス連絡会」の方はおっしゃられていました。

この市の方針は妥当なのかどうか・・・議員インターンで私のところに来てくれている大学生が懸命に調査をしてくれました。それを基に、議会で質問した次第です。

以下は本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■認定第1号 平成29年度高槻市一般会計歳入歳出決算認定について

●決算・街かどデイハウスと老人福祉センター

<1回目>

(1)主要事務執行報告書の113ページには民間がしている街かどデイハウスへの支援事業が、次のページには市の老人福祉センターの利用状況が、それぞれ掲載されています。これらは似た部分が多いと思うのですが、どのような違いがあるのでしょうか?同じ部分と違っている部分と、それぞれお答えください。

⇒1点目の街かどデイハウスと老人福祉センターの共通点等についてですが、街かどデイハウス、老人福祉センター共に、対象を高齢者とし、その福祉の向上を目的としております。
 街かどデイハウスは、高齢者が集う地域の身近な拠点であり、老人福祉センターは、老人福祉法第15条第1項の規定に基づく公共施設で、条例により指定管理者が管理・運営を行っているものです。

(2)街かどデイハウスへは、補助金と、ますます元気体操の委託料が、老人福祉センターの指定管理者である社会福祉事業団へは、ますます元気体操の委託料も含んだ形で指定管理料が、それぞれ支払われたと聞いていますが、これらの補助金や委託料、指定管理料は、具体的にどのような基準に基づいて算定されたのでしょうか?ますます元気体操と、それ以外に分けて、お答えください。

⇒2点目の算定基準についてですが、街かどデイハウスへの補助金は、利用者の利用時間等に基づき、委託料については、介護予防教室への参加人数等に基づき算定しております。

<2回目>

(1)街かどデイハウスと老人福祉センターの事業内容・サービス内容には、どのような違いがあるのでしょうか?同じ部分と違っている部分と、それぞれお答えください。

⇒1点目の事業内容、サービス内容の共通点等についてですが、両者とも、高齢者の生きがいづくりに資する各種事業を実施しております。
 街かどデイハウスは、居宅等を利用し運営されており、それぞれに登録を行っている利用者が、予め定められたプログラムに参加しております。老人福祉センター、不特定多数の利用者が、各センターの部屋等を利用して、自主的なサークル活動等を行っております。

(2)街かどデイハウスでは、要支援の要介護認定を受けている方も利用されていると聞きました。29年度では、何人の要支援の方が、街かどデイハウスを利用されたのでしょうか?お答えください。

⇒次に、要支援の方の利用についてですが、59名の方が利用しておられます。

(3)ますます元気体操の委託料については、街かどデイハウスに対しては、参加者数に応じて支払われたということです。一方で、老人福祉センターには、以前お話を伺ったところ、利用人数にかかわらず、1000万円ほどが支払われたということでした。なぜこのような違いがあるのでしょうか?お答えください。
 また、仮に、老人福祉センターへの支払いが、街かどデイハウスと同じ算定方法によるものであったら、どれだけの金額になったのでしょうか?お答えください。

⇒委託料等についてですが、1問目でお答えしましたとおり、街かどデイハウスへの委託料は、介護予防教室への参加人数等に基づき算定し、老人福祉センターの指定管理料は、介護予防事業実施に要する費用を基準に算定しております。

<3回目>

 ますます元気体操の委託料の算定方法の違いについてもおききしましたが、明確な答弁はありませんでした。仮に、老人福祉センターへの支払いが、街かどデイハウスと同じ算定方法によるものであったら、どれだけの金額になったのかという質問に対しても、答えはありませんでした
 ますます元気体操を、両者で同じように実施しているにもかかわらず、算定方法に違いがあるというのは、おかしいのではないでしょうか?官と民で、運営費や委託料の算定方法に違いがあるのは、不平等で、差別的な感じもします。
 街かどデイハウスの要支援の方の利用については、59人が利用しているということでした。街かどデイハウスは要支援の方の受け皿にもなっているわけです。
 高槻市はこれまで3年間にわたって街かどデイハウスの補助金を削減してきて、来年度には補助金をゼロにする方針です。ますます元気体操の委託料は払うというんですが、事業者の方々からは、それでは運営ができないと、これまでの補助金をカットしないでほしいという陳情がありました。街かどデイハウスに行って、利用者の方にお話をお聞きすると、体操は大好きだけど、体操だけなら、街かどデイハウスには来ないよと、おっしゃられていました。もし、街かどデイハウスがなくなってしまったら、そこに集っていた利用者の方々や要支援の方々は、どうなるのでしょうか?
 議員インターンの大学生が近隣市の状況を調べてくれたところによると、茨木市では、「街かどデイハウス」から、茨木市独自の「コミュニティデイハウス」に移行させているということです。この取り組みを、吹田市の担当職員の方も絶賛しているということでした。私も大学生と一緒にもう少し調べてみようと思うのですが、安易に補助金をカットして、貴重な社会的資源である街かどデイハウスを潰してしまうことにならないように、高槻市の担当者の方も、是非検討していただきたいと思います。