高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

学校ブロック塀地震事故調査委員会はあまり意味がないのでは?

今日は9月議会の初日。6月18日の地震に関連して市長がした専決処分についての質疑があり、私も質問しました。

市長は専決処分で、附属機関として「学校ブロック塀地震事故調査委員会を設置」を設置しました。これについては報道もされていますが、私にはあまり意味がないように思えます。

以下は今日のやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

■報告第8号 高槻市附属機関設置条例中一部改正の専決処分報告について

<1回目>

市長の専決処分で、附属機関として、学校ブロック塀地震事故調査委員会を設置したということです。まず4点伺います。

(1)1点目は、諮問事項についてです。
資料によると、その諮問事項は・・・
①平成30年6月18日の地震により発生した学校ブロック塀倒壊事故の原因の検証
②学校施設の安全管理に係る再発防止策の審議
・・・だということです。
①のブロック塀の倒壊の原因については、
ブロック塀が建築当時から建築基準法違反であったこと、
そんな危険な塀に沿う形でグリーンベルトが描かれて、そこを通って通学するように指導がされいたこと、
3年に1回の定期点検では手抜きがされていて、防災アドバイザーから危険性が指摘されていたにもかかわらず、教育委員会は塀の危険性を見逃していたこと
・・・が原因だと、報道から分かるのですが、それ以外にどのような原因の検証を行うのでしょうか?
②の再発防止策については、
建築基準法に適合するように建築物を作って、その点検もしっかり行って、文部科学省の指針等に基づいて通学路などの安全対策をすればいいのではないかと思うのですが、
他にどういった再発防止策の審議を行うのでしょうか?
それぞれお答えください。

地震事故調査委員会に関するお尋ねですが、7月30日の第1回委員会におきまして、市長からは、2つの項目について、諮問をいたしております。
1点目は、「事故原因の検証について」、2点目は、「学校の安全管理に係る再発防止策について」でございます。
より客観的な立場から事実経過を明らかにすることで、事故の検証に努め、学校における子どもの安全を確保する取組を改めて徹底するための再発防止に取り組むことが非常に重要であります。
本委員会における原因の検証については、ブロック塀の問題に限らず、学校で子どもが安全・安心に過ごすことができる方策を具体化させることを念頭に進められるものと考えております。

(2)2点目は、点検業者や大阪府についてです。
6月19日に、点検の記録等に関して、情報公開請求したところ、第三者委員会による調査終了後でなければ公開しないという旨の通知がされました。
公開しない理由には、公開することにより、関係者からの調査協力をえられなくなるなどと書かれていました。
これらの公文書を公開すると、点検業者は、第三者委員会の調査に協力しないのでしょうか?
点検業者は、調査に関して、どのような内容の話し合いや取り決めなどをされたのでしょうか?
それぞれ具体的にお答えください。
また、学校ブロック塀地震事故調査委員会の調査終了後は、私が請求した公文書は公開されるのでしょうか?
お答えください。 

⇒情報公開に係る「公開しない理由」についてですが、公開しないこととした文書につきましては、ブロック塀の倒壊事案に係る調査委員会における調査の対象となる文書又は情報であるところ、これらを公開することにより、関係者からの調査協力を得られなくなるなど、同調査委員会による正確な情報の把握、調査及び審議等に支障を及ぼすおそれがあるため、調査委員会による調査終了後を公開予定期日として時限的に公開しないとしたものです。

(3)3点目はプールの擁壁等についてです。
報道によると、寿栄小学校のプールについて、教育長が、「ブロック塀が倒れたことで擁壁に傾きが発見された。修復には相当規模の改修が必要で、来年度のプール授業ができない可能性もある」とお答えになったとされています。擁壁に傾きが発見されたということですが、傾き等の被害はどの程度だったのでしょうか?
また、それはブロック塀が倒れたことによるものなのでしょうか?調査の結果はどのようなものだったのでしょうか?
擁壁を修復するとすれば、どれだけの費用と期間がかかる見込みなのでしょうか?
それぞれお答えください。

⇒寿栄小学校のプール擁壁の傾きについてですが、地震によるものと思われますが、目視で確認できる程度の傾きがございます。
 擁壁の修復についてですが、既存の擁壁、プールサイドの更新など、相当な金額と長期にわたる工期が必要になるものと考えております。

<2回目>

(1)調査委員会では事故の原因を調査するということです。違法建築と手抜き点検が事故の原因だと思いますが、それらをしたのは業者であり、市の担当職員にも、それらが適法か確認し適切に管理する責任があったはずです。そういう意味では人災だといえますが、その人災を引き起こした業者と市の責任者を特定し、責任の度合いについても検証するのでしょうか?お答えください。

⇒本調査委員会では、事故原因の検証および学校の安全管理に係る再発防止策についてご審議いただいているところでございます。

(2)8月中には調査委員会から中間報告がされると聞いていましたが、中間報告はどうなっているのでしょうか?出されているのであれば、その内容をお答えください。

⇒本調査委員会においては、当初から10月末を目途として、答申をいただく予定にしております。

(3)答弁がありませんでしたので、あらためておききしますが、点検業者とは、調査に関して、どのような内容の話し合いや取り決めなどをされたのでしょうか?具体的にお答えください。
調査委員会の調査終了後は、私が請求した公文書は公開されるのでしょうか?お答えください。 
(4)点検をした業者が、資格を有する専門家であるならば、記者会見など開いて、自ら説明すべきだと思います。それが、名前を明かすのであれば、調査に協力しないというのはおかしいと思います。業者名を明かすと、具体的にどのような支障があるのでしょうか?お答えください。
(5)ブロック塀を建築した業者や点検をした業者は、市役所や政治家と何らかの関係がある業者なのでしょうか?関係があるのであれば、誰とどのような関係があるのか、具体的にお答えください。

⇒(3)~(5)お尋ねの法定点検に関する事項につきましては、現在、事故調査委員会において、検証を行っていただいているところであります。公開請求につきましては、事故調査委員会終了後、制度に沿って適切に対応してまいります。

(6)寿栄小学校のプールの擁壁は、目視で確認できる程度の傾きがあるということです。ということは、職員の方が目で見ただけで、専門業者に調査や点検してもらったり、見積りを取ったりしていないということなのでしょうか?
それとも、そういうことをした上で、相当な金額と長期にわたる工期が必要になるとおっしゃられているのでしょうか?
具体的にお答えください。
また、擁壁の傾きは地震によるものとの答弁ですが、ブロック塀が倒れたことは影響していないのでしょうか?擁壁だけに問題があったのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒寿栄小学校のプールについてですが、本市職員により確認を行い、改築が必要であると判断したものです。
 なお、事故原因については、現在、事故調査委員会において、検証いただいているところでございます。

<3回目>

3回目は意見だけ述べます。まともな答弁がされなかったことは大変残念です。

先ほども言いましたが、事故の原因は違法建築と手抜き点検で、適法な建築と、国の指針等に基づく安全対策をすることが、再発防止になるのではないでしょうか?調査委員会が調査するとしても、それらの枝葉みたいなものしか出てこないのではないでしょうか?

私は7月30日にこの調査委員会の第1回目を傍聴しようと会場まで行きましたが、非公開の決定がされたので、傍聴はできませんでした。非公開の決定がされるまで、委員会の部屋の外で待っていたんですが、中から委員長の挨拶が聞こえてきました。委員長は、犯人探しには消極的な発言をされていました。

答弁では、業者や職員の責任の追及については、明言されませんでした。それらの責任がうやむやになってしまう可能性があるのではないかと心配しています。

点検をした業者は、本来、記者会見に出てきて、自ら説明すべきだと思います。もし、業者の方が、名前を明かされるのなら調査に協力しないという極めて保身的な態度であるならば、調査委員会の調査にも、ちゃんと協力してくれるとも思えません。

調査委員会の調査が終了するまで、業者の名前等を市は公開しないわけですが、調査委員会の調査が、マスコミの報道してきた内容とほとんど変わらないなら、業者の名前等を市民やマスコミが知るまでに、無駄な時間が費やされただけだということになります。

そういうことで、私はこの調査委員会はあまり意味がないんじゃないかと思いますので、この議案には賛成できないということを表明します。

それから、寿栄小学校のプールの擁壁に関してですが、高槻市の職員の方が確認を行っただけで、専門業者による点検や調査はされていないということです。そういうことでは、客観的に、工事費や工期について検討できたとはいえないのではないでしょうか。その場で修復するか、移築するか、どちらがいいのかという比較が、ちゃんと出来ていないのではないのでしょうか?そのように指摘をしておきます。プールの移築の是非に関しては補正予算案の質疑であらためて質問したいと思います。以上です。