高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【非常勤職員採用試験】今度は「はにたん」のランキング?面接の採点項目もおかしいぞ。

問い合わせの内容

非常勤職員の採用試験の一部について、2年ほど前には、職員経験者でしか解けないような問題が出題されたという情報が寄せられました。試験問題を情報公開すると、すべて黒塗りの非公開。しかも、試験問題は随時破棄(1年もしないうちに破棄)しているとして、過去問がないという、とんでもない状態でした。

これについては情報公開審査会対する異議申立が認められ、試験問題が公開されるようになり、最近では、行政資料コーナーにも置かれるようになりました。

ところが今度は、ある部署の合格者の全員が市役所勤務経験者だとの情報が寄せられました。そこで、最近の試験問題などを情報公開請求すると、また「はにたん」の問題が。以前は「はにたん」の誕生日が何月何日なのかを問う出題されていましたが、今回は「はにたん」がゆるきゃらグランプリのご当地部門で何位だったかを問う設問がありました。

公民館の職員の試験

面接の採点項目にも不可解なものが。

館長の面接の採点項目

公民館の館長の受験者の面接の採点を記載する「面接評定票」の各項目の配点は、「質問への対応」が10点、「仕事への姿勢」が10点、「態度・姿勢」が10点、「人間関係構築力」が20点、「コミュニケーション能力」が20点、「公民館長としてふさわしいか」が30点で、計100点となっています。

面接で、「人間関係構築力」なんて、採点できるのでしょうか?「公民館長としてふさわしいか」という項目も、単独で設けられて、100点満点中、30点という一番大きな配点がされていますが、これについても、面接で、どのような基準に従って採点するのか?

生活福祉相談支援員の面接の採点項目

他の職種にも、「部下として欲しいか」とか、「公民館長としてふさわしいか」とか、「一緒に仕事がしたいか」とか、「採用したいか」といった、採点基準が不明確な項目が設けられていました。これについて議会で質問すると、「いずれの項目も、各職に対して求められる能力や適格性の有無を総合的に判断する項目として設けています。」との答弁。しかし、能力や適格性を判断するなら、それこそ、筆記テストや実技テストをするべきではないでしょうか?

そういうテストをすることで、「一緒に仕事がしたい」というような個人的な感情を排除して、どんな採点項目にも客観的な基準で点数をつけなければならないはずです。

面接の採点項目の採点基準や面接担当者の面接スキルについて、議会で質問されても、まともに説明できないということは、残念ながら、未だにまともな採用試験が行われていないということではないのでしょうか?採点基準も示さないのに、「一緒に仕事がしたいか」とか、「採用したいか」とか、「部下として欲しいか」とか、そういう項目に点数をつけろというのは、好きか嫌いかとか、身内を優先したいとか、そういうことで判断してもよいということだとしか考えられません。

非常勤職員とはいえ公務員です。その面接で、好きか嫌いかみたいな項目があるのは、大変問題だと思います。「合格者の全員が市役所勤務経験者だった」という情報の真偽については、議会で質問しても、「職員経験者の合格率は集計していません」と答弁しませんでしたが、こんな面接をしているのであれば、そういうことがあっても不思議ではない気がします。

以下は先日の議会でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので、不正確な部分もあることをご了承ください。

■一般質問
2.非常勤職員の採用等について

<1回目>

(1)法務課、市民生活相談課の行政事務嘱託員について、どのような基準や試験で採用したのかと情報公開請求しましたが、誰を採用したのかが公開されただけで、どういった試験や面接等をしたのかが公開されませんでした。何故なのでしょうか?どういった試験等をしたのでしょうか?お答えください。
(2)宿日直嘱託員、学童保育指導員、教育相談員については、筆記試験をしたとされていますが、試験問題が公開されませんでした。何故なのでしょうか?お答えください。
(3)消費生活相談員、配偶者暴力相談員、介護予防事業の専門職(作文を申込時に持参)、子ども保健課の保健師学校図書館支援員、35人学級編成補助教員、スクールソーシャルワーカーについては、小論文の類と、面接だけでした。なぜ筆記試験を行わないのでしょうか?理由をお答えください。
(4)生活福祉相談支援員、保健予防課の保健師嘱託員、要介護認定調査員は面接のみでした。何故なのでしょうか?お答えください。
(5)学校教育専門員については、どのような基準や試験で採用したのか、まったく分かりません。具体的にどういった方法や基準で採用したのかお答えください。
(6)公民館の管理指導員の試験問題に、以前は「はにたん」の誕生日が出題されていましたが、29年度は、「はにたん」が「ゆるきゃらグランプリ2016」のご当地部門で何位だったかを問う問題が出題されていました。この出題意図は何なのでしょうか?公民館の管理指導員として、どういったときにこの知識が必要となるのでしょうか?具体的にお答えください。
(7)情報公開請求したところ、公民館の管理指導員の試験問題は公開されましたが、館長の筆記試験については、空欄の解答用紙は公開されたものの、問題用紙は公開されませんでした。何故なのでしょうか?お答えください。
(8)公民館の館長の受験者の面接の採点を記載する「面接評定票」の各項目の配点は、質問への対応が10点、仕事への姿勢が10点、態度・姿勢が10点、人間関係構築力が20点、コミュニケーション能力が20点、公民館長としてふさわしいかが30点で、計100点となっています。このうち、人間関係構築力というのは、面接でどのように採点するのでしょうか?具体的にお答えください。また、公民館長としてふさわしいかという項目が、単独で設けられて、100点満点中、30点という一番大きな配点がされていますが、これについても、面接で、どのような基準に従って採点するのか、具体的にお答えください。
(9)宿日直嘱託員の面接評定シートでも、50点満点中、「①職員として採用したい ②見送りたい」という項目に10点の配点がされています。これも、どのような基準に従って採点するのでしょうか。具体的にお答えください。
(10)保健予防課の保健師嘱託員の面接票にも、「一緒に仕事がしたい したくない」という項目が設けられています。これも、どのような基準に従って採点するのか、具体的にお答えください。
(11)生活福祉相談支援員の面接票でも「採用したい、一緒に仕事がしたい」が5点「採用を見送りたい、一緒に仕事をしたくない」が0点となっています。これもどのような基準に従って採点するのでしょうか。具体的にお答え下さい。
(12)これらの面接の採点項目については、各課で作成しているのでしょうか?人事課でも把握しているのでしょうか?お答えください。
(13)職員経験者が採用試験を受けた場合の合格率は何%なのでしょうか?お答えください。
(14)障がいに関する手帳を交付されている方については、具体的に、どのようなやり方で採用を決定しているのでしょうか?お答えください。

<答弁>

①まず、非常勤職員の採用問題の種類や試験での評価の方法などについてですが、職員の採用にあたっては、地方公務員法第15条に従い、受験成績、人事評価、その他能力の実証をもって行っており、障がい者の方も含め、それぞれの職に適した人物を採用するために必要な試験を実施しています。
筆記試験を実施する際には、それぞれの職にとって必要な一般教養や市政全般、専門知識などを問うており、面接を行うにあたっては、その職に求めている能力や公務員としての資質などを評価するために、職に応じた面接の評定表を担当課それぞれで作成し、選考を行っています。
②また、試験問題の公開や採用試験合格者の状況などについて、試験問題を公開請求したが、公開されなかったということについてですが、すでに行政資料コーナーに公開しているためです。また、行政事務嘱託員については、人事課で一括して試験を実施しています。
なお、職員経験者の合格率は集計していません。
①は、ご質問の(3)~(6)、(8)~(12)、(14)
②は、(1)、(2)、(7)、(13)へのお答えです)

<2回目>

(1)先ほどの質問の1つ1つの項目に対して、何故しっかりと答弁していただけないのでしょうか?その理由をお答えください。
(2)人事課が担当となっている公園環境美化作業員の面接票にも「部下として欲しい 欲しくない」という採点項目がありますが、これは、どのような基準に従って採点するのでしょうか?具体的にお答えください。
(3)こうした、「部下として欲しいか」とか、「公民館長としてふさわしいか」とか、「一緒に仕事がしたいか」とか、「採用したいか」といった、採点基準が不明確な項目を設けることは、不当ではないのでしょうか?お答えください。
(4)あらためておききしますが、学校教育専門員については、どのような基準や試験で採用したのか、まったく分かりません。具体的にどういった方法や基準で採用したのか、しっかりとお答えください。
(5)私のところに、市民課の行政事務嘱託員については、100人以上が受験し、9人が合格したけれども、その9人のうち、7人は更新希望者で他は現役アルバイトなど、全員経験者だという情報が寄せられました。これは事実なのでしょうか?合格者のうち、市役所勤務経験者は何%なのでしょうか?お答えください。
(6)合格者は、職員の親族や関係者が多いという情報もいただきましたが、事実でしょうか?合格者のうち、何%が職員の親族や関係者なのでしょうか?お答えください。
(7)受験される方々は合格するために、一生懸命、参考書などで受験勉強をされると思いますが、「ゆるきゃらグランプリ」の「はにたん」の順位などといったものは、どのように学習すればいいのでしょうか?もしかすると、学校の教科書に載っていたりするのでしょうか?お答えください。
(8)市の面接担当者は、面接について、どれだけのスキルを身につけているのでしょうか?お答えください。

<答弁>

(1)1問目で答弁したとおり、それぞれの採用試験は、地方公務員法第15条に従い、その職に適した人物を採用するため、試験の種類や方法を定めて実施しています。
そのため、同様の趣旨の質問については、まとめて答弁したものです。
(2)(3)いずれの項目も、各職に対して求められる能力や適格性の有無を総合的に判断する項目として設けています。
(4)学校教育専門員については、面接試験を実施し、適格性を判断しています。
(5)(6)すべての合格者は適正な試験において、その職に適格性があると判断しています。なお、職員経験者や親族の合格率は集計しておりません。
(7)身につけていただく見識等は自ら考え、努力していただくべきものと考えています。その中に、市政やこれから担おうとされる市の業務に興味をもっていただくことも当然ながら含まれるものととらえています。
(8)面接担当者がそれぞれの職に従事し、また管理する中で、その職に求められる適格性を理解していますので、適切な手法を用いて面接を実施しています。

<3回目>

 以前質問したときには、筆記試験の問題を、1年も経たずに随時破棄していたということでしたけれども、今は、行政資料コーナーで公開されているということで、その点は、反省していただけたのかなと、やっと当たり前のことがされたなと、評価したいと思います。
 けれども、面接の採点項目の採点基準や面接担当者の面接スキルについて、議会で質問されても、まともに説明できないということは、残念ながら、未だにまともな採用試験が行われていないということではないのでしょうか。採点基準も示さないのに、「一緒に仕事がしたいか」とか、「採用したいか」とか、「部下として欲しいか」とか、そういう項目に点数をつけろというのは、好きか嫌いかとか、身内を優先したいとか、そういうことで判断してもよいということですよね。
 答弁では、これらの項目は、能力や適格性を総合的に判断するためのものだということですが、能力や適格性を判断するなら、筆記テストや実技テストをするのが普通です。そういうテストをすることで、「一緒に仕事がしたい」というような個人的な感情を排除して、どんな採点項目にも客観的な基準で点数をつけなければならないはずです。
 非常勤職員とはいえ公務員です。その面接で、好きか嫌いかみたいな項目があるのは、大変問題だと思います。
 学校教育専門員については、面接試験を実施したということですが、情報公開された文書には、誰がどんな基準で採点したのか、何の文書もありませんでした。学校教育専門員の月額報酬は21万5千円ですけれども、不透明な採用で、これだけの公金が支出されているということについては、まったく納得ができません。
 公民館の非常勤職員の採用試験で、以前は「はにたん」の誕生日が何月何日なのかを問う問題が出されていましたが、今回は、ゆるきゃらグランプリで「はにたん」が何位だったのかという問題が出されている。驚きました。毎年、ゆるきゃらグランプリの時期になると、市役所で、毎日のように、投票は1日1回できますというような館内放送が流されますので、1日1回、パソコンを開いて、ゆるきゃらグランプリのサイトで「はにたん」に投票している人、つまり、市職員OBの方には有利な問題かもしれません。こんな問題が、公務員試験で出るのはおかしいわけですけど、公平性という点でも非常に不適切だと思います。一生懸命、受験勉強をしてきた人を馬鹿にした問題ではないでしょうか。
 もちろん、公平・公正に試験を行った結果、職員経験者や職員の親族が多く採用されたということであれば、何も問題はないと思いますが、先ほどの面接の採点項目などからすると、公平・公正な試験がされたとは言い難いと思います。こういうものは即刻やめるべきだと、誰もが納得できる公平な筆記テストや面接の採点項目で試験を行うべきだと、強く指摘と要望をしておきます。

<答弁要旨>
 採用は適切に行っている。