高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市営バス】回送ルートを路線化等して収益を向上できないのか?

先日の本会議では、市バスの当初予算暗についても質問しました。大きくは、バスの運行等について、高齢者等無料乗車証のIC化等について、みらい創生審議会の答申についての3項目です。

以下は先日の本会議でのやり取りです。原稿とメモに基づいているので、不正解な部分もあることをお許しください。

 

■平成29年度高槻市自動車運送事業会計予算

1.バスの運行等について
(1)4月から竹の内・番田方面への運行を開始するということですが、市民の方から運行してほしいという要望が多かったり、現在運行を検討したりしている路線・場所には、どういったものがあるのでしょうか?また、それらについて、29年度は、どのように検討や決定を行うのでしょうか?お答えください。
(2)回送のためだけに使用している路線は、どういったものがあるのでしょうか?お答えください。また、そこにバス停を設置して、新たに運行を開始するということはできないのでしょうか?お答えください。

2.高齢者等無料乗車証のIC化などについて
(1)高齢者等の無料乗車券も、平成30年4月よりICカードへ移行するということですが、これについても、乗車時と降車時にタッチする「2タッチ方式」なのでしょうか?お答えください。
(2)これによって、高齢者の方が、どれだけバスを利用されているのかが把握できることになるのでしょうか?お答えください。また、その場合、市からの補助金の算定にも利用されるのでしょうか?お答えください。
(3)高齢者等の乗車が有料になった場合には、このICカードにもチャージして使用することができるのでしょうか?お答えください。また、このICカードにチャージができていない場合は、ICカードを示して、現金で支払うということになるのでしょうか?お答えください。
(4)チャージ機の設置場所が、資料によると、営業所・案内所・観光案内所となっていますが、市役所や支所、図書館や病院等には設置しないのでしょうか?お答えください。

3.みらい創生審議会の答申について
(1)「高槻市みらいのための経営革新」にむけた骨太方針について、という副題の付けられた、高槻市みらい創生審議会の平成28年12月22日付の答申書の7ページには、「バス事業は民間事業者でも行えることから、公営企業においても、民間並みの経営効率の実現を目指し、民間事業者と比較して高い給与水準と低い生産性・効率性の見直しを行う必要性がある。」と記載されています。私がこれまでさんざん指摘してきたことと同じようなことが書かれているわけですが、これについて、交通部としては、どのように考えているのでしょうか?民間事業者と比較して高い給与水準なのでしょうか?交通部の生産性や効率性は低いのでしょうか?それらの見直しについては、どのようにされるのでしょうか?具体的にお答えください。
(2)同じく、答申書7ページには、「今後のバス事業の民営化について検討すべきである」と書かれています。これについては、どのような見解をお持ちなのでしょうか?民営化すべきであると考えているのでしょうか?交通部の考えをお聞かせください。

<答弁>

 新たな路線についてですが、4月からの竹の内・番田方面への運行以外に、具体に運行を検討している路線はありません。
 次に、回送のためだけに使用している経路についてですが、当該経路は営業所から各起終点のバス停を効率的に結ぶために設定しているものです。
 次に、高齢者等無料乗車証のICカードに関するご質問ですが、内容が他部局にまたがりますので、調整の上、私のほうからご答弁させていただきます。
 まず、1点目ですが、高齢者等無料乗車証については、他のICカードと同様、バスの乗車時及び降車時にICカードリーダーへタッチしていただく2タッチ方式となります。
 2点目ですが、交通部が行います乗車券のICカードへの移行は、ご利用の方が、いつ、どのバス停から乗車されて、どのバス停で降車されたかといった、乗車・降車に係る詳細なデータの把握が可能となるもので、高齢者無料乗車証においても同様です。補助金については、今後、生活交通路線維持事業補助金と合わせて、検討してまいります。
 3点目ですが、高齢者無料乗車証については、現行の制度のままICカードへ移行する予定です。
 4点目ですが、チャージについては、バス車内でも行うことができます。チャージ機の他の公共施設等への設置は、利用される方のニーズを見ながら検討いたします。
 最後に、みらい創生審議会の答申についてですが、市営バス経営計画に基づき、自立経営の徹底をキーワードに、安全輸送を第一として、生産性・効率性の向上を図ってまいります。
 答申をいただいたこの後におきましても、交通部といたしましては、持続可能な経営基盤の確立に向けて、収支の改善など経営課題の解決に取り組んでまいります。

<2回目>

1.バスの運行等について
(1)市民の方から運行してほしいという要望のある路線については、どれだけ要望があるのかという記録や集計はされているのでしょうか?お答えください。
(2)そうした要望については、どのように検討しているのでしょうか?具体的にお答えください。
(3)竹の内・番田方面への運行については、どのような過程を経て、決定されたのでしょうか?具体的にお答えください。
(4)回送のためだけに使用している経路についてです。殿町を回送のためだけに通過していますが、真上のほうを通るよりも、殿町を通ったほうが道幅が広いですし、安全ではないのでしょうか?殿町を通る路線もあってもいいのではないかと思いますが、何かできない理由があるのでしょうか?交通部の見解をお聞かせください。

2.高齢者等無料乗車証のIC化などについて
(1)高齢者等の乗車証がICカードになった場合、そのICカードにも、チャージして使用することができる機能が備わっているのでしょうか?お答えください。
(2)そのICカードに、チャージして使用することができる機能が備わっているのであれば、なぜそんな機能が備わっているのでしょうか?理由をお答えください。
(3)高槻市みらい創生審議会の答申書の5ページには、「受益者負担の見直し」の項に「高齢者の市営バス無料乗車証制度についても同様の視点からの検証が必要である。」と記載されています。同様の視点というのは、料金について、他の自治体との比較や受益と負担の関係等から適正化を図る必要があるということです。つまり、現在の無料制度を見直して、有料にすべきかどうか、他の自治体と比較して検証すべきだというわけです。高齢者も有料となった場合、先ほどのICカードにチャージして、バスの料金を支払うことができるのでしょうか?お答えください。

3.みらい創生審議会の答申について
抽象的な答弁しかされませんでしたので、さらに詳しく4点についておききします。
(1)答申では「民間事業者と比較して高い給与水準」だと指摘されています。交通部としては、民間事業者と比較してどれだけ高い給与水準だと考えているのでしょうか?民間のバス事業者の何倍の給与水準になっているのでしょうか?お答えください。
(2)答申では「民間事業者と比較して・・・低い生産性・効率性」だと指摘されています。高槻市営バスの生産性・効率性は、民間バス会社と比較して、どれだけ低いのでしょうか?具体的にお答えください。
(3)それらの見直しについては、どのようにされるのでしょうか?給与水準を、いつまでに、どれだけ引き下げるのでしょうか?低い生産性・効率性を、具体的にどのようにして、いつまでに、どれだけ向上させるのでしょうか?それぞれについてお答えください。
(4)答申書には、「今後のバス事業の民営化について検討すべきである」と書かれています。検討はどのような形で行うのでしょうか?民営化するのでしょうか?具体的にお答えください。

<答弁>
 市民の方からの路線運行の要望についてですが、地域から要望書など書面が出ていれば、記録・保存はしていますが、個人一人ひとりの要望については、特に集計はしておりません。路線運行の要望につきましては、安全性と採算性を考慮して運行の可能性を検討します。
 新たな竹の内・番田方面の運行についてですが、当該地域からは長年にわたり市営バスの運行に対する要望があり、近年住宅が増えるなどの状況を鑑み決定に至りました。
 回送経路についてですが、1問目でお答えしましたように回送経路は効率的に結ぶため設定しているもので、当該地域における新たな路線としては採算面など解決すべき課題がございます。
 次に、ICカードの機能についてですが、ICカードへ移行した高齢者等無料乗車証にチャージすることはできません。
 最後に、みらい創生審議会の答申に関するお尋ねですが、民間事業者との比較については、給与水準や生産性・効率性において差があるとの指摘をいただきました。事業を運営するにあたって、比較対象とされた民間事業者の規模、路線の地理的な特徴及びそれに伴う収益性などを検討してまいります。
 いずれにせよ、答申の趣旨及び指摘された内容を交通部として重く受け止め、市営バス経営計画に基づき各事業を着実に進め、持続可能な経営基盤の確立を図ってまいります。

<3回目>

1.バスの運行等について
(1)竹の内・番田方面の路線の採算についてはどれだけを見込んでいるのでしょうか?黒字だと予測しているのでしょうか?収入と支出のそれぞれの見込みについてお答えください。
(2)竹の内・番田方面の運行については、地域からの長年にわたる要望や住宅の増加があったので、決定したということです。いつ、どこから、どういった要望が、どれだけあったのでしょうか?お答えください。
また、住宅がどれくらいにまで増加すれば、路線を新設してもらえるのでしょうか?お答えください。

2.高齢者等無料乗車証のIC化などについて
(1)高齢者の方は、メカに弱い方が多いと思います。乗車証がICカードに切り替わったら、乗る時も降りる時もタッチをしないといけないのに、それを忘れたり、チャージできないのに、間違ってチャージしようとしたりするかもしれません。そのために、もたついて、他の乗客にも迷惑がかかるかもしれません。こうしたことについては、どのような対策を行うのでしょうか?具体的にお答えください。
(2)高齢者の方も有料となった場合、ICカードをチャージできるものに順次切り替えていくのでしょうか?それとも、PiTaPaICOCAに有料で申し込んでいただくことになるのでしょうか?具体的にどうするのか、お答えください。

3.みらい創生審議会の答申について
(1)給与水準や生産性・効率性について、なぜ民間事業者とどれだけ違うのか、具体的に答えないのでしょうか?なぜ、明確な数値目標を示すことができないのでしょうか?なぜ民営化について答えられないのでしょうか?それぞれの理由をお答えください。
(2)高槻市のホームページにあった「高槻市の給与・定員管理等について」(平成28年4月公表分)によると、交通部の職員の給与は、民間の1.23倍だとされています。民間の給与水準と同じにするということなので、この倍率を1倍にするということよろしいでしょうか?お答えください。
(3)いつまでに、職員の給与を、民間の給与水準と同じにするのでしょうか?具体的な時期をお示しください。

 あとは意見を述べます。
 竹の内・番田方面の路線は黒字になるんでしょうか?上牧と同じようになるのではないかと心配です。住民の要望があっても、運行してくれないところはいくつもあるのに、なぜ竹の内・番田方面にはバスを走らせることにしたんでしょうか?答弁を聞く限りは、非常に不透明な感じがします。
 高齢者が多くなってきたので、交通弱者のために福祉的な意味もあって、運行をするというのであれば、山間部こそ路線を伸ばしたりするべきではないでしょうか?たとえば、高見台なんて典型的な場所だと思いますが、住民からの要望があるのに、なぜ運行しないのか疑問です。
 回送についてですが、回送のバスは、いってみれば、空気を運んでいるだけですよね。回送にも、当然、運転士の職員の人件費もかかっていますし、燃料代もかかっている。それを路線化すれば、収益が上がる可能性が高いのではないのでしょうか?こういう空気だけ運んでいるような状態のものを、収益化するというのは、生産性・効率性を高めることになるはずです。
 殿町経由だけではなくて、阿武山から富田駅を経由しないで直接、高槻北に乗り入れる路線・名神の側道を岡本から緑ヶ丘まで回送しているものについても、路線化してほしいという要望が以前あったのではないのでしょうか?
 こうした回送ルートを路線化することも、ぜひ検討してください。要望しておきます。
 高齢者等無料乗車証のIC化については、混乱・トラブルのないように、しっかりと対策を行ってください。それを有料化するということになったら、さらにやり方が変わるわけですから、変化についてこれない高齢者の方は、戸惑うと思います。先々を見越した対応を要望しておきます。
 それから、以前も言いましたが、ICカードで高齢者等の乗客数がはっきりしたら、きっちりとその分の補助金を、高槻市に対して請求すべきです。
 みらい創生審議会の答申については、私は民間バス事業者の給与水準に合わせるべきだということは何回も言ってきましたので、答申のそういう部分には共感します。バスの運転は、正規職員も非常勤職員も、何も変わらないのだから、全員非常勤職員にすればいいということも提案しました。
 仕業票の中に、無駄な時間がある、たとえば、3分で到着できるのに、80分もの時間が設定されていて、実際にはヤミ休憩時間になっていたということも、透明バス問題として、以前指摘しました。最近では無意味な研修時間や掃除の時間を設けているようですけれども、そういう無駄な時間をなくして、その分の無駄な給与を減らせばいいと思います。これも生産性・効率性の向上といえるんじゃないでしょうか?
 あと、遅刻を繰り返す職員はきっちりと処分すべきです。そういう職員がいると、他の職員に影響します。モラルやモチベーションが下がるのではないでしょうか。
 こういうことをきっちりとやってください。あらためて要望しておきます。
 それから、みらい創生審議会の答申ではいろいろと書かれていますが、交通部には交通部の考えがあるでしょう。これまでの交通部が議会で行ってきた答弁からすると、みらい創生審議会の答申とは相容れないところもあるのではないですか。民営化なんて提言されていますが、民営化してもいいんですか?私は、しっかりと、給与を民間水準と同じにして、生産性・効率性を高めれば、民営化なんかする必要はないと思いますが、ご答弁では、答申を重く受け止めるということでした。民営化について、どうお考えなのか、交通部としてのビジョンや、市バスの存在意義についての見解をお聞かせいただければと思います。

<答弁要旨>

 まず、竹の内・番田方面の路線については、交通部として玉川橋団地線の収支を改善したいという考えと地域の長年の要望が合致したことから、玉川橋団地線を経路変更したものです。路線新設に当たっては、要望、住宅の戸数、見込まれる乗客数などを複合的に勘案して決定しています。
 次に、2タッチ方式となった場合の乗車及び降車時の利用方法につきましては、市の広報誌やホームページ、バス車内ポスター等により、高齢者にとってわかりやすい十分な周知を図ってまいります。
 また、チャージ方式など仮定のご質問にはお答えできません。
 最後に、みらい創生審議会の答申に関するお尋ねですが、繰り返しになりますが、答申の趣旨及び指摘された内容は交通部として重く受け止めております。市営バス経営計画を着実に進めていくことにより、自立経営の徹底、持続可能な経営基盤を確立することが答申内容に応えていくことになると考えております。
 我々のやることは市営バス経営計画の着実な実施です。