高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【史跡一般開放訴訟】地裁で敗訴・その1

「一般開放」された史跡の仮設広場での野球の試合

本日、大阪地方裁判所で、史跡一般開放訴訟の判決言渡しが。残念ながら敗訴しました。

しかし、ボール遊びができる公園が少ないとお嘆きの皆さんには朗報かもしれません。ボール遊びどころか、野球やサッカーの練習試合くらいならできるのですから。

事件の概要は・・・高槻市教育委員会が、史跡(市有地)のうち5か所を「仮設広場」として、少なくとも5年間、特定の団体(地元自治会やスポーツ団体)に対し、無料で使用許可をしていました。

このことを平成25年9月26日の高槻市議会本会議で追及すると、市教委は、同年10月以降、使用許可をしなくなりました。そして、10月15日、これまで使用許可をしてきた団体に対して「広く一般に開放する」と通知しました。

しかし、一般開放するとはいっても、他の市民には広報など一切していません。つまり、これまで使用してきた団体だけが、無料で使用できることを知ったのです。実態は何も変わらず、以前同様、特定の団体だけが無料で独占的に使用し続けているわけです。仮設広場の入口に掲示がされるようになったので、それを見て利用し始めた人もいるかもしれませんが、ごく少数でしょう。

一般の市民は、有料で市のスポーツ施設を使用しているのに、これではあまりにも差別的です。

この問題については、違法なものを広めるわけにはいかない等と考え、公表してきませんでしたが、大阪地裁は違法ではないという判断を下しましたので公表します。

判決にまで言及すると長くなりますので、今日はまず議会でのやり取りだけ掲載します。

■平成25年 第5回定例会(第4日 9月26日)

○(北岡隆浩議員) 北岡隆浩です。 
(中略)
 次に、史跡の利用等について、3点、伺います。 
 1点目、史跡の使用許可の状況を調べたところ、自治会やスポーツ団体、民間企業の関係のサークルなどがスポーツや行事などに無料で使用していました。史跡に限らず、行政財産の使用を許可する場合には、公益上の必要がある場合には使用料を減免できるという規定があるものの、原則として使用料を徴収しなければならないとされています。しかし、史跡の使用許可については、ほぼ全ての場合において、使用料が免除されています。市民がスポーツ施設を使用する場合、有料であることがほとんどだと思いますが、なぜ史跡の場合は免除されるのでしょうか。 
 2点目、ある史跡の土地については、スポーツをする団体は曜日や時間帯を定めて使用申請しているのですが、地元の自治会は1か月間、曜日や時間帯を定めずに使用申請をしています。その結果かどうかはわかりませんが、スポーツ団体が使用する以外の曜日や時間帯については、その自治会がほぼ押さえる形になっています。その自治会は実際に押さえた全時間帯について、全て何らかの行事などをしているのでしょうか。 
 3点目、先ほどの自治会についてですが、もしほかの団体の使用申請がない場合、全部の日を自治会が使用許可されるということになるのでしょうか。 
 それぞれお答えください。 
(中略)
  〔教育管理部長(上田昌彦)登壇〕 
○教育管理部長(上田昌彦) 史跡の使用許可に関するご質問にお答えをいたします。 
 史跡の公有化は、史跡の保存と啓発という大きな役割を担っております。公有化が進捗すれば、「いましろ 大王の杜」のように、史跡公園として整備を行い、貴重な遺構を守りながら、市民の皆さんの歴史学習や憩いの場としての利用に供しておりますが、公有化途上の史跡にあっても、未整備の史跡保存地を適切に保存し、啓発を図る必要がございます。 
 このような中、公有化の時点で広場の形態に合った史跡保存地について、地域から、地域の児童生徒や高齢者等の野球やサッカー、ゲートボール、祭りなどの活動に使いたいとの要望がございました。 
 市といたしましては、史跡の啓発や保存推進への理解と協力を前提に、自治会へ使用許可を与えることで、地域の皆さんに当該地が貴重な文化財であるとの認識を深めていただき、除草やゴミ拾いなど、史跡保存の効果が得られることから、使用許可に係る使用料は免除をしております。 
 なお、自治会には地域の窓口として調整役を担っていただいておりますので、使用許可に当たって、曜日、時間は定めておりません。 
 以上でございます。 
(中略)
○(北岡隆浩議員)
(中略)
 次に、史跡の使用等について、10点、伺います。 
 1点目、史跡保存地をスポーツのために使用許可すると、地域の皆さんに、当該地が貴重な文化財であることの認識を深めていただけるというようなご答弁ですが、史跡嶋上郡衙跡は、国の史跡指定も受けて、国からも補助金が出ているわけですから、広く市民に使用許可するほうが、市民全体に貴重な文化財としての認識を深めていただけるのではないでしょうか。なぜ、広報紙やホームページなどに載せて、広く市民に公表せず、一部の方だけに使用許可をしているのでしょうか。 
 2点目、貴重な遺跡・遺構が埋まっている土地の上でスポーツをすると、貴重な文化財であることの認識が深まるのでしょうか。 
 3点目、地域の方に使用許可をすれば、除草やごみ拾いなど史跡保存の効果が得られるとのことですが、そんな契約を使用者の方としているのでしょうか。 
 4点目、嶋上郡衙跡に関しては、シルバー人材センターと約220万円の除草業務に関する契約を結んでいますが、地域の方に除草などをしていただけるのであれば、この契約は無駄だということになるのでしょうか。 
 5点目、除草やごみ拾いなどの史跡保存の効果が得られることから使用許可に係る使用料は免除しておりますとのことですが、除草やごみ拾いをすれば使用料が免除となる規定は、条例などのどこにあるのでしょうか。 
 6点目、使用料の免除の根拠は、高槻市行政財産使用料条例8条1項であると、行政財産使用許可書には記載されていますが、自治会やスポーツ団体がスポーツを行うことは、この条項に書かれている公益上の目的に該当するのでしょうか。 
 7点目、高槻市内のほかの運動場などのスポーツ施設は、高槻市のホームページを見る限り、全て有料でした。スポーツが公益上の目的なのであれば、なぜほかの運動場などは有料なのでしょうか。 
 8点目、今城塚古墳や、ほかの史跡においても、こうした使用目的であれば、全て使用料が免除されるのでしょうか。 
 9点目、自治会には地域の窓口として調整役を担っていただいておりますので、使用許可に当たって曜日、時間は定めておりませんとのことですが、自治会とそのような契約などをしているのでしょうか。具体的にお答えください。また、なぜ自治会にそのような窓口を委任しているのでしょうか。自治会以外の団体で直接、高槻市教育委員会から使用許可を得ている団体もありますし、全てが自治会に任されていないようですが、自治会というのは、何をどう調整されているのでしょうか。教育委員会では、なぜそのような調整をしないのでしょうか。 
 10点目、自治会が窓口で調整役であったとしても、使われていない時間まで自治会に使用許可を与えるのはなぜなんでしょうか。 
 それぞれお答えください。 
(中略)
○教育管理部長(上田昌彦) 史跡の使用許可に関するご質問にお答えいたします。 
 本市は、数多くの歴史的な遺産に恵まれており、史跡の保存、啓発に努めるだけではなく、これらをまちづくりの資産として活用し、豊かな市民生活に役立てていくことが大切であると認識をしております。 
 先ほどもご答弁いたしましたように、史跡の公有化が進捗すれば、整備を行い、「いましろ 大王の杜」のように、市民の皆様の歴史学習や憩いの場として、市の内外を問わず、広く一般に利用していただいております。 
 公有化がそこまで進捗していない史跡につきましては、文化財保護法の趣旨にのっとり、保存に努めているところでございますが、長期にわたり、未整備の保存地が点在する状況では、地域の皆様の保存に関する理解と協力が必要でございます。 
 そのため、公有化の時点で広場としての形態をしていた保存地につきまして、地元の要望もあって使用許可をしているところでございます。 
 その使用目的は、スポーツや自治会の祭りなど、さまざまではございますが、土地の使用に当たり、啓発ビラを配布すること等によりまして、当該土地の有する歴史的な経緯に関する知識が深まり、かつ当該土地に対する愛着も育まれるものと認識をいたしております。 
 また、ごみ拾いや除草なども、必要に応じて行われ、こうした地元での使用は、史跡を良好な状態で維持、保存するという上で有効であり、これらのことが公益目的にかなうため、使用料を免除しているところでございます。 
 当該地は史跡であり、広く市民一般を対象としたスポーツ施設として開放しているものではございません。 
 なお、シルバー人材センターとの契約は、当該の史跡につきましては、当該地の外周部分も含めて、保存地全体の約3分の1に当たる約1万2,000平方メートルを除草委託しており、近隣の生活環境を良好に保つ上でも、必要であると認識をいたしております。 
 また、自治会への使用許可でございますが、利用団体などの実情や当該地の現状をよく把握されており、地域の催しなどを踏まえて、日程等の調整を効果的に行っておられますので、自治会に対して使用許可をしているところでございます。 
 以上でございます。 
(中略)
○(北岡隆浩議員) 
(中略)
 次に、史跡の利用等についてです。 
 この問題は、1年前に取り上げた、高槻水みらいセンターのテニスコートと同じで、知っている人だけが無料で独占的に使用できるという、市民にとって、極めて不公平、不平等なものだと、私はとらえております。 
 昨日、蔵立議員から、野球やサッカーをしようと思っても、それができる公園が少ないという問題が指摘されました。しかし、多くの市民が知らないところで、こうした史跡では、野球やサッカー、グラウンドゴルフがされているわけです。 
 上田部長はいろいろと答弁されていましたけれども、ほかの運動場などは有料なのに、ここは無料だというのは、市民の方は納得できないはずですし、スポーツ等の一般的な使用や、使用しない時間までも使用許可がされているのは、公益が目的とは考えられませんので、使用料は免除できないはずです。したがって、使用料の免除を決裁してきた部長の行為は違法であると考えられます。 
 ご答弁によると、土地の使用に当たり、啓発ビラを配布すること等によって、当該土地の有する歴史的な経緯に関する知識が深まり云々ということですが、ビラを読んだら土地の使用を無料にしてもらえるのでしょうか。啓発ビラの配布とスポーツなどでの土地の使用は関係ないわけですし、部長の答弁は詭弁にすぎません。 
 また、ごみ拾いや除草なども必要に応じて行われていて、それが公益だから使用料を免除しているんだということですが、行政財産使用許可書の使用目的や使用条件にはそのようなことも書かれていませんし、除草などについての自治会との契約も、情報公開請求では出てきませんでした。ということは、そんな契約はないはずなので、やはり、使用料の免除はできないはずです。 
 上田部長は、自治会への使用許可は、利用団体などの日程等の調整を効果的にしているからだとおっしゃられていましたが、ということは、自治会が、ほかの利用団体に、行政財産を又貸し、転貸をすることを前提に使用許可をしているということになります。転貸は、使用許可条件によって禁止されていますので、市の設けた条件に反した使用許可が部長決裁でされてきたということになります。これは問題ではないのでしょうか。 
 以上のとおりで、上田部長の答弁のとおりだとすると、違法な使用許可がされてきたと言わざるを得ません。 
 市民が平等に使用できるように、また、以上の使用許可に係る責任者、使用者に、使用料相当額を賠償・返還させるように要望をして、この件については終わります。 
(中略)
○議長(藤田頼夫) 時間が参りました。発言をやめてください。 
 北岡隆浩議員の一般質問は終わりました。



■平成25年 第6回定例会(第4日12月19日)

○議長(藤田頼夫) 岡 糸恵議員の一般質問は終わりました。 
 次に、北岡隆浩議員。 
     〔北岡隆浩議員登壇〕 
○(北岡隆浩議員) 北岡隆浩です。 
(中略)
 最後に、史跡・公園・スポーツ施設等について6点伺います。 
 1点目、教育委員会は史跡嶋上郡衙跡附寺跡や史跡安満遺跡の一部について、自治会やスポーツ団体などに使用許可をし、その使用料を免除していましたが、いつからそのようなことをしてるんでしょうか、具体的な時期をお答えください。 
 また、なぜそのようなことを始めたのか、理由もお答えください。 
 2点目、その史跡を使用してきた団体には、高槻市の職員や元職員はいるのでしょうか。 
 3点目、現在は広く一般に開放するとして、誰でも自由に使えるようにしているようですが、問題はないんでしょうか。市民の皆さんに無料もしくは安価に使用していただくためには、高槻市都市公園条例や高槻市立総合スポーツセンター条例などの条例を改正して規定するか、あるいは新しく条例を制定すべきと思いますが、そのような必要はないのでしょうか。 
 4点目、広く一般に開放する場合、普通ならたくさんの市民の方に広報すべきではないかと思いますが、そういうことはされないのでしょうか。 
 5点目、嶋上郡衙跡や安満遺跡については、これまで野球やサッカーが行われてきたわけですから、球技が可能であるわけですが、これは一般開放された現在も同様なんでしょうか。子どもたちは、そこで自由にボール遊びができるんでしょうか。 
 6点目、使用料の減免の基準についてですが、高槻市立総合スポーツセンター条例について先日お聞きしたところでは、市や教育委員会の主催事業等は全額免除、後援事業等は半額に減額するということでした。ほかに史跡や公園、スポーツ施設の使用料について減免される場合というのは、どういうものがあるんでしょうか、また、どれだけ免除されるんでしょうか。それぞれお答えください。 
 以上で1回目の質問を終わります。 
(中略)
  〔教育管理部長(上田昌彦)登壇〕 
○教育管理部長(上田昌彦) 史跡等に関するご質問にお答えいたします。 
 史跡は公有化途上にあっても適切に保存し、啓発を図る必要がございます。公有化を行った時点で地域からの要望に基づき史跡の啓発や保存推進への理解と協力を前提に使用を認めたところでございます。地域の皆さんに、当該地が貴重な文化財との認識を深めてもらい、史跡保存の効果が得られることから使用料は免除しておりました。 
 使用許可開始の時期でございますが、関係文書の保存年限が経過しておりますので、平成19年以前の文書はなく、詳細な状況は把握できませんでした。 
 次に、史跡を使用してきた団体に市職員や元市職員がいるかどうかにつきましては把握をしておりません。 
 次に、条例についてのご質問ですが、今回の対応は史跡の保存と啓発のため市民にお越しいただくためのものであり、高槻市都市公園条例や高槻市立総合スポーツセンター条例において規定することはできません。 
 次に、一般開放を広報すべきとのお尋ねでございますが、繰り返しになりますが、史跡保存地を史跡の普及啓発の観点から日常的にご利用いただけるようにするものであり、特段の広報は必要ないと考えております。 
 次に、ボール遊びができるかどうかというお尋ねでございますが、他の人に迷惑をかけない範囲で、憩いや交流、遊びの場としてご利用いただいております。 
 次に、行政財産の使用料の減額または免除につきましては、高槻市行政財産使用料条例第8条第1号から第4号に該当するときは、これを減額し、または免除することができるとする規定を適用することとなります。 
 以上でございます。 
○(北岡隆浩議員) (中略)
 最後に、史跡・公園・スポーツ施設などについて6点伺います。 
 1点目は、経緯についてです。文書の保存年限が経過したので、当時の文書がないというご答弁ですが、職員の方は記憶しておられるはずです。正直に、なぜこのようなことを始めたのか詳細をお答えください。 
 2点目、現在の使用状況の把握についてです。教育委員会は史跡嶋上郡衙跡附寺跡や史跡安満遺跡の一部について、現在は広く一般に開放しているとのことですが、一般開放してから、いつ、誰がどのようにその史跡を使用しているのか、教育委員会では把握しているんでしょうか。 
 3点目は、一般開放についてです。そもそも広く一般に開放するというのは、どういうことなんでしょうか。それについてのルールは定めているんでしょうか。許可を得ずとも、違法行為以外なら誰が何をやってもいいのでしょうか。史跡で農産物が販売されたということもありましたが、営業行為も許されるんでしょうか。ある企業が使用許可を得て駐車場などとして使用していたケースもありますが、そのように長期間、何かを放置していてもいいのでしょうか。 
 4点目は、史跡の保存と啓発についてです。この一般開放は史跡の保存と啓発のためとのご答弁ですが、教育委員会は保存と啓発について具体的に何をしてるんでしょうか。 
 5点目は、行政財産使用料条例2条についてです。高槻市行政財産使用料条例2条には、「市の行政財産を使用しようとする者は、使用日3日前までに市長(教育委員会が管理する行政財産にあっては、教育委員会)に申請し、許可を受けなければならない」と定められていますが、なぜこの規定が、この史跡については適用されないんでしょうか。3日前までに許可を受けなければならないのではないでしょうか。 
 最後、6点目は、ボール遊びについてです。一般開放された史跡では、他人に迷惑をかけない範囲でボール遊びができるというようなご答弁ですが、ほかの多くの公園では、なぜボール遊びが禁止されてるんでしょうか。他人に迷惑をかけない範囲でボール遊びなどをしてもよいですよというようなルールにはできないんでしょうか。それぞれお答えください。 
(中略)
○教育管理部長(上田昌彦) 史跡等に関するご質問にお答えいたします。 
 まず、経緯につきましては、繰り返しになりますが、文書が保存されておりませんので、お答えすることはできません。 
 また、いつ、誰がどのように史跡を利用しているのかというお尋ねでございますが、現在は不特定多数の市民の方が利用されております。 
 次に、市有地である史跡については使用許可を得ずに長期間放置するような行為をすることは、当然、許されるものではございません。 
 次に、史跡の保存と啓発に関するお尋ねでございますが、史跡嶋上郡衙跡附寺跡や史跡安満遺跡は本市の悠久の歴史の中でも、全国に誇る大切な歴史遺産の一つとして保存が図られているもので、その地下には重要な遺構が残っております。こうした史跡は、我々、現代人の共有の財産として大切に保存し、後世に引き継いでいくことが求められております。また、地下の遺構は現地にあってこそ価値が認められますことから、いたずらに現状を変更することなく保存管理をしなければなりません。啓発につきましては、史跡の要所に説明板や案内板を設置し、市民に周知を図っております。 
 次に、行政財産使用料条例に関するお尋ねでございますが、地方自治法238条の4第7項の規定に基づきまして、行政財産の目的外使用許可を与える場合にあっては、使用料条例に定める対応を行っております。 
 以上でございます。 
○都市創造部長(梅本定雄) 公園でのボール遊びについてのお尋ねですが、市内の多くの公園につきましては民家が近接していることや、面積も小さいことから、周辺住民への配慮とともに利用者の安全を重視し、危険なボール遊びはできないものと考えております。 
 以上でございます。 
○(北岡隆浩議員) (中略)
 最後に、史跡・公園・スポーツ施設などについてです。 
 経緯についてお聞きしたら、文書がないのでわかりませんとの答えでした。当然、経緯を知っている職員の方がおられるはずです。長年、文化財課に在籍している職員の方が何人もおられるじゃないですか。使用する側に市職員やOBがいるのかどうかについても答えがないのはなぜなんでしょう。使う側も法令上の問題がわかっている場合などは責任があるのではないかと思います。現在の使用状況についてお聞きしたら、不特定多数の方が利用されているとのことです。つまり、教育委員会では、いつ、誰がどのように使用しているのかを把握していないということです。でも、一般開放については広報などはしていないということですから、実質的には、これまで無料で、その史跡を使用してきた団体が、やっぱり無料でずっと使用し続けてるケースがほとんどではないでしょうか。先日、私は現地を見てきましたが、どうやら、そのように使われているようです。教育委員会の一般開放というのは、これまでの行政財産の使用許可との一貫性がありませんし、特定の団体に無料で史跡を使用し続けさせるための方便としか思えません。やはり、これらは高槻市行政財産使用料条例に反した違法行為であると私は考えております。
 教育委員会は説明板や案内板を設置しているから、それが史跡の啓発になっているのだというようなことをおっしゃられてますが、この史跡を使う人の主たる目的は、説明板や案内板を見に来ることではないですよね。これまでの使用実態を見れば、スポーツか何かをしに来てるわけです。行政財産使用料条例の趣旨からすれば、使用者の使用目的に公益性がなければ、使用料を減免できないというのは明らかです。先日の史跡整備等特別委員会でも言いましたが、条例を制定や改正すれば、スポーツ団体や自治会等に安価、あるいは無償で使用していただくことができたのではないかと私は考えております。教育委員会は、そういうことを怠ってきたのではないでしょうか。 
 教育委員会は、ことしの10月にスポーツ団体などに対していきなり使用許可をしなくなりましたが、これは、それまでの使用許可がかなりまずいものだったと、違法、不当なものであったと教育委員会が考えたからではないのでしょうか。ちゃんとした許可をしてきたのなら、幾ら一議員に問題視されようとも堂々と続けられたはずです。もし、教育委員会の措置によって多くの市民の皆さんが迷惑をこうむったのであれば、それはいまだに条例の制定や改正の手続を怠っている高槻市教育委員会の責任です。 
 10月15日からは一般開放としていますが、先ほども述べましたとおり、これもおかしい。少なくとも、平成19年度から史跡が使用されてきたようですが、これまで条例を制定や改正することもなく、現在も詭弁、方便を弄して条例を踏みにじって、行政財産を使用させている教育委員会の責任は大変重いと思います。市民全体のために法令上、しっかりとしたことを公正、平等に行うことを要望します。 
 あと、公園等のボール遊びについては、危険なボール遊びはできないとのご答弁でした。危険でなければよいのでしょうか、誰が危険かどうかを判断するんでしょうか。 
 私は、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」が好きなんですが、この小説の原題は「キャッチャー・イン・ザ・ライ」、直訳すると、ライ麦畑の捕まえ手というほうが正しいんですが、これは友人の受け売りなんですが、なぜこんなタイトルなのかというと、主人公で高校生のホールデン・コールフィールドは大人たちのインチキ、偽善、欺瞞に傷つくんですが、無邪気な幼い妹と話したり、幼くして死んだ弟のことを思い出したりすると、救われたような気持ちになる。妹に語った夢というのが、広いライ麦畑で遊んでいる子どもたちが気づかずに崖っ縁から落ちそうになったときに、捕まえてあげられるような、そんな人間になりたいというものだったんです。だから、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」なんですが、こういうふうに、公園や史跡などで遊ぶ子どもたちを見守り、危険なことはやめさせるような、そんなボランティアを配置するというのはどうでしょうか。その人が何が危険なのか判断し、子どもたちが遊ぶ場所などでけんかなどを始めたら仲裁すればいい、そういうことは昔は餓鬼大将みたいな人がやっていたような気がしますが、教育委員会は青少年のリーダーを育成するための研修をしていますし、ファミリーサポートセンター事業の提供会員のような形にして、公園や施設に派遣すれば、子どもたちは割と伸び伸びと遊べるのではないでしょうか。インチキな行政財産使用許可や一般開放はやめて、条例の制定や改正、あるいは先ほど申し上げましたような、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」のようなボランティアのことを検討していただくように要望します。 
 あと、史跡や公園などで子どもたちがけがをした場合の保険がどうなのかわかりませんが、もし、それが不十分なものであれば、それについても検討していただきたいということを要望して、質問を終わります。 
(中略)
○都市創造部長(梅本定雄) 公園での遊び方についてご提案いただきましたが、公園の周辺の人々とともに、公園利用者の安全が何より重要と考えておりますので、よろしくお願いいたします。 
 以上でございます。 
○議長(藤田頼夫) 北岡隆浩議員の一般質問は終わりました。 
 ここで、午後3時50分まで休憩します。 
   〔午後 3時25分 休憩〕