高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【南平台日吉台線】1億円以上の工事がいつの間にか消えた?

都市計画道路南平台日吉台線

これも昨日の一般質問で取り上げた問題です。南平台日吉台線の第1工区の工事の中には「4号補強土壁工」という1億円以上の工事もあったのですが、議会に対しても説明がされないまま除外されていました。

この「4号補強土壁工」というのは、道路の土台を南側の側面から補強するためのものだったのですが、市の説明によると、雨水管付替工等の別の工事に変更されたとのこと。ところが、この工事の設計変更は平成28年3月にされているのに、工事は平成26年度の下半期から開始したとの答弁。工事が先で、設計が後というのは、順番が逆です。

しかも、この変更後の工事の金額は、除外された「4号補強土壁工」と1円の差もなく同じだというのです。金額の変更がなかったから、議会に議案を上程しなかったというのですが、そんな大きな工事の金額が、ピタリと一致することなんてありえるのでしょうか?

以下は昨日のやり取りです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分もあることをお許しください。

4.南平台日吉台線等について

<1回目>

(1)平成26年6月に締結された都市計画道路南平台日吉台線新設工事(第1工区)請負契約の設計書を見ると、当初、擁壁工の4号補強土壁工の中に「中層混合処理工」という工事が含まれていました。この工事は、いつ、どのような手順ややり方で行う予定だったのでしょうか?地盤改良のための工事ですので、工期の初期には取り掛かる必要があったのではないのでしょうか?巨大な重機と平らな施工ヤードが必要と思いますが、施工ヤードはどのように確保する予定だったのでしょうか?隣接する名神高速道路の石積みを撤去する必要はなかったのでしょうか?具体的にお答えください。

⇒中層混合処理工は、4号補強土壁工の地盤改良として実施するもので、当該箇所の支障物件が除却され、土質調査を行った後の平成27年度以降に予定をしていたものです。
 また、施工ヤードについては、従来どおり事業地内での作業を予定しておりました。
 なお、石積みについては、ネクスコの所有であることから、協議の上、残したものです。

(2)同じく、4号補強土壁工のその他の工事は、何年何月から取り掛かる予定だったのでしょうか?お答えください。

⇒4号補強土壁工のその他の工事は、地盤改良後に着手を予定しておりました。

(3)この契約は、平成27年6月に、議会の議決を経て、雨水排水構造の追加変更を行うということで、契約金額は、11億5452万円から、1億2018万8880円増額されて、12億7470万8880円となりました。この際に、先ほどの中層混合処理工が設計書から消えているのですが、何故なのでしょうか?理由をお答えください。

⇒当該箇所の土質調査の結果、地盤が良いことが判明したため、中層混合処理が不要であることから削除したものです。

(4)平成28年3月には、4号補強土壁工そのものが、西日本高速道路(NEXCO西日本)が名神で盛土工事を行ったという理由で、設計から除外されたと聞きました。NEXCOのその工事は、平成25年8月頃から既に開始されていたそうです。高槻市はNEXCOとは緊密に連絡を取り合っているはずですが、NEXCOのその工事については知らなかったのでしょうか?なぜ28年3月の段階で、4号補強土壁工を除外したのか、お答えください。

新名神事業においては、関係者間で工程調整等を随時実施しており、当該箇所の盛土工事は、平成27年の当初から着手されております。
 また、4号補強土壁工については、当該箇所を同時施工するネクスコ西日本との工程調整が整ったことを受け、平成28年3月の段階で削除したものです。

(5)その設計変更の際、4号補強土壁工の代わりに、別の工事を行うことにするけれども、設計を精査した結果、金額に差異がなかったとされたと聞いています。金額に差異がないということですが、4号補強土壁工の工費はどれだけだったのでしょうか?1億円以上だと聞いていますが、間違いないでしょうか?お答えください。
 また、この変更後の工事の内容と費用はどれだけなのでしょうか?詳細をお答えください。

⇒個別の工事金額については、お答えできません。

(6)第2工区の工事でも、同様に、当初の設計書には含まれているのに、その後、削除されたものはあるのでしょうか?あるのであれば、どのようなものがあるのか、工事の内容と金額を具体的にお答えください。

⇒平成28年3月に契約変更の議決を頂いた成合共有山部分の工事以外に削除したものはございません。

(7)平成26年6月の議会では、南平台日吉台線の用地買収に関連して、財産を支払手段として使用するということが議決されました。「移転補償金の一部を金銭にかえて西日本高速道路株式会社並びに大阪府から本市に無償譲渡される土石砂れきを支払手段として使用する・・・その数量は13万立方メートル、評価額は7800万円」だと、部長から説明されました。これについては現在まで、どのようにされたのでしょうか?高槻市がNEXCOと大阪府から無償で入手したものだけが使用されたのでしょうか?それとも、それ以外から、あるいは、有償で、入手したケースもあるのでしょうか?あるのであれば、どこから、いくらで、どれだけの量を購入したのか、お答えください。

⇒平成26年6月議会でご議決いただきました代物弁済につきましては、議会でご説明した内容のとおり平成27年4月から代物弁済を開始しており、今月中には完了する予定であります。

<2回目>

(1)4号補強土壁工に含まれていた中層混合処理工は、土質調査の結果、地盤が良いことが判明したため、削除したということです。その調査は、いつ、誰が、どのように行ったのでしょうか?詳細をお答えください。

⇒支障物件の除却後、受注者にて、ボーリング等の調査を行いました。

(2)そのような土質調査というのは、本来は、設計の前に行うものではないのでしょうか?なぜ設計の前には行わなかったのでしょうか?詳細をお答えください。

⇒設計段階で調査可能な位置については、実施しております。

(3)その中層混合処理工が削除されたのは、平成27年6月の議会で議決された変更契約においてですが、議会では削除について説明がされませんでした。なぜ説明をしなかったのでしょうか?お答えください。

⇒中層混合処理工については、受注者と合意し、内容変更により削除いたしております。

(4)4号補強土壁工は、道路の土台の盛土を、南側の側面から補強するためのものでした。しかし、この工事は結局されなかったわけです。道路の強度に問題はないのでしょうか?お答えください。

名神高速道路との間を土で埋めることで、補強土壁の必要がなくなることから、問題はありません。

(5)4号補強土壁工の削除については、当該箇所を同時施工するネクスコ西日本との工程調整が整ったからだということです。NEXCOの工事は25年8月8日付で締結されて、28年3月25日付で変更されています。この変更は主に解体工事に関するもので、工事内容が大幅に変更されているようには見えません。NEXCOと工程調整が整ったということですが、具体的には、いつ、どういった調整を行ったのでしょうか?お答えください。

⇒具体的な調整等については、本市とネクスコ西日本の間で、平成26年度下半期から現在まで、随時、現場の状況に合わせて、補強土壁の代わりとなる、盛土の調整を行っております。

(6)私は、南平台日吉台線の設計・工事・契約とそれらの変更の内容がわかる文書を公開してくださいと、情報公開請求しました。ところが、市は、4号補強土壁工を除外する等とした平成28年3月の設計変更については、公開しませんでした。なぜ公開しなかったのでしょうか?お答えください。

⇒契約書の変更が伴った文書について、情報公開をしたものです。

(7)4号補強土壁工と1円単位までまったく同じ費用の工事というのは、具体的にどういうものなのでしょうか?お答えください。
 また、その工事はいつから始めたのでしょうか?既に終わっているのでしょうか?進捗状況についても詳細にお答えください。

⇒設計の主な内容変更として、4号補強土壁工の一部に代わり、雨水管付替工の変更に伴う工事と、3号補強土壁工の地盤改良の変更に伴う工事等がございます。工事期間は、平成26年度下半期から開始し、平成27年度中に完了しております。

(8)4号補強土壁工の工費は、情報公開された設計書から、1億円を超える額だと分かりました。これを除外して、別の工事をすることにしたということですが、契約の変更ですので、議会に変更契約の議案を上程する必要があったはずです。なぜ議会に議案を上程しなかったのでしょうか?お答えください。

⇒4号補強土壁工の一部については、受注者と合意し、内容変更により削除しており、変更契約の必要はありません。

<3回目>

(1)ボーリング等の調査を行ったということですが、どの契約書の設計書の、何ページのどの部分に基づいて、何年何月何日に行ったのでしょうか?お答えください。

⇒ボーリング調査については、契約時の特記仕様書第2章第4条、並びに設計内訳書第14号に基づき、平成26年9月から12月にかけて行っております。

(2)平成28年3月の設計変更については、誰が決裁したのでしょうか?また、市長は知っていたのでしょうか?部長は知っていたのでしょうか?それぞれお答えください。
(3)平成28年3月に設計変更して行った雨水管付替工等は、平成26年度下半期から開始し、平成27年度中に完了したということです。設計変更する以前に工事に取り掛かっているわけですが、これは誰が受注者に指示するよう決裁したのでしょうか?課長でしょうか?部長でしょうか?具体的にお答えください。それとも受注者が勝手に行ったのでしょうか?お答えください。

⇒2点目の工事の設計にかかる事項は、事務決裁規程上、契約検査課による合議のうえ課長決裁とされており、3点目の指示についても課長決裁により行っております。
なお、設計の内容変更については、工事請負金額の範囲内で実施しており、工事目的物の変更を伴わない工法変更等を対象にしたもので、受注者と合意のうえ適正に行っており、議会にお諮りする内容のものではございません。

 あとは意見です。
 工事の契約というのは、金額だけを決めるものではありませんよね。契約書に付いている設計書や図面のとおりの工事がされなければ、契約違反ということになります。両者で合意して、工事の内容を変えるのであれば、たとえ金額が同じでも、契約の変更ということになります。本件の工事の契約金額は、条例に規定の1億5千万円以上ですので、その変更契約については、議会の議決が必要です。特に、当初の設計では1億円以上とされていた4号補強土壁工がなくなって、別の工事がされたわけですから、金額が大きいですし、議会の議決に付さなかったのは、明らかに違法だと私は思います。
 市は当初からNEXCOと工事の協議をしていなかったということですが、普通はありえない話です。最初から、4号補強土壁工という、不要な工事の費用を計上していたのではないかと疑われます。
 今年の3月に設計変更で追加された工事が、実は、その1年半も前から始まっていたというのは、おかしいですよね。工事が先で、設計が後というのは、順番が逆です。デタラメじゃないですか。
 そもそも、1億円くらいの工事を削除して、別の工事を追加したのに、金額に1円の違いもないなんてことがあり得るのでしょうか?
 おかしなことばっかりです。議員の皆さんには、100条委員会を設置して、本件を調査・検証するべきだと提案いたします。

⇒北岡議員が意見としておっしゃったようなことは一切ありません。