高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

実態が不透明な高槻市の学校徴収金

高槻市教育委員会の「学校園徴収金事務マニュアル」

給食費や修学旅行の積立金など、学校が保護者から徴収しているお金を「学校徴収金」というのですが、これについても先日の12月議会の一般質問で取り上げました。

上の画像のとおり、高槻市教育委員会は「学校園徴収金事務マニュアル」を作成し、各学校を指導しているのですが、「学校徴収金」の収支や未納額を議会で尋ねても、まったく答えませんでした。未納分を、教師の皆さんが個人的に負担しているという話も聞くのですが・・・しっかりと実態を明らかにすべきだと思います。

以下は議会でのやりとりです。原稿とメモに基づいているので不正確な部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

■5 学校徴収金等について

<1回目>

 学校徴収金というのは、修学旅行費や教材費などを学校で独自に徴収しているものなんですが、これについて3点伺います。

1.高槻市で学校が独自に徴収しているものにはどういうものがあるのでしょうか?また、それらは、誰の責任で徴収や管理がされているのでしょうか?誰の名義の口座で管理されているのでしょうか?

2.平成26年度におけるそれらの収入と支出の総額はどれだけだったのでしょうか?また、徴収できなかった金額は、どれだけだったのでしょうか?

3.徴収できない場合は、どうしているのでしょうか?誰かが取り立てに行っているのでしょうか?最終的には法的手段ということになるのでしょうか?また、徴収できない金額については、誰が負担しているのでしょうか?誰が立て替えているのでしょうか?あるいは、お金を払っている児童・生徒の家庭が負担することになるのでしょうか?詳しく教えてください。

<答弁>

 学校において独自に徴収を行っているものは、学習教材費や校外活動・行事等に要する経費、生徒会費がございます。
 これらについては、校長の責任において徴収・管理しているものであり、口座名義や収入の総額、徴収方法等については把握いたしておりません。 

<2回目>

1.教育委員会では「学校園徴収金事務マニュアル」というものを作成されています。これには、管理や会計検査、書類の作成等について、事細かく記されています。学校徴収金が、校長の責任において徴収・管理されているのなら、なぜこのようなマニュアルを教育委員会は作成したのでしょうか?

⇒マニュアルの作成についてですが、学校徴収金については、各学校長が管理責任者とされていることから、教育委員会としてはマニュアルを整備することにより、その取扱方法について標準化を図るなどの支援を行っているものです。

2.この学校園徴収金事務マニュアルでは、給食費も「学校徴収金」に含まれるとされています。また、給食費の未納者に対しては、教育委員会高槻市学校給食会の連名で「納入のお願い」が送付されるそうです。ということは、給食費の収支を、教育委員会は把握していると考えられますが、平成26年度において、収入と支出の総額はどれだけだったのでしょうか?また、徴収できなかった金額は、どれだけだったのでしょうか?

給食費の徴収につきましては、各学校で保護者から直接徴収し、管理していることから、教育委員会では収支の内訳については把握しておりませんが、未納については、独自調査を行っており、前年分を翌年度12月中に調査しております。このため、現時点では平成26年度分の数値はございません。

3.学校徴収金は、校長の責任において徴収・管理しているということで、教育委員会は把握していないということです。未納額に関しては、答弁の中で減給すらされませんでした。しかし、包括外部監査の結果報告書によると、小学校4校、中学校2校、幼稚園1園で関係資料を確認したところ、未納額の合計は、平成26年10月下旬までで合計106万2380円ということでした。未納者数は計47名ということです。これが26年度だけの数字だとすると、高槻市の学校園の総数からすれば、単純計算ですが、年間2000万円くらいの未納金があると考えられます。
 この未納金についてはどうされているのでしょうか?誰が、この未納金分を、どういう形で補っているのでしょうか?学校徴収金は、校長の責任において徴収・管理しているということで、教育委員会としては把握していないということですが、教育委員会には、校長経験者の方が何人もおられるじゃないですか。まったく知らないということはありえないはずです。徴収できなかったお金は、最終的にはどうなったのか?誰が、未納金分を、どういう形で補ったのでしょうか?お答えください。

⇒繰り返しになりますが、学校徴収金については、校長の責任において徴収・管理しているものであり、教育委員会としては、徴収状況等については把握いたしておりませんが、できるだけ未納のないようマニュアルにそって学校現場全体で取り組んでいただいております。

<3回目>

 校長の責任といいながら、教育委員会がマニュアルを作成している。給食費の収支は把握していないが、未納額については独自に調査している・・・訳が分からない。なんか矛盾してますよね。まあ、そういうことをしているということは、教育委員会は、実質的に学校徴収金に関与しているとしかいえないんじゃないでしょうか?
 しかし、それにしても、学校徴収金というのは、不透明ですよね。
 学校が保護者から徴収しているお金のことなのに、議会で問われても、収支を明かさない。どれだけ未納があるのか知らんぷり。誰が負担しているのかも答えない。これでは、横領されたとしても、誰も責任をとらないんじゃないでしょうか?最悪、校長や教員が全額を持ち逃げしたら、どうなるのでしょうか?マニュアルには、性善説なのか、そんなことは何も書いていませんが、そういうことが起きても、教育委員会は「校長の責任」だと言って、何も関知しないのでしょうか?給食や修学旅行を楽しみにしている児童・生徒、保護者はどうしたらいいんでしょうか?泣き寝入りするしかないんでしょうか?
 未納分については、他市では、校長や教員が負担しているケースもあるということです。もし高槻市でもそういうことがあるのであれば、教員の方は、かわいそうですよね。もし、景気が悪くなって、お金を納められない家庭が増えたら、そのときに校長や担当教員になった方は、大変ですよね。貧乏くじをひいたと、この学校徴収金という制度や、校長に責任を押し付ける教育委員会を恨むんじゃないでしょうか?
 そういうことは、なくさないといけないですし、会計を透明化するためにも、せめて給食費については公会計化すべきです。近隣市の例だと、大津市奈良市が公会計化しているということです。高槻市でもできるはずです。
 公会計化すれば、未納分を、誰かが個人的に負担されている場合には、その金銭的な負担も解消できますし、教育委員会で事務を一本化すれば、教員の方の事務的な負担も減るのではないでしょうか? 
是非、高槻市でも、公会計化するように、せめて、収支と未納額、未納分の負担者を明らかにするように、要望して、質問を終わります。