高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【高槻市バス】遅刻3回で半日有給休暇取得のヤミ制度

毎日放送VOICEで

本日、毎日放送「VOICE」で報道されたとおり高槻市バスで、遅刻を3回すると、有給休暇を半日分取得したことになるヤミの制度があることが分かりました。

遅刻がやたらと多いバスの運転手がいると聞き、情報公開請求をしたところ「休暇届表」という公文書が公開されました。これを見てみると、平成26年度の1年間に、少なくとも10回は遅刻した運転士がいました。

休暇届表

これがその人の休暇届表なんですが、「遅刻・早退」の欄が5つしかないので、書き切れず、「祝休日」の欄の下から遅刻した日付の続きが記載される有様。時間に敏感でなければならないバスの運転士が、何故こんなにも遅刻をするのか・・・

休暇届表の「半休」の欄

それだけではなく、別のところには「半休」の欄があり、「遅刻3回分」とか「当日」と書いているものがありました。今日の議会で、これは何なのかと交通部に尋ねると・・・

 平成26年度は、遅刻3回で半日の有給休暇取得とする制度があったことから、遅刻は有給休暇として処理しておりました。
 半休欄の「遅刻3回分」と書かれているのは、そうした意味です。
 「当日」と書かれているのは、「当日に休暇申請した」という意味でございます。なお、半休は、有給でございます。



・・・といった答弁でした。

しかし、そんなルールは就業規則のどこにも書かれていません。ヤミのルールというわけです。一般企業でも、有給休暇は原則として事前に申請しなければなりませんし、こういうやり方は、明らかに規則違反です。

VOICEで報道されたとおり・・・

「過去からの制度をずっとやっていた、それだけだと思います。漫然とその制度を引き継いでいた」(高槻市交通部 関本剛司次長)
(中略)
(Qこの制度はおかしかったと?)「おかしいというかずっとやってきて見直しをしなかったのはどうかと…」
(Q誰も気付かなかった?)「わかりませんでした。知りませんでした」
(中略)
高槻市交通部は先月24日急遽この制度を廃止したとしていて、今後は1回目の遅刻から欠勤扱いにするとしていますが、いつからどのような理由で、この不思議な制度が始まったのか理由はわからないままです。



・・・ということで、いつからこのヤミ制度が始まったのか、気付かなかったのかと訊かれても、高槻市役所は「分からない」と言い逃れるばかり。この制度が廃止されたのは、私が情報公開請求してすぐ。バレるのを恐れたからなのでしょうけど、その対応の素早さからすると、この制度がマズいものだと以前から認識していたのではないかと思われます。

VOICEの調べでは・・・

市営バスを運行している大阪市では遅刻3回で1日の事故欠勤扱い。

京都市では遅刻1回目から欠勤1日扱いにするなど市営バスを運営している、ほかの自治体では遅刻した職員を欠勤や処分の対象にしています。



・・・高槻市では、今日の答弁からすると、実質的に、遅刻に関しては処分をしていなかったようです。1回・2回の遅刻はお咎めなし。3回遅刻しても、3回目に遅刻した日に半日分の有給休暇を取得したことにして、遅刻をチャラにする。このヤミ制度は、遅刻した職員を救済するための制度だったわけです。他の自治体では厳しい対処をしているのに。

最初は、遅刻が多い職員が名物運転士なんていいのかという声を聞いたので、遅刻の状況を調べただけだったんですが、まさかこうしたヤミの制度があるとは。こんな甘い制度があったから、平気で何度も遅刻できたんでしょうね。

ヤミ制度が明らかになった以上、しっかりと過去に遡って、遅刻の時間を正しくカウントし、有給休暇扱いを取り消して、減給と処分を行い、お金を返してもらうべきです。それだけではなく、このヤミの制度を維持してきた方、見逃してきた方も、責任をとるべきでしょう。

普通なら行政としてこういう当たり前のことをしなければならないはずですが、今日の交通部長の答弁からは反省の色が見えなかったような・・・高槻市役所が速やかにしっかりとした調査をしないのであれば、住民監査請求や住民訴訟を検討します。