高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【京大農場】必要性が説明されない「子どもが主役となる拠点」の本当の主役は誰なのか?

昨日高槻市役所から、京大農場について、UR都市機構へ土地の一部の引き渡しが行われており、その土地の維持管理作業(樹木の伐採や除草など)がされるとの報せが。いよいよ無駄な防災公園が造られ始めることになります。

京大農場跡地URによる維持管理

土地の引き渡しがどこまで進んでいるのか分かりませんが、防災公園とされる部分については、まず京大からURに引き渡され、URが防災公園の工事をしてから、URから高槻市に引き渡されます。

URは防災公園の基本設計について、現在入札を実施するとして掲示をしています。

★一般競争入札の実施に係る掲示
(中略)
平成26年4月4日
独立行政法人都市再生機構西日本支社
(中略)
1 業務概要及び評価テーマ
(1) 業務名 高槻市八丁畷地区防災公園基本設計他業務
(2) 業務内容
 主な業務内容は以下のとおりである。
 本業務は、高槻市八丁畷町の(仮称)安満遺跡公園(総合公園)のうち、防災公園街区整備事業で整備を予定する約8.1haの部分について、高槻市策定の(仮称)安満遺跡公園整備構想、及び敷地の特性に応じ、基本設計及び防災公園街区整備計画等を策定することを目的とする。
 基本設計及び防災公園街区整備計画では、高槻市が策定の整備構想等に基づき、動線・ゾーニング、導入施設の規模・配置、供給処理計画、整備スケジュール、概算工事費、管理運営計画等を策定するが、次の内容を含むこととする。
 ①公園は、「市民とともに育てつづける」コンセプトを基本として整備するもので、設計段階においても「市民参画」を重要な要素の一つとなる。高槻市が実施予定の市民参画の取組みを踏まえ、基本設計を行うこととする。なお、市民参画の取組みの実施においては運営補助を行うこととする。
 ②当防災公園整備と関連して、高槻市による「史跡整備事業」、「道路事業」、「子どもが主役となる拠点整備」、「雨水貯留施設整備」等が予定されていることから、基本設計の実施においては各事業間での連携調整を行うとともに、一体的な空間としての整備のため、留意すべきデザインコードの作成を併せて行うこととする。
 ③防災公園街区整備は国庫補助事業を予定するため、事業費概算書等を作成することとする。
(中略)
(4) 履行期間
 平成26年5月中旬(契約締結日の翌日)から平成27年3月13日(金)まで(予定)



上記URの掲示のとおり、京大農場では、防災公園の他、「史跡整備事業」、「道路事業」、「子どもが主役となる拠点整備」、「雨水貯留施設整備」がされる予定です。

「雨水貯留施設」の費用対効果の怪しさについては先日書きましたが、「子どもが主役となる拠点」も議会で何度訊いても必要性がよく分からないのです。

昨年11月6日の史跡整備等特別委員会で、私は以下のとおり、いくつか質問した後、意見を述べました。

平成25年 史跡整備等特別委員会(11月 6日)
(中略)
○(北岡委員) まず、費用について5点、質問します。 
 1点目、公園の整備費はどれだけなんでしょうか。その内訳もお教えください。 
 2点目、子どもが主役となる拠点の費用はどれだけになるんでしょうか。その内訳もお教えください。 
 3点目、これらについては、年間の維持費をどれだけだと見込んでいるんでしょうか。 
 4点目、これらを設置する場合、職員はどれだけ増員しなければならないんでしょうか。また、その人件費はどれだけが見込まれるんでしょうか。 
(中略)
○(大矢安満遺跡公園整備室副主幹) 費用に関するお尋ねでございます。 
 1点目から4点目、公園及び子どもが主役となる拠点の整備費、維持費、運営等に関するお尋ねですが、現在は構想の案をお示ししている段階であり、これらに係る費用等につきましては、今後、検討してまいります。 
(中略)
○(北岡委員) 費用についてですけども、京大農場の土地代については、債務負担行為の額が118億5000万円、これを含めて、防災公園整備費が138億円ということで、昨年の議会でありましたけれども、さらには、京大への補償費、そして、建設費も別途かかると、総額で幾らくらいになるんでしょうね。整備が完了すれば、公園や施設の維持費もかかってくるわけですが、それらについてはまだ算定していないということで、無駄な事業について市民の負担がどれだけになるのか、まだわからないということに非常に不安を覚えています。高槻市の人口は約36万人ですから、仮に180億円だとすると、単純計算ですけど、1人5万円ということになります。 
(中略)
 次に、子どもが主役となる拠点について、まず、3点、伺います。 
 資料の6ページには、待機児童解消・多機能保育機能などとありますが、この施設をつくることによって、どのような課題がどれだけ解消されるのでしょうか。 
 2点目、資料10ページには、高槻市保育所移転等との記載があります。先ほど、段野委員は、城東の保健センターがここに移ってくるということについて質問されてましたけれども、ここに高槻保育所が移転すると、そういうふうに考えてよいのでしょうか、これについてお答えください。 
 3点目、この施設の利用者専用の駐車場、駐輪場等はどれだけになるんでしょうか。それぞれお答えください。 

○(万井保育幼稚園事業課長) 子どもが主役となる施設の質問にお答えします。 
 1点目の、待機児童解消・多機能保育に係る課題等についてですが、子ども・子育て支援新制度を見据えた中で、待機児童の解消、とりわけ市中心部における保育需要や休日保育等の課題解消に向けて、検討に取り組もうとするものです。 
 2点目のご質問ですが、高槻保育所の移転も視野に入れて、さまざまな要素を勘案して、検討を行ってまいります。 
 3点目の、駐車場、駐輪場のご質問ですが、子どもが主役となる拠点施設の機能が十分発揮され、施設を利用していただけるよう整備の検討を進めまして、駐車場、駐輪場を設置してまいります。 
 以上でございます。 

○(北岡委員) 課題解消に向けて検討に取り組もうとするものですということですが、既存の施設や民間事業者を活用することで課題は解決できないんでしょうか。既存の施設や民間事業者の活用の拡充を図ることで解決できる課題もあるのではないでしょうか。そういった検討や、どちらのほうが市民のニーズに応えられるのか、どちらのほうが費用が安く済むのかといった比較はされていないのでしょうか、お答えください。また、そういった検討や比較をされているのであれば、具体的にどのようにされているのか、その結果は、どういったものなのかお答えください。 
 以上です。 

○(万井保育幼稚園事業課長) 待機児童解消・多機能保育機能に関しての再度のお尋ねですが、子ども・子育て支援新制度を見据え、総合的に課題解決に向けて検討を進めてまいります。 
 以上でございます。 

○(北岡委員) 2点、質問します。 
 総合的に課題解決に向けて検討を進めるということですが、それは、この子どもが主役となる拠点だけではなく、ほかの地域における既存の施設や民間事業者の活用も含めて検討するという理解でよろしいでしょうか、お答えください。また、その検討結果は、いつまでにお示しいただけるのでしょうか、お答えください。

○(万井保育幼稚園事業課長) 平成27年度から導入予定の子ども・子育て支援新制度に向け、現在、国において小規模保育事業を初め、さまざまな形態での事業が検討されております。その新制度を見据え、待機児童解消・多機能保育機能に関しての課題解決に向けて検討を進めてまいります。 
 以上でございます。 

○(北岡委員) この子どもが主役となる拠点についても、1問目のご答弁では、待機児童の解消や休日保育等の課題解消に向けて検討に取り組むということで、先ほども検討を進めていくみたいな、そういうようなご答弁でしたけれども、これから検討に取り組む、つまり、現時点では検討にさえ取り組んでいないような状況なのかなとご答弁からは感じられました。ということは、待機児童の解消のために、絶対に、この子どもが主役となる拠点が必要なんだというような必要性を、この施設には私は感じません。これについても、待機児童問題などにかこつけて、子どもたちのことを口実に利用して、整備ありき、建設ありき、工事ありきで物事を進めているのではないかなという疑問を覚えます。 
 普通は、必要性を検証して、予算の限度を考えて、何をつくるか決めて、それから土地を買ったり、建物をつくったりという順番で進めるのではないかなと思います。職員の皆さんもマイホームや自動車を買うときに家族の人数とか、家族の事情とか、自分の給料でどれだけローンが組めるのかとか、そういうことをじっくり考慮してから買いますよね。それが、この京大農場に関しては、前市長のサッカースタジアムの詐欺公約のためだと思いますけれども、まず、いきなり土地を買うことが決定されて、サッカースタジアムの建設が完全に破綻したら、必要もないのに防災公園をつくる、さらに必要もないのに、子どものための施設をつくると、しかも、お金が幾らかかるかわからない、常識からはかけ離れた、市民をばかにしたような話がどんどん進められていくことに、私は本当に怒りを感じております。(後略)



このように具体的にどのような施設になるのか、そもそも何故必要なのか分からない「子どもが主役となる拠点」なのですが、高槻市整備基本計画・基本設計業務の「公募型プロポーザル」を実施するとのこと。

★【官庁】「子どもが主役となる拠点」整備の基本計画・設計で公募プロポ/21日まで参加表明を受付/高槻市

 大阪府高槻市は14日、「子どもが主役となる拠点」整備基本計画・基本設計業務の公募型プロポーザルを公告した。2013年度に策定した「子どもが主役となる拠点」整備基本構想に基づき、防災機能も持つ施設を整備する。21日まで参加表明書を受け付ける。5月12日に技術提案書を締め切り、5月28日に委託先を特定する。6月上旬に契約を結ぶ。業務の予算は税込みで3600万円。
(中略)
 基本計画業務は基礎条件の把握、開発条件の検討、施設整備基本計画を行う。基本設計業務は基本設計、積算業務、各種申請書類作成・協議事務一式、地質調査業務、施工工程の検討、設計図書の作成、概算工事費の検討を担当する。履行期間は15年3月13日まで。



「子どもが主役」というけれど、どのように子供が主役になれる「拠点」なのか・・・どんな施設がこの高槻市の子供達に必要なのかを市役所が具体的に考えているなら、基本計画は市役所で作成できたはず。結局、高槻市役所が作成すべき基本計画を、業者に丸投げするということではないのでしょうか?

やはり、子供達を口実に利用して、整備ありき、建設ありき、工事ありきで物事を進めているのではないのでしょうか?降って湧いたように、突然出てきた「子どもが主役となる拠点」建設の話。主役が子供ではないことは間違いないでしょう。