高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

予防接種で委託料を払い過ぎ?ワクチン同時接種で初診料等を重複計上

公費で助成されている予防接種の費用に払い過ぎが・・・この問題は、富田林市議の沖利男議員が、おそらく全国で最初に取り上げたもので、私はそれを参考にさせていただいただけなのですが、高槻市でも同じことがされていることが分かりました。

早速3月議会で取り上げたのですが、あいまいで的外れな答弁しかしないので、先日、以下のとおり、住民監査請求もしました。

詳しくは以下の住民監査請求の請求書や、議会での質問・答弁の内容をご覧ください(議会でのやりとりは実際とは若干異なっている可能性があります)

高槻市職員措置請求書

第1 高槻市長濱田剛史氏に関する措置請求の要旨

1 事実の概要
 高槻市は、別紙のとおり、一般社団法人高槻市医師会や、学校法人大阪医科大学附属病院、公益財団法人大阪府三島医療センター、その他医療機関と、予防接種に関する業務委託契約を結び、これらの団体・医療機関等に対し、予防接種に係る委託料を支出してきた。
 しかし、複数のワクチンを同時接種する場合においても、初診料や乳幼児加算、乳幼児育児栄養指導料(以下「初診料等」という。)が、ワクチンの数だけ支払われてきたことが、今月8日の高槻市議会本会議の質疑で明らかになった。ワクチンが2種類のとき初診料等は2回分、3種類のときは3回分、4種類のときは4回分といった具合である。
 同時接種の場合、初診料等の支払いは1回分でよいはずであるから、これまで、高槻市は、過剰な委託料を公費で支払ってきたといえる。
 高槻市は、少なくとも過去2年度において上記委託契約を締結し、平成25年度の主要予算内容の説明においても「予防接種法に基づき、乳幼児、児童・生徒にBCG、不活化ポリオ、MR(麻しん・風しん)、DPT、DPT-IVP(四種混合)、DT、日本脳炎の予防接種を実施する。また、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頸がん予防ワクチンについては定期接種として無料で実施する。」とされているし、一昨日成立した平成25年度の一般会計当初予算においても、別紙のとおり、上記委託料を計上しているから、今後も初診料等が過剰に支出されるおそれがある。

2 富田林市の事例
 別紙のとおり、富田林市でも、全額公費助成による乳幼児予防接種の同時接種委託料を支払う契約を医師会等と結んでいたが、沖利男市議会議員の議会質問によって初診料等の過払いが発覚した。
 高槻市は議会で件数を明らかにしなかったが、平成24年6月における富田林市の予防接種委託料請求分はインフルエンザを除き1858件で、このうち同時接種は2種類が193件、3種類が122件、4種類が14件であった。初診料は2700円、6歳未満加算750円、3歳未満栄養指導料845円で、それらの過払い額は約200万円と試算されている。
 これに対し、富田林市長は、「指摘はもっともである。市長会に問題提起する。」と明言したとされている。


3 市の損害
 同時接種した場合の委託料のうち、1回分の初診料等を除く初診料等の相当額が市の損害といえる。


第2 監査の請求
 第1記載のとおり、予防接種に係る委託料が過剰に支払われてきたし、今後も支払われるおそれが高い。
 よって請求人は、初診料等を過剰に支払うような予防接種に係る業務委託契約の締結、ならびに同契約等に基づく初診料等その他の過剰支出を差し止めることを勧告することを求める。

 地方自治法第242条第1項規定により別紙事実証明書を添え必要な措置を請求します。

平成25年3月29日
高槻市監査委員 殿





<質問1回目>

(1)予防接種に関する支出額については、どのような算出根拠に基づいているのでしょうか?その詳細をお答えください。

⇒(答弁)予防接種に関する支出額についてのご質問でございますが、予防接種に係る委員報酬や賃金、消耗品費、印刷製本費、各種保険料、医薬材料費、医療機関への接種に係る委託料、他市町村で接種された場合の助成等の扶助費が含まれております。以上でございます。

(2)公費で助成される予防接種の同時接種の件数について、平成24年度の実績と、25年度の見込みについて、それぞれ何件なのか、2種類が何件、3種類が何件、4種類が何件、という形でお答えください。また、初診料、6歳未満加算、3歳未満栄養指導料のそれぞれの金額と、同時接種において、それぞれが何件・総額いくらなのか、平成24年度の実績と、25年度の見込みをお答えください。

⇒(答弁)同時接種の件数につきましては把握しておりません。国の定める診療報酬では、初診料は2,700円、乳幼児加算750円、乳幼児育児栄養指導料1,300円です。

(3)接種不適者の件数についても、平成24年度の実績と、25年度の見込みをお答えください。また、接種不適者については、どれだけの金額が支払われたのか、あるいは支払う見込みなのか、お答えください。

⇒(答弁)予防接種不適当者の件数及び支払い額でございますが、平成24年度の実績見込みは約900件、約250万円で、平成25年度は約1200件、約330万円を見込んでおります。
以上でございます。よろしくお願いします。


<質問2回目>

(1)接種率の向上や、時間的負担の軽減、子供を疾患から早期に保護できることからすると、同時接種をするほうがよいのではないかと思いますが、市の見解をお聞かせください。

⇒(答弁)同時接種は厚生労働省の「定期(一類疾病)の予防接種実施要領」に基づき、医師に判断していただいているところでございます。

(2)予防接種については、ワクチンを2種類、3種類、4種類と、同時に接種することがあると思うのですが、そのときには、初診料や乳幼児加算、乳幼児育児栄養指導料はどのように算定されるのでしょうか?2種類のときは2倍、3種類のときは3倍、4種類のときは4倍というようになるのでしょうか?お答えください。

⇒(答弁)市では、厚生労働省の実施要領にそって、ワクチンの間違い防止のため1種類につき1枚の予診票を使用しています。

(3)同時接種の場合、たとえワクチンが2種類、3種類、4種類であっても、初診料や乳幼児加算、乳幼児育児栄養指導料は、1回分でよいと思うのですが、市の見解をお聞かせください

⇒(答弁)同時接種につきましては、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会審議会でも、これからの検討課題としているところで、本市といたしましても審議会の今後の動向を注視したいと考えております。

(4)医師会やその他の医療機関との契約では、同時接種の場合の初診料や乳幼児加算、乳幼児育児栄養指導料の扱いについては、どのようになっているのでしょうか?

⇒(答弁)予防接種1件ごとの単価設定で、契約をしております。


<質問3回目>

 予防接種1件毎の単価設定をしているというご答弁でした。ご答弁では質問にちゃんと答えてくれませんでしたが、その中には初診料や、場合によっては乳幼児加算、乳幼児育児栄養指導料が含まれているわけです。
 1種類のワクチンにつき1枚の予診票を使っているということは、同時接種のチェックや初診料の重複もチェックしていないということなんでしょう。
 同時接種の場合、初診料などの支払いは1回分でよいはずです。これまで、高槻市は、過剰に委託料を公費で支払ってきたし、平成25年度も、支払う可能性があるということです。
 この問題は、富田林市の市議会議員の沖利男議員が追及をされたんですが、富田林市は、何件、同時接種がされたのか、2種類が何件なのか、3種類が何件なのか、4種類が何件なのか、そして、過剰にいくら支払われたのか、ちゃんと答えています。高槻市役所はまったく数字を答えてくれませんけれども、富田林市役所が答えられるのに、高槻市役所が答えられないはずがない。
 この過剰払いの問題については、どれだけ過剰に支払われたのか、しっかりと件数と金額を明らかにして、契約のどこに問題があるのか、今の予診票の使用や予防接種1件毎の単価の中に初診料などが含まれていることも問題だと思いますが、こうしたことなどを精査し、医師会との契約を見直すなどして、早急に、対処していただくよう、濱田市長に要望します。