高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【京大農場】アンケートには「土地は不要!土地を買うな!」と書こう!

京都大学の農場に何を造るのか・・・高槻市は、8月に、無作為抽出した市民2000人に対してアンケート調査を実施し、公園のイメージや公園でどのようなことがしたいのかを尋ねるとのこと(無作為抽出に疑問を呈する議員もおられましたが)。

「なぜ京大農場を高槻市が購入することになったのか?」と訊かれて、答えられる市民の方はどれだけおられるでしょうか?多くの市民の方は、その経緯をほとんど知らないはずです。

京大農場を買うと高槻市が決めるに至った経緯は、極めて詐欺的です。その詳細はこれまでも書いてきましたが(農場取得の原因となったサッカースタジアムの公約は破綻・防災公園化は国の補助金が目当てであり、防災公園としては不要など)、京大農場に何を建てたいかより、京大農場そのものが必要かどうか、これまでの経緯をしっかりと市民の皆さんに説明をして、そして判断してもらうべきです。

先日の史跡整備等特別委員会では、そのことも質問したのですが、高槻市は、「アンケート調査の項目には土地の取得そのものが必要かどうかという項目は考えていない。」「高槻市としては、事業を進める中で、必要な内容を市民に説明する。」といった答弁でした。

結局、詐欺的な土地取得の経緯をごまかし、高槻市役所にとって都合のいい情報だけを市民に示して、市民の意見・ニーズも反映させたというアリバイを作るためだけに、アンケート調査をするということなのでしょう。

もし皆さんのところにアンケート調査の用紙が郵送されてきたら、「土地は不要!土地を買うな!」と書いて、良識を示していただければ幸いです。

前にも書きましたが、京大農場取得の原因となった奥本前市長(濱田市長はその後継者)のスタジアムの公約は、平成15年の市長選挙での奥本前市長当選の大きな要因となりながら、それが破綻したわけですから、濱田市長が、京大農場を買って、箱物か何か造りたいというのであれば、市長を辞職し、京大農場取得を争点に、選挙をするべきです。市民をごまかしたまま、100億以上も税金を使うなんて、許されるはずがありません。


以下は、今月18日の史跡整備等特別委員会の私の質問のうち、上記に関係する概要です。メモと記憶に基づいていますので、間違っている個所もあるかもしれませんが、ご了承ください。

【質問】資料の3ページの(4)京大農場の移転に向けた今後の予定に、年月日を平成24年7月末日として、「土地取得に関する売買契約(京都大学・UR)」とありますが、これはどのような内容の契約になるのでしょうか?金額はどれだけになるのでしょうか?解除条件停止条件などはあるのでしょうか?あるとすればどのようなものなのでしょうか?同じページの(3)には、京大農場の土地価格の考え方として、土壌汚染があれば、その分だけ土地の価格から減額するとされていますが、この算定方法が当該契約金額に適用されるのでしょうか?お答えください。

職員:京大とURとの土地の売買契約については契約前なので具体的な数字は示せない。価格については資料の考え方のとおり。

【質問】高槻市がURから土地を買い取る時の価格は、その取引時の時価なのか?それとも別の算定方法を用いるのでしょうか?

職員:防災公園街区整備事業の適用を受けるので、URが土地を取得した時の金額で、高槻市が買い取ることになる。

【質問】URが京大から取得した土地は、どんな事情があっても、必ず高槻市が買い取らなければいけないのでしょうか?

職員:高槻市がURにお願いをして防災公園街区整備事業を活用するので、市が最終的に引き渡しを受ける。URが直接一貫施工。関連議案が議会で議決されたから、市はURから土地を買わなければいけない。

【質問】資料の5ページですが、市民アンケート調査(市民ニーズ)市内2000人とあります。具体的にどんな項目のアンケート調査をされるのでしょうか?また何故2000人なのでしょうか?この2000人の根拠もお答えください。

職員:アンケートの内容は、公園に求めるイメージや望ましいと思う公園、公園でどのようなことがしたいのか、公園の整備の方針の参考となる項目とする。2000人については、市民意識調査でも2000人を対象としている。

【質問】市民アンケート調査(市民ニーズ)とありますが、(市民ニーズ)というのは需要ということですけれども、ということは、京大農場を買う必要があるのかないのか、土地の取得そのものの需要・必要性も市民に問うべきではないか。市の考えをお答えください。

職員:3月議会で関連3議案が可決された。公園をより良くするためアンケートをして市民の意見を聞く。土地の取得そのものが必要かどうかという項目は考えていない。

【質問】先ほど別の議員も、市民はこの件をあまりよく知らないと言っていましたが、市民はほとんど何も事情を知らないと思います。アンケート調査の際には、すべての事情を、これまでの経緯を市民に説明しなければならないと思います。京大農場取得決定の原因となった奥本前市長の公約が超いい加減なものだったこととか、防災公園としての必要性はなく、あくまでも国の補助金をもらうためのものだとか、スタジアム建設が吹田市に決まったので奥本前市長の公約は完全に破綻したとか、すべての事情を市民の皆さんに知ってもらったうえで、何事もオープンにオープンにして、本当に京大農場が必要なのか問うべきだと思います。議会で議決されたと言いますが、非常に市民の意識とは乖離していると思います。本当に必要なのか、サッカースタジアムはどうなったのかと思っているのではないか。スタジアムを造ってほしいと7万人もの署名が集まったということがあった。議会で決めたというが、市民が知らないまま、与野党相乗りの議会が決めてしまった。市民の皆さんが知れば憤りを感じるのではないでしょうか。ちゃんとこれまでの事情を、包み隠さず、オープンにすべきと思いますが、市の考えをお聞かせ下さい。

職員:高槻市としては、事業を進める中で、必要な内容を市民に説明する。

【質問】市民には必要な内容を説明するとのことですが、高槻市にとって都合のいい情報だけを伝え、都合の悪い情報は隠すのではないのでしょうか。市民の意見を聞いて何を造るか考えるということですが、アンケートやコンペで仮に良い案がなかった場合、あるいは市民の大半が京大農場の購入すら望まなかった場合、土地の購入をやめるということはありえるのでしょうか?市の考えをお聞かせ下さい。

職員:議会で関連議案が可決されたのだから、土地を購入しないというようなことは考えない。

【質問】何を建てるのか決めていない、何の目的もなしに、土地を購入するというのは、地方財政法8条の「地方公共団体の財産はその所有の目的に応じて最も効率的にこれを運用しなければならない」という規定に違反するのではないかと思います。一方、市民にとっても、「何を造るか分からない、費用もどれだけかかるか分からないけど、土地を購入しますので、何を造るか考えてみて下さい。」というのは、無駄な土地と箱物の押し売りみたいなものじゃないでしょうか。市民ニーズを調査するためアンケートを行うというんですが、そんなことは、京大やURと覚書を交わす前にやらなければならなかったはずです。まず土地そのものが要るか要らないか、アンケート調査するなら、質問すべきだということを指摘しておきます。アンケート調査の結果を高槻市は、恣意的に解釈してアリバイ的に利用するのではないかとも危惧しますが、アンケート調査の結果はどのように利用するのか、アンケート調査をする前に、どんな結果がどうするのか基準を決めておくべきだと思いますが、もし基準があるならそれを示して下さい。

職員:基準はない。市民のニーズを調査し、それを材料の一つとして、検討会やワークショップで議論してもらいたいと考えている。

【質問】アンケート調査の結果をどう利用するか、基準をある程度決めておくことは、アンケートをする前に決めておくべきだと思います。そうしないのはアンケート調査の結果を恣意的に利用しますと言っているようなものです。大変問題だと思います。
 整備構想ということで、最終的には何かを造るのだと思いますが、その予算はどれだけなのでしょうか?

職員:平成24年は業務委託に1900万円。25年度は未定。

【質問】大きな何か箱物を造ることになる可能性が高いと思いますが、にもかかわらず、予算の縛りがないというのはおかしいですよね。税金を無制限に使えるはずがありません。上限を示す必要があるはずです。それから、何でも造れるのかというとそれもないはずです。市民やコンサルに案を出せというなら、予算や建築の条件も示す必要があるはずです。この点についてはいかがでしょうか?

職員:どのような公園を整備するのか検討する中で概算の数字が出てくるのではないか。債務負担行為の金額の変更を議会にお願いすることになると思う。

【質問】奥本前市長は、サッカースタジアムを建設し、ガンバ大阪を誘致した場合、都市イメージの向上等で、計約195億円の経済効果があるとの試算をしましたが、今回も、市民の意見やアイデア等について、採算性や経済効果を考慮されるのでしょうか?採算性や経済効果についての検証も必要になると思いますが、高槻市が責任をもってそれを行うのでしょうか?お答えください。

職員:防災公園と史跡公園の整備するので、経済波及効果も議論されるかもしれないが、経済波及効果のみを目的とするものではない。

【質問】もしかすると、先日の議会でもある議員から質問がありましたが、なでしこジャパンの丸山選手のいるスペランツァC大阪高槻のためにサッカースタジアムを造ってほしいということになる可能性もあると思いますが、京大農場周辺は閑静な住宅街で、スタジアムに反対する周辺住民の方がかなりおられます。サッカースタジアムでなくても、騒音が出る可能性があります。周辺住民への配慮はどうされるんでしょうか?一定の条件を課したり、防止策を講じたりするのでしょうか?お答えください。

職員:公園整備構想を進めていく中で、周辺住民の皆さんの意見も聞いていく。

【質問】周辺住民の皆さんにはしっかりと配慮してください。5ページの下のほうには、説明会やオープンハウス(パネル展示)、パブリックコメント等とあって、左には、整備構想の策定とあります。その整備構想というのは、最終的には、誰が判断するんでしょうか?お答えください。

職員:検討案を議会にも報告しながら、最終的に策定ということになる。

【質問】誰が判断するのですか?

職員:行政の計画なので、行政の中で決定する。

【質問】行政ということは市長が決定するということですね。そうであるならば、やはり市長を辞職して、出直し選挙をするのが筋です。これまでの経緯からすれば、京大農場の取得は、破綻した奥本前市長の詐欺的な公約の尻拭いであることは明らかだと思います。市民にしっかりと説明せずに、ごまかしながら、うやむやのまま話を進めて、ついには与野党相乗りの市長が京大農場の購入を決定して、何か造るというところまで来てしまいました。奥本市長のやり方もおかしかったけれども、それを引き継いだ濱田市長のやり方もおかしい。私は京都大学に残ってもらうのが一番だと思いますが、濱田市長が、どうしても京大農場を買って、何か造りたいのであれば、先ほども申し上げました通り、辞職して、具体的に何を造るのか考えていただいて、それを公約にして、もう一度選挙で民意を問うべきだと思います。それが筋です。
本当に滅茶苦茶な話だと思います。