高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

生活保護費詐取事件の公判を傍聴

高槻市の元生活福祉課長・近藤正嗣容疑者が、生活保護費計約4億6400万円を市から詐取したと報道された事件の公判が、本日10時から16時半頃まで大阪地方裁判所であり、傍聴してきました。

市職員3人の証人尋問が行われたのですが、3人とも近藤容疑者が課長だった時期に生活福祉課でケースワーカーをしていました。つまり近藤容疑者の部下だった人達です。

全体的な印象としては、被告人の近藤容疑者の主張とは矛盾するものがほとんどで、検察側の思惑通りに運んだ感じです。

主に問われていたのは、生活保護のシステムのこと、被保護世帯への前借金やホームレス対策のこと、そして近藤容疑者の独裁ぶりについてだったと思います。

近藤容疑者は「病院3」という架空のコードを使って、不正に保護費を支出させていたのですが、これに他の職員が気付いていたのか、あるいは容易に気付くことができたのか・・・この点については若干証言が分かれていたように思います。ある職員はまったく気付かなかったと言い、別の職員は気付いていたが、課長が対応する処遇困難のケースと考え、あまり疑問には思わなかったとのこと。

被保護者が保護費を失くしたりして、明日の食事にも困るような場合には、行旅人(ホームレス)の交通費用の資金や「管理職会」の会費からお金を出し、借用書を書かせて貸していたとのこと。近藤容疑者は、この資金に架空名義で不正支出した保護費を充てたと主張しているようですが、これについては次の保護費の支給日に保護費から返済してもらっており、また額も数千円から1万円で、それほど多額の金銭を必要としないと証人は口を揃えていました。

近藤容疑者の独裁性については、話しにくい雰囲気で、敵に回すと恐ろしい人だったとする一方、仕事ぶりを評価する声もあり、近藤容疑者が生活福祉課を完全に牛耳っていたかどうかは微妙な感じがしました。

次回は7月26日10時からとのことです。