高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

マル秘裏出世ルート@高槻市役所

すべての地方自治体にあるのかどうか分かりませんが、多くの自治体には、市職員が係長級(係長や主査)に昇任するための試験があります。その試験には、私がネットで調べた限りですが、筆記試験が必ずあるようです。

高槻市役所にも、「係長級昇任資格試験」という試験があり、大半の幹部職員はこの試験を受けて係長級になりました。もちろんこの試験には筆記試験があります。

ところが、これとは別に、係長級に昇任できる試験が存在することが分かりました。「係長級昇任資格選考試験」というもので、上記の試験と同じような名前なんですが、「選考」という文字が「試験」の前に挿入されています。

実はこの試験、筆記試験はなく、レポートと面接等のみ。部長の推薦が条件で、一般の市職員には知らされておらず、部長にだけ知らされていたとのこと。

この試験の合格率は100%。この試験を経て、部長になった人もいます。筆記試験も通らなかったような人が、幹部職員になって能力的に大丈夫なのかと少し心配です。

この試験を受けるためには、部長の推薦の他、主任の職にある者か、47歳以上の者であることが条件とのこと。47歳以上ならば、平の職員(係員)でも、一足飛びに係長級になれる可能性があるということです。

なぜ47歳なのかと先日の議会で質問したのですが、まったく意味不明な答弁でした。年も年だし、出世させてやろうという温情だけではないのでしょうか?

部長のお気に入りが筆記試験も受けずに係長になれる、こんな不透明で不公平な昇格制度は直ちにやめるべきです。


以下は、先日の高槻市議会本会議の一般質問の質問と答弁の原稿です。本番とは異なる箇所があるかもしれませんがご了承ください。

<北岡の質問>
 次に、筆記試験を受けずに係長級に昇任することもできる問題についてです。
 ちょっと紛らわしいんですが、職員が係長級に昇任するための試験が2つありまして、1つは「係長級昇任資格試験」、もう1つは「係長級昇任資格選考試験」といいます。前者は、一次試験が択一式筆記試験、二次試験がレポート・個別面接・勤務成績によるとされています。一方、後者は、受験資格が部長推薦のある者に限られていまして、筆記試験はなく、レポートと面接等だけで選考されます。これで試験といえるのか分かりませんが、これについて4点質問します。
(1)後者の部長推薦の「係長級昇任資格選考試験」については、市職員全般に対して周知はされていたのでしょうか?
(2)その選考試験の要綱では、主任の職にある者か、47歳以上の者しか、部長の推薦を受けられないとされています。なぜ47歳なのでしょうか?47歳の根拠をお答えください。
(3)前者と後者の試験における、過去3年度の年度ごとの、受験者数、合格者数、合格率をお答えください。
(4)ちなみに、管理職のうち、後者の試験で昇任した方は、現在何人おられるのでしょうか?部長級、次長級、課長級、それぞれについて、人数と割合をお答えください。

<総務部長の答弁>
 次に、3点目の係長級昇任資格選考試験にかかるご質問にご答弁申し上げます。
 先ず、市職員に対する周知についてですが、部長の推薦が受験資格の要件であることから、各部長に対し、推薦基準等を示し、周知を行っております。
 次に、受験資格にかかる年齢についてですが、より適性な職員の発掘と人材の活用を行うため、47歳としているところです。
 3点目の係長級昇任資格試験並びに係長級昇任資格選考試験、それぞれの過去3年間の受験者数、合格者数、合格率でございますが、係長級昇任資格試験では、平成21年度では、順次、受験者数107名、合格者数35名、合格率は32.7%。平成22年度では、123名、40名、32.5%、平成23年度では、126名、31名、24.6%でございました。
 係長級昇任資格選考試験では、平成21年度では、順次、受験者数16名、合格者数16名、平成22年度では、13名、13名、平成23年度では、12名、12名でございました。
 最後に、係長級昇任資格選考試験で昇任した者は、過去10年間の合格者は合計で196名でございました。その中で、現在、部長級は1名、次長級は4名、課長級は10名、それぞれの役職に占める割合は、部長級は5.8%、次長級は9.3%、次長級は7.8%となっております。



2回目の質問として以下の原稿を用意していたのですが、教育委員会の教育管理部長が私に渡した答弁原稿とは違う内容の答弁を延々とし、濱田市長まで突然登壇して答弁したため、時間がなくなり、やむなく質問を取りやめました。

 次に、係長級昇任の部長推薦の件です。
 答弁によると、部長には周知していたと。つまり基本的には部長しか知らなかったということです。それは職員全般への周知とは言えませんよね。その部長推薦では100%昇級試験に合格する。そんな抜け道・裏道があったとは、多くの職員の方は知らなかったのではないのでしょうか?さらに2点質問します。
(1)高校卒業直後に入職した職員が、特に何の問題も起こさず在職し続けながらも、係長級に昇任しない場合、号給が上がらなくなる、すなわち最高の号給に達してそれ以上昇給しなくなるのは何歳からなのでしょうか?
(2)この部長推薦で係長級に昇任した労働組合の元役員の方は何人いるのでしょうか?
それぞれお答えください。