高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

利益供与を受け続けた「労働組合」は、法律上、労働組合とはいえない?

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橋下徹市長が大阪市長選に勝利した3日後、まだ平松前市長が市長在職中に、市交通局と大阪交通労働組合(大交)が、大交の合意なしに給与削減ができないとする労働協約が結ばれていた、という有権者の意を無視するようなことが行われていたのですが、もし、大交に、労働協約を結ぶ資格がなかったとしたら・・・

労働組合には、「労働三権」(団結権、団体交渉権、団体行動権)があり、これは憲法28条で保障されています。この権利は、連合のサイトによると、「NPOや市民団体などには認められておらず、労働組合のみに与えられている権利」とのこと。

ところで、労働組合とは、どんな団体なのか。その要件が、労働組合法2条に書かれています。その条文の中で、「経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの」(経費援助)は、労働組合ではないとされています。

労働組合は、使用者側から独立していないといけない。使用者側からお金をもらったり、過度な便宜を図ってもらったりして、使用者側と馴れ合ったら、真に労働者のために戦えない、ということで、労働組合法は7条で、それらも「不当労働行為」だ規定しています。

大交は、報道されているとおり、事務所以外に、「トレーニングルーム」を、正式な許可を得ず、庁舎内に設けていました。管理職側もこれに気付いていたでしょうし、まさに黙認状態であって「ヤミ便宜供与」と呼ぶにふさわしいものだと思います。

「最小限の広さの事務所」なら法も許容するところなのですが、いくつもの「トレーニングルーム」が設置されていたとなると、法の制限を超えると考えられます。

するとこれは「経費援助」に該当する。長年こうしたことがされていたのであれば、大交は、法律上、労働組合とはいえないのではないでしょうか?

そうすると、労働組合にのみ認められた労働基本権は、大交には認められず、したがって、労働協約を締結することもできなかったのだから、大阪市交通局当局と結んだ労働協約等も無効になるのではないか・・・もしかすると暴論かもしれませんが、労働組合というものの要件が、厳格に労働組合法2条に規定されている以上、要件を欠いた団体については、その権利が消滅・制限されて当然ではないでしょうか。

できることなら、そうした点を、ぜひ争ってほしいと思います。大阪市民のために。


さて、高槻市バスの営業所では、「トレーニングルーム」のみならず、畑やエロ本や自動販売機やマッサージチェアなどが置かれており、そのうちのいくつかは現在も置かれているということを、私のブログの読者の皆さんであれば、ご存知だと思います。

大阪市バスよりも高槻市バスの実態のほうがひどかったと思うのですが・・・高槻市の問題を何年も前から指摘しているのに、大阪市の問題のほうが大きく取り上げられるのは、やはり橋下市長の影響なんでしょうけれども。

昨日の議会で、市バス(自動車運送事業会計)の当初予算の審議がされたのですが、その際、私は、高槻市バスの職員の労働組合は、法律上、労働組合とは言えないのではないかという点についても、質問をしました。

残念ながら、副市長の答えは「労働組合だ」というものでした。不当労働行為・違法行為が長年続けられてきたのですから、法律上、労働組合とはいえないと思うのですが、濱田市長は、市バスの労働組合とべったりの方ですから、今後も擁護し続けるのでしょう。

高槻市民の多くも、橋下市長の改革を支持していると思うのですが、大阪市役所での改革の影響は、高槻市にはほとんど伝わってきません。


以下は昨日の議会での私と高槻市役所側とのやり取りです。メモに基づいているので、正確ではない部分もあると思いますが、ご了承ください。

<質問>

1.大阪市の橋下市長は、市バス運転手の給与を、民間事業者の水準に合わせるとして、4割削減する方針を打ち出しています。交通部の平成24年度の予算は赤字で組まれていますし、高槻市バスの乗務員・運転士職員の給与も、民間並みにすべきではないのでしょうか?濱田市長の考えをお聞かせ下さい。

2.大阪市バスの営業所に、トレーニングルームが設置されていたことが問題となりました。高槻市バスの営業所にもトレーニングルーム=ジムのような場所や畑などがあったことを、以前私は指摘しましたが、現在、労働組合に対して、使用を許可している行政財産には、どういったものが、どれだけの面積あるのでしょうか?また、使用料はとっていないのでしょうか?

3.「不採算路線補助金」を、「生活交通路線維持補助金」という名称に新手馬手、対象路線や補助率を変更するとのことですが、これによって、補助金の額にどれだけの影響があるのでしょうか?


<答弁>

 1点目の運転士の給与についてですが、
 交通部においては、平成18年度にバス乗務員の初任給を3号俸ダウンするなど独自な取り組みに加え、平成24年度には現業職員の新たな給料表の導入を行なう予定です。
 今後も経営改善計画に基づき、人件費を含めた経常経費の精査に取り組み、収支均衡の取れた経営を目指します。

 2点目の労働組合に対する、行政財産の使用許可についてですが、芝生営業所2箇所で約154平方メートル、緑が丘営業所で約62平方メートルとなっており、使用料につきましては、適正に対応しています。

 3点目の補助金についてですが、平成24年度の生活路線維持補助金は、1億6,839万2千円 で、平成23年度の不採算路線補助金、1億8,252万7千円と比べ、 
1,413万5千円減少しています。


<質問>

先ほど木本議員も補助金について疑問を呈していましたが、補助金の額については、根拠があるような、ないような、適当なもので、実は、市バスの会計に合わせてどうにでもなるようなものなんじゃないのでしょうか?

1.まず、給料表についてです。
平成24年度には現業職員(バス運転手)の新たな給料表の導入を行なう予定とのことですが、どんな給料表なのでしょうか?12月議会の一般質問で、私が、少なくとも国家公務員の現業職の給与水準に合わせるべきではないかと質問したところ、徳田管理者は、「国の給与制度、仕組みは本市と異なることから、国家公務員と単純に比較できるものではない」と答弁されました。ということは、よもや国家公務員の行政職俸給表Ⅱを参考にしたような給料表にはならないのでしょうね。確かに、国は、乗り合いバス事業はしていません。ということは、地方公営企業法38条3項の趣旨からすれば、大阪市のように、民間バス会社の運転手の水準に合わせた給料表にすべきかと思いますが、そんな給料表になるのでしょうか?あるいは、そうしたものとは異なった形のものになるのでしょうか?どんな給料表になるのか、明確にお答えください。

2.以前、私が、高槻市営バスの営業所を訪ねて、総務課長などに案内してもらったときには、芝生営業所では、労働組合が、営業所1階に事務所と会議室を構え、同じく1階の東側の階段のところの倉庫、立体駐車場の1階部分にある倉庫(ここには選挙カーのスピーカーがありましたが)、立体駐車場の奥に、トレーニングルーム・ジムのようになっている場所(ここは労働組合のマッチョクラブが使用していましたが)がありました。これらの許可に関しては、現在どうなっているのでしょうか?お答えください。

3.そのトレーニングルームのようになっている場所においてある、バーベル・ベンチプレスなどの機材の所有者は誰なのでしょうか?お答えください。

4.緑が丘営業所にもトレーニング機器が置いてある場所がありますが、それらの占有許可・使用許可はどのようになっているのでしょうか?お答えください。

5.使用料については「適正に対応」しているというあいまいな答弁ですが、具体的に使用料はいくらとっているのでしょうか?先ほど挙げたものそれぞれについてお答えください。お答えください。

6.前島線の車両を、大型からマイクロバスに変更すると聞きましたが、どういう理由からなのでしょうか?マイクロバスに変更して問題はないのでしょうか?また、マイクロバスから、将来的に、中型や大型に変更するということはありえるのでしょうか?お答えください。

7.4月からK勤務・T勤務の降車対応を廃止するとの話を聞きましたが、どういう理由からなのでしょうか?問題はないのでしょうか?そもそもK勤務・T勤務というのは、どういう勤務なのでしょうか?お答えください。


<答弁>

1点目の運転士の給与についてですが、新たな給料表は、高槻市職員組合等と統一交渉で妥結したことから、平成24年2月16日付けで、協定を締結した給料表であります。

2点目から5点目についてですが、
先程もお答えいたしました、両営業所で許可しております。
また、使用料につきましては、高槻市行政財産使用料条例に基づき適正に対応しています。

6点目のバス車両についてですが、
安全確保や路線状況等により、対応するところであり、また、将来については、路線状況等の変化があれば、それに応じて適正に対応いたします。

7点目のK勤務・T勤務についてですが、議員が仰せのとおりの、勤務形態で、業務内容の見直しを行なおうとするものです。


<質問>

(議長と濱田市長に「まともな答弁をさせて下さい」と呼びかけるが、議長は応じず「北岡議員は質問を続けて下さい」というのでやむを得ず質問をする。)

相変わらずの態度ですが、まともに答えられないということは、やはりマズイこと、ヤバいことをやっているからなんでしょうね。交通部が、労働組合に対して、不当労働行為・違法な経費援助をしているということは、明らかですよね。

経費の約7割が人件費なのに、どんな給料表なのかも答えもしないで、予算に賛成しろというのは、乱暴過ぎますよ。

昨日も言いましたが、労働組合に対しては、労働組合法上、「最小限の広さの事務所」しか供与できないことになっています。それを超える広さの不動産を供与すれば、不当労働行為に該当します。交通部では、一方の組合に対して、こうしたものだけじゃなくて、様々な形で、利益供与・便宜供与がされてきた。幽霊運転手、代走、労組幹部優遇ダイヤ、有給職免、自販機による利益供与、最近では、労組の役員に頻繁な勤務交代を認めて、こっそりと勤務時間を水増ししてきたということがありました。つまり長年にわたって、不当労働行為・違法行為がされてきたわけです。

市長は、議会で建設的な議論がしたいと言っていましたけれども、建設的な議論以前に、違法不当な行為を是正しないと話になりません。建設的なことも提案したいとは思いますが、違法行為を放置している人間とは、あまり建設的な議論をしたいとは思えないですよね。そんな気持ちがあっても、萎えますよ。

濱田市長は、高槻市交通労働組合の第65回定期大会に出席されましたよね。違法行為の一方の当事者である団体の大会に参加するなんて、選挙に協力してもらったからかもしれないですけど、市民感覚からすればおかしいと思います。

その大会で、労組の執行委員長は「残念ながら平松市長の再選は果たせなかった。橋下市長は大阪市営交通の民営化を政争の具として当選を果たした。」と、橋下市長を批判していました。一方の濱田市長は「選挙での公約通り市営バスを守っていくが、私に厳しい状況が来た時には力をお貸しいただきたい」と、今後も選挙協力を求めるようなことをおっしゃったとされています。けれども、そうした労使のなれ合いというか、首長と労組の持ちつ持たれつの関係というのが、数々の違法行為を野放しにし、黙認し、時には公文書を改ざんするなどして隠ぺいしてきた原因なんじゃないんでしょうか?

そのエコヒイキの陰で、泣いている職員もいます。そうした職員の声にこそ、市長は耳を傾けるべきではないのでしょうか?

まともに答えてもらえるかどうか分かりませんが、最後に数点質問します。

1.給料表はどんなものになるのか。傍聴者の方にも分かるようにちゃんと説明して下さい。

2.2回目の質問でお聞きした倉庫等については、ちゃんと許可をしているのかどうか、その中に何が置かれているのか、お答えください。

3.トレーニングルームのようになっている場所においてある、バーベル・ベンチプレスなどの機材の所有者は誰なのでしょうか?お答えください。

4.緑が丘営業所にもトレーニング機器が置いてある場所がありますが、それらの占有許可・使用許可はどのようになっているのでしょうか?お答えください。

5.使用料については「適正に対応」しているとのあいまいな答弁ですが、具体的に使用料はいくらとっているのでしょうか?先ほど挙げたものそれぞれについてお答えください。

6.新しい給料表によって、人件費はどれだけ削減されるのでしょうか?お答えください。

7.新しい給料表によって、わたりは解消されるでしょうか?お答えください。

8.労働組合法2条3項では、使用者から経費上の援助を受けるものは、労働組合ではないとされています。高槻市交通労働組合は、長年にわたって、交通部当局から、違法な利益供与・便宜供与を受けているわけですから、私は、この団体は、法律上、労働組合とはいえないと考えますが、高槻市交通労働組合なる団体が、法律上、労働組合といえるのか、いえないのか、弁護士の濱田市長の見解を伺います。


<答弁要旨>

(まず、管理者が答弁)
給料表については、国家公務員の行政職俸給表Ⅱを参考にした。
行政財産の使用については適正に対応している。

(議長が、副市長に答えさせるべきとして、10分間の休憩を指示。休憩後、副市長が答弁。)
給料表については、国家公務員の行Ⅱを参考にした。
トレーニングルームは職員の福利厚生のためだ。機材の所有者は把握していない。
行政財産の使用料は免除している。
不当労働行為はなく、高槻市交通労働組合労働組合である。