高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

年収4割削減!高槻市バスも根拠なき高給の削減を!

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橋下市長が大阪市営バス運転手の年収を「民間並みに合わせる」とし、4割削減する方針を固めたとのこと。

大阪市バスの運転手の平均年収は739万円。在阪大手バス会社5社の平均より195万円高いとのこと。ちなみに高槻市バスの平均年収は685万円です(平成21年度。民間の1.33倍です)。

大阪市バスの決算は、28年連続で赤字。累積赤字は約600億円にも上ります。

年収削減に対し、元大学教授は「4割削減は異常だ。民間と比較するなら、民営化してから削減するのが筋ではないか。」と批判していますが、法律では・・・

地方公営企業法38条3項
 企業職員の給与は、生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、当該地方公営企業経営の状況その他の事情を考慮して定めなければならない。



とされていますから、国家公務員の運転手職員や、民間バス企業の社員の給与、赤字続きの大阪市バスの経営状況を考慮すれば、4割削減も異常とはいえないと思います。

28年連続赤字なんて民間企業があれば、とっくに給与削減を行っているはずで、削減をしないほうこそ異常ですから、大阪市バス職員は、これまで高給をもらってきた分、随分と得をしてきているともいえます。

「職員にも生活がある」と言いますが、民間では、社員の生活を守るために、倒産しないよう、必死に経営努力をするわけです。その努力もしなかった公営企業側や労組が、職員の生活を盾にするような主張をして、給与削減をするなというのは、庶民的な感覚からかなりずれているように思います。

給与の原資は当然公金・税金です。職員が優秀なお陰で黒字経営ができていたというのならともかく、赤字決算を続けてきたわけですから、少なくとも民間給与との差額分、公金・税金を貪ってきたといえるのではないでしょうか。

上記のとおり、高槻市バスの正規職員の運転手の給与も高いのですが、これについて12月議会で質問をしました。以下はその抜粋です。

No.38 北岡隆浩議員

 1点目、ご答弁によると、自動車運送事業の企業職員も給与支給規程上は、市長部局及び水道事業と同じだけれども、国家公務員の基準は用いてないということです。では、どんな基準や考え方に基づいて国家公務員よりも高い――民間と比べても高いんですが――給与の額や等級別の標準職務を決めたんでしょうか、お答えください。
 2点目、国家公務員の場合は、一般行政職と現業職の――技能労務職員ですね――昇給の仕方を比べると、現業職のほうが低い額から始まって、かつ緩やかに上昇しています。ところが、高槻市においては、一般行政職と現業職の昇給の仕方が給与表を見る限り同じようになっているようです。もちろん、現業職のほうが5段階までしかありませんので、そこまでの比較になりますが、なぜ同じような昇給の仕方になっているんでしょうか、その根拠をお答えください。
 3点目、正規職員の乗務員の給与は、国家公務員や民間と比べると高くなっていますが、地方公営企業法38条3項は、「企業職員の給与は、生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、当該地方公営企業の経営の状況その他の事情を考慮して定めなければならない。」と規定しています。この条文に挙げられている、それぞれの事情は、具体的にどのように考慮されているんでしょうか、お答えください。


No.41 自動車運送事業管理者(徳田忠昭)

 乗務員の給料表についての3項目についてでございますけれども、国の給与制度、仕組みは本市と異なっております。したがって、国家公務員と単純に比較できるものではないと考えております。


No.42 北岡隆浩議員

 徳田管理者にお聞きしてもはっきりとしない、のらりくらりとした答弁しかいただけませんので、濱田市長にお聞きしたいと思います。
 まず、乗務員の給与についてです。市バスの運転手の高い給料については、どんな根拠に基づいて、その額などが決められているのか、議会で質問をしても答えない、法律で定められた事情についても考慮していないようだということになると、やはり何の理由もなく高い給料を設定して、長年払い続けているとしか言いようがないと思います。
 バスは部下を指揮して運転するわけではありませんし、運転手に経営的な能力が必要とも考えられません。民間には多数の同業者があって、その運転手たちは高槻市バスよりも安い給料で、かつ厳しい労働条件で同じ仕事をされています。市バスの中で比較をしても、非常勤職員の方は安い賃金で正規職員と同じ仕事をしていると。なぜ、高槻市バスの正規職員の運転手の給料は高いのか。少なくとも国家公務員の現業職の給与水準に合わせるべきだと思いますが、濱田市長の見解をお聞かせください。


No.43 自動車運送事業管理者(徳田忠昭)

 1点目の、乗務員の給料表についてでございますが、まず、議員は、交通部の運転手には経営的な能力は必要としないとのお考えのようですけれども、交通部といたしましては、ことし23年4月から実施しております経営改善計画の策定から運転手を含め、職員一丸となり、計画の策定に取り組み、進めてきておりますので、ご理解ください。
 乗務員の給料につきましては、先ほどもご答弁いたしましたとおり、国の給与制度、仕組みは本市と異なることから、国家公務員と単純に比較できるものではないと考えております。



なぜ高槻市バスの運転手の給与は高いのか?その根拠について、管理者は、「単純に比較できない」と言うだけで、まともな答弁をしませんでした。

唯一「ことし23年4月から実施しております経営改善計画の策定から運転手を含め、職員一丸となり、計画の策定に」取り組んできたので、運転手も経営に参画しているというようなことを言っていますが、多少、経営計画に意見を言ったとしても、それは経営とはいえないでしょう。もしそれが経営だというのなら、管理者をはじめとする管理職側は、経営の一部をやってもらっているわけですから、運転手が高給な分、自分達の給与を減らさなくてはいけません。仮にこの主張が真実だとしても、「ことし23年4月から」とのこと。23年3月までは経営にはまったく参画していなかったということです。

高槻市交通部は、運転士職員の給与が高い理由について、まったく具体的な根拠を示せなかったわけですから、大阪市バスと同様、民間企業並みの給与にすべきです。