高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【市バス】勤務変更による新たな勤務時間の水増し

高槻市交通労働組合の仕業変更願

例えば、8時間の勤務を、自分の都合で7時間の勤務に変更してもらった場合、7時間分の給料しかもらえないのが当たり前。

ところが、高槻市バスでは、そうした場合、その差の1時間について、待機勤務を命じ、8時間分の給料を支給するというようなことをやっていました。明らかに余分な待機勤務ですから、その分無駄な公金の支出がされてきたといえます。

そのことについて、私は昨年の9月議会で質問しました。

平成23年 第4回定例会(第4日 9月28日)
No.74 北岡隆浩議員

 次に、交通部の問題について、7点伺います。 
 1点目、市バス乗務員は、1年1,860時間の変形労働による実労働時間制で勤務し、乗務員それぞれに、あらかじめ輪番表なるものが配られ、その輪番に沿って勤務が割り振られていると聞いています。しかし、2つある労働組合のうちの一方の役員が、たびたびこの輪番から外れ、B勤(遅番)あるいはC勤から、A勤(早番)に勤務変更しているとのことです。そうしたことは、平成21年度から現在まで何件行われてきたのでしょうか。また、なぜそんなことを認めるんでしょうか、年度ごとの件数と、それを認める理由を、それぞれお答えください。 
 2点目、もう一方のほうの労働組合の役員については、そのような勤務の変更を認めていないようですが、その理由は何なんでしょうか、お答えください。 
 3点目、先ほどお聞きした勤務変更によって、時間外勤務の処理がされていると思いますが、それによって平成21年度から現在まで支払われた時間外勤務手当、休日勤務手当、夜間勤務手当の額はどれだけなのでしょうか。年度ごとの金額をお答えください。 
 4点目、この勤務変更によって、正規の勤務時間が年間1860時間に満たない職員がいるのではないのでしょうか。もし、そうした職員がいる場合、平成21年度から現在まで何人そんな職員がいて、それぞれの正規の勤務時間は、年換算1860時間と比べると、何時間何分足りないのかお答えください。(後略)



これに対し、高槻市交通部側は、

No.76 自動車運送事業管理者(徳田忠昭)

 北岡議員の7点にわたるご質問について、ご答弁申し上げます。 
 まず、1点目から4点目の質問につきましては、現在、交通部の一部職員が所属する労働組合から不当労働行為救済申し立てが大阪府労働委員会に提出されており、現在、審問中でございますので、質問の内容が審問にかかわることから、答弁は控えさせていただきます。 (後略)



と、答弁を拒否しました。

さらに12月議会でも取り上げ、以下のやり取りをしました。

平成23年12月16日

<北岡>
3.労働組合の役員の勤務変更について
 労組役員に勤務変更を認めた際、変更後の勤務時間との差異がある場合には、待機が命じられることがあると聞きましたが、本当なのでしょうか?また、こうした待機は、昨年度と今年度で、何時間されたのでしょうか?それぞれお答えください。

<自動車運送事業管理者>
 3点目の勤務変更についてでございますが、変更前と変更後に勤務時間の差異が生じたときには、その時間が本来よりも長い場合は時間外勤務とし、短い場合は待機命令を出しております。なお、これによる待機時間等については集計しておりません。

<北岡>
 勤務時間の差異が生じたときには、待機命令を出している場合もあるとのことですが、他に待機の職員がいるのに、そんな中途半端な待機は必要なのでしょうか。必要である理由をお答えください。また、この待機中に出動した件数は、これまで何件あったのでしょうか。そもそも、こうした待機時間を設けたのはいつからなのでしょうか。お答えください。

<自動車運送事業管理者>
 次に、3点目の、勤務変更についてでございますが、バス輸送の定時性確保のために待機勤務は必要であると考えております。

<北岡>
 次に、勤務変更の件です。「勤務変更で勤務時間が変わったから待機を命じます。その待機の分にも給与を払います。」というのは、明らかに無駄な公金の支出ではないのでしょうか。そもそも労働組合からの申し出に基づいて勤務を変更して、無駄な待機を命じて、余計な給与を払うわけですから、これは労働組合法7条3号で禁じられている労働組合に対する経費援助、利益供与ではないのでしょうか。濱田市長の見解をお聞かせ下さい。

<自動車運送事業管理者>
 3点目の、勤務変更についてでございますが、先ほどもご答弁をいたしておりますとおり、必要と考えています。



勤務変更の申請がある度に、中途半端な待機をさせ、その分についても給料を払うというのは、どう考えても無駄。「待機」などといって、実際には勤務時間を水増ししているだけです。これは、特定の労働組合に対する利益供与としか考えられません。

なお、待機については、平成21年の9月議会で、私の質問に対し、当時の山本管理者が以下のとおりの答弁をしています。

待機の種類というご質問でございます。これにつきましては、我々といたしましては種類というふうには受けとめてないんですが、基本的には待機ということで考えておりますけれども、基本的な部分での先ほど申し上げました午前4人、午後6人については、それぞれ、いわゆる固定予備というふうな形で呼んでおりますけれども、これはこういった形で1人の職員に当てはめますと、大体4週間に1回ぐらいがこの予備勤務に当たるわけでございますけれども、そういった形の予備勤務、これは基本的には1日7時間、通常の一般の仕業の時間に該当するような時間帯になると思いますけれども、そういった待機者。 
 それから、先ほど申し上げておりますように、いわゆる超過勤務命令を出した中で、仕業表の中では休憩時間というふうに書いておる部分もありますけれども、その部分については、我々としては待機命令という形で時間外勤務命令を出しておりますので、そういったものの待機者。 
 それから、仕業表に基づきまして通常の時間の中で1時間ぐらい、最後の時間ですけれども、待機時間というふうな形で待機をさせている場合もございます。そういった意味からいたしますと、大きくは3つの待機者という形に我々としては考えております。 
 それから、いわゆる組合四役の、以前そういう形で固定でやっておった部分がありますけれども、この勤務につきましては、現在もそのまま適用いたしておりまして、これは全乗務員のローテーションによりまして適用をさせていただいております。



3種類の待機があると答弁しているわけですが(2番目と3番目の種類の待機も実際は無駄で、これも問題があるのですが・・・)、その中に、今回指摘したような、「勤務変更によって生じた時間差部分について待機を命じた」といったものは、ありません。

つまり、これは、新手の勤務時間の水増し・新手の労組への利益供与なのです。本当にいろいろなやり方を考えてくれるものです。

高槻市はこれを自ら改める気はないようですから、やはり裁判をするしかないのかもしれません。