高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

オーランチオキトリウム・節電・太陽光発電など

9月28日の高槻市議会本会議の一般質問では、オーランチオキトリウムや節電、太陽光発電などについても取り上げました。

まずは、オーランチオキトリウムに関するやり取り。

■北岡の質問

 皆さんは「オーランチオキトリウム」をご存知でしょうか?これは、筑波大学の渡辺教授が沖縄の海で発見した藻で、有機物から石油系の炭水化物を作ることから「石油を作る藻」といわれています。
 この「オーランチオキトリウム」を利用した石油生産の実証プラントを、仙台市が、筑波大学東北大学と共同で設置し、下水処理施設の下水を使用して、年間10トンから100トンの生産を目指すとのことです。
 これが実現すれば、再生可能エネルギーの生産と、下水処理の費用削減を両立させた環境配慮型の「究極の循環システム」が構築できるということで、仙台市は、これを震災復興のシンボル事業の一つにするとのことです。
 こうしたことが高槻市でもできれば素晴らしいと思うのですが、本市で行うことは可能なのでしょうか? また、こうした新しいエネルギーの研究・開発について、市の見解があれば、お聞かせ下さい。


■環境部長の答弁

 オーランチオキトリウムは、それ自身では光合成ができないので、有機炭素化合物を取り込むことで増殖し、油脂を生成する藻類です。仙台市で行われる実証実験では、有機炭素化合物を取り込む方法として、下水処理施設を利用するものです。 
 本市の場合、市有の下水処理施設がなく、その他にも大量の有機炭素化合物を発生する施設が無いことから、オーランチオキトリウムの実証実験に取り組むことは困難であると考えます。
 オーランチオキトリウムなどのバイオ燃料の分野において、新しい技術開発が企業や大学等の研究機関で積極的に取り組まれていることは、認識しております。 
 本市におきましては、市域の約半分が森林であるという特長を踏まえ、森林バイオマスをエネルギー資源として有効活用するという視点から、森林組合が事業主体となり推進している、世界で初めてのバイオコークスの製造工場を支援しております。今後とも新たな知見も収集しながら、バイオ燃料をはじめとする新エネルギーの普及促進に積極的に努めてまいります。 


■北岡の意見

 まず、オーランチオキトリウムについてです。
 本市には市有の下水処理施設がないから困難だということですが、高槻市には、大阪府の下水処理施設である「高槻水みらいセンター」があります。市は、ここの余熱を温水プールに利用したり、テニスコートを管理したり、市バス乗務員の試験会場にしたりして、かなり仲が良いみたいですし、オーランチオキトリウムについても協力を要請してもいいのではないでしょうか?大阪府森林組合とは、バイオマスエネルギーの事業で協力しているわけですから、大阪府とも協力できないことはないと思います。
 日本は資源が乏しい国です。福島で原発の事故がありましたし、原子力に替わる新しいエネルギーの開発に本格的に取り組んでいかなければなりません。私は、国が、このオーランチオキトリウムや、トリウム溶融塩炉日本海側のメタンハイドレート、地熱、洋上風力発電などの研究・開発に、力を入れて取り組むべきだと考えていますが、地方自治体であっても、できることがあるならやるべきです。新しい分野の研究には失敗が付き物ですが、果敢に挑戦するべきだと思います。
 復興を目指す被災地の取り組みには、大いに学ぶべきところがあります。私も被災地に伺った時に、震災前よりも、もっといい街にしようと取り組んでおられる方々のお話を聞きましたけれども、本当にパワーを感じました。
 今後も、被災地への支援を継続しながら、そうした取組みも視察し、高槻市政の参考にすべきだと思います。



昨日、「文部科学省は来年度、東北地方の地域特性を生かしたエネルギー技術の開発計画に着手する。」という報道があったのですが、まさに我が意を得たりという感じでした。

★【読売新聞】太陽光・波力・地熱…東北から次世代エネルギー


続いて、節電や太陽光発電等に関する質疑(アドリブを入れていますし、メモや記憶に基づくところもありますので、正確ではない部分もあると思います)。

節電の取組みで、約160万円の削減。これはいいんですが、関電以外の電力購入はされていないし、太陽光発電等の取り組みもいま一つのような印象を受けました。

また、高槻市役所本館の屋上に太陽光パネルを設置しようとしたところ、耐震性の関係で、建設部から「待った」がかかったと聞いたので、質問したのですが・・・市は議会では否定しました。

■北岡の質問

 次に、節電等について4点伺います。
(1)節電の取り組みによって、昨年同時期と比較して消費電力を約10パーセント削減したとのことですが、金額にするとどれだけの削減になったのでしょうか?
(2)節電のため、エレベーターの一部を止めたり、照明を少なくしたりしましたが、業務への影響などはなかったのでしょうか?また、市民の方から苦情などはなかったのでしょうか? 
(3)電力購入について、高槻市は、関西電力以外の事業者からの購入をしておらず、いまだに情報収集の段階とのことですが、太陽光発電コジェネレーションについては一定の取組みをしています。この太陽光発電などによって、どれだけの電気が生み出されているのでしょうか。また、それは、高槻市役所全体で見ると、どれだけの割合になっているのでしょうか? 
(4)太陽光発電のパネルを市役所本館の屋上に設置できないと聞きましたが、その理由は何なのでしょうか?
 それぞれお答えください。 


■環境部長の答弁

(1)節電の金額につきましては、約160万円となります。
(2)今夏の節電の取組では、エレベーターの運用や会議室の使用の制限などにおいて、職員のほか、ご来庁の皆様にもご不便をお掛けしましたが、節電の取組についてご理解とご協力をいただき、苦情等はございませんでした。 
(3)高槻市全体での新エネルギー設備から、どれだけ電気を生み出しているかは、施設ごとで利用形態が異なるため、算出することはできません。 
 本市の新エネルギー設備は、地域新エネルギービジョンに基づき、市民への啓発を目的に率先的に導入したものでございます。 
(4)平成19年に、本庁舎へ10kWの太陽光発電システムを導入することを検討する際に、本館には既に屋上緑化が施工されていたことや建物の構造、および啓発効果などを総合的に判断いたしまして、総合センターに太陽光発電設備を設置したものです。 


■北岡の質問

 次に、節電等についてです。
 約160万円削減できたとのことで、素晴らしいですね。金額を示されたことも評価したいと思います。
 節電の取組みに関しては、業務に支障もなく、市民から苦情もなかったということなので、是非これからも続けて下さい。さらに3点質問します。
(1)市の新エネルギー設備がどれだけ電気を生み出しているかは、算出できないとのことですが、どれだけの電気を生み出しているのか、その効果が分からなければ、普及のための啓発にはならないのではないのでしょうか?市では、具体的に、どのような啓発を行っているのでしょうか?
(2)今後も、市の施設に、太陽光パネル等を設置する予定はあるのでしょうか?また、啓発にとどまらず、電力源として期待して設置するというような考えや計画はあるのでしょうか?
(3)平成19年に、本庁舎へ10kWの太陽光発電システムを導入することを検討する際に、建物の構造もあって、総合センターに設置したとのことですが、本庁舎の耐震等の構造計算を行った結果、設置できないことになったとも聞いています。10kWの太陽光発電システムというのは、標準的な一戸建ての約3軒分に当たりますが、そんな程度の太陽光パネルも設置できなかったということです。その時に、本庁舎の耐震性は、どの程度のものと計算されたのでしょうか?具体的な計算結果と耐震性能をお答えください。


■環境部長の答弁

(1)新エネルギーの取組は、「広報たかつき」や環境政策課の発行する「環境通信」、ホームページのほか、しょくいん出前講座や環境関連のイベントなどにおいて啓発を行っております。 
(2)今後、太陽光発電システムを導入することが確定している施設はございません。本市の公共施設につきましては、「環境に配慮した公共建築物整備指針」に基づき取り組んでおります。 
(3)本庁舎の耐震性につきましては、他部にもまたがりますので、調整の上、御答弁申し上げます。
 太陽光発電システムの設置場所ですが、本庁舎屋上には既に屋上緑化が施工されていたことと、総合センターに設置可能なスペースがあったことから、太陽光発電システムを設置することを判断したもので、構造計算は実施しておりません。 


■北岡の質問

 最後に、節電等についてさらに3点伺います。
(1)1回目の答弁では、「本市の新エネルギー設備は、地域新エネルギービジョンに基づき、市民への啓発を目的に率先的に導入したものでございます。」ということだったのですが、先ほどのご答弁では、設備が啓発に活かされていないように感じます。実際には、新エネルギー設備は、啓発には活かされてないのではないのでしょうか?そうでないなら、具体的に、どのように活かしてきたのでしょうか?
(2)「環境に配慮した公共建築物整備指針」に基づいた取組みをしているということなのですが、その指針の「まえがき」には、「太陽光発電などの新エネルギー設備については、市民等への啓発効果をも考慮して公共施設への積極的な導入に努めることとしています。」とされています。「啓発効果をも考慮して」ということですから、啓発がメインではない、と考えられます。この指針に基づく取組みの進捗状況と今後の計画についてお答えください。
(3)本庁舎の耐震性についてですが、市役所本館に太陽光パネルを取り付けようとしたところ、耐震上危険だということで、建設部から「待った」がかかったと聞きました。1回目の答弁には「建物の構造・・・などを総合的に判断」とあったのが、2回目の答弁からは消えていますね。建設部から「待った」がかかったというのは、本当なんでしょうか?お答えください。


■環境部長の答弁

(1)新エネルギー設備の啓発につきましては、市庁舎総合センターをはじめとする、太陽光発電システムの導入施設におきまして、発電状況が確認できるようモニターを設置し、発電量の確認と太陽光発電の仕組みについて市民の皆様に見ていただけるようにしております。
(2)「環境に配慮した公共建築物整備指針」に基づく取組みの進捗状況と今後の計画について、でございますが、平成22年度までに、本整備指針に基づき新エネルギー設備を設置した施設は、27か所になります。
 また、平成23年度は、消防本部庁舎に10kwの太陽光発電システムを設置いたします。
 それ以後の計画は現在のところありません。
(3)本庁舎の耐震性につきましては、建設部から「待った」がかかったことはございません。