高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【池田大作贈賞訴訟控訴審】判決言渡しは6月17日

本日10時15分から、大阪高等裁判所で、池田大作贈賞訴訟控訴審の第3回口頭弁論がありました。

控訴人・被控訴人の双方が準備書面を提出し陳述。今回で弁論終結となりました。

判決言渡しは6月17日(金)13時10分。大阪高裁73号法廷です。ぜひ傍聴にお越しください。


今回、私が提出した準備書面は以下のものです。

平成22年(行コ)第137号 損害賠償請求控訴事件
(原審事件番号:大阪地方裁判所平成21年(行ウ)第153号)
控訴人  北岡 隆浩
控訴人  高槻市

準備書面2
平成23年3月28日

大阪高等裁判所第13民事部D1係 御中


第1 奥本務の故意・過失

奥本は、平成21年6月29日の高槻市議会本会議で、本件賞状に関する控訴人の質問に対して、下記のとおり答弁した(甲26の5頁)。



○市長(奥本 務) 先ほどから担当部長が答えておりますように、市民の文化活動に大変寄与していただいたということで、そうしたいわゆる文化振興事業団からの推薦もあり、私として心から市民にとって大変有意義な内容であったと判断して贈らせていただいたものでございます。・・・(中略)・・・(北岡隆浩議員「当日は公演を見られた後に賞を贈られたんですか。」と呼ぶ)聞かせていただいたから、そういう気持ちがさらに強くなったということでございます。


つまり、市長である奥本自らが判断し、本件賞状を贈呈したということを認めたのである。さらに、「文化振興事業団からの推薦もあり・・・判断して贈らせていただいた」としていることからすれば、文化振興事業団が推薦した頃から、奥本は、本件に関与していたといえる。

また、「(公演を)聞かせていただいたから、そういう気持ちがさらに強くなった」とも答弁していることからしても、本件公演(本件公演後に本件賞状の贈呈式が行われた)が始まる前から、上記判断をしていたことは明らかであって、誰かに奥本が無理やりに会場に連れて来られて本件賞状の贈呈を強要されたというわけではない。

甲5では●●が公文書上の決裁をしているが、上記の奥本の議会答弁からすれば、実際上は、奥本が、文化振興事業団の推薦があった頃に、自らの判断で、本件賞状の贈呈を決定したものとみるべきである。

すなわち、奥本に、本件賞状の作成、並びに、本件賞状贈呈のために公用車の運転手職員・●●を時間外勤務させたことについて、故意または過失があったのは明らかである。

むしろ、本件賞状が過去の感謝状とは大きく異なることや、本件条例に規定のない名称の賞であったこと、池田が宗教法人創価学会の名誉会長として著名であり、政教分離を定めた憲法や本件条例に反しないか注意する義務が被控訴人にあったことからすれば、過失というより故意というほうが適切であると、控訴人は思量する。


第2 先行行為の違法と財務会計行為の違法について

1 最高裁平成4年12月15日判決

最高裁平成4年12月15日判決(いわゆる「1日校長事件」)は、東京都内の公立校の教頭の職にあった者を、東京都教育委員会が、退職日の1日だけ校長として任命し、その人事処分に従って、東京都知事が、当該職員に対し、教頭として退職するよりも多額の退職手当を支給した事件についてのものである。

上記「1日校長事件」において、住民は、退職手当を支給した東京都知事を相手方として住民訴訟を提起したが、最高裁は、教頭であった者を校長に昇格させる人事処分は教育委員会が行ったものであって、「地方公共団体の長は、右処分が著しく合理性を欠きそのためこれに予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵の存する場合でない限り、同処分を尊重しその内容に応じた財務会計上の措置をとるべき義務があり、これを拒むことは許されないものと解するのが相当である。」とし、東京都知事の責任を認めず、住民の上告を棄却した。

すなわち、住民が、先行行為たる上記人事処分をした東京都教育委員会を相手方として提訴しなかったために、訴えが棄却されたのである。

本件においては、上記「1日校長事件」とは異なり、先行行為も財務会計行為も、共に、高槻市長の所掌に係る事項であるし、責任を問うべき長・職員についても、控訴人は控訴の趣旨において正確に適示しているから、上記最高裁判決と同じ理由で棄却されるべきではない。

なお、先行行為が法令に違反すれば、財務会計行為も違法性を承継し違法となることは、これまでの判例から明らかである(例えば、最高裁昭和60年9月12日第一小法廷判決は、津地鎮祭訴訟の最高裁昭和52年7月13日判決を引用し、「その原因となる行為が法令に違反し許されない場合の財務会計上の行為もまた、違法となる」と判示している)。

また、本件賞状の作成にしても、運転手職員・●●に対する時間外勤務命令にしても、第1記載のとおり、奥本自身の判断に基づいて行われたものであるから、それぞれに係る公金の支出(財務会計行為)につき、奥本が責任を有することは明白である。

2 本件筆耕依頼契約の締結行為について

控訴人の主張は、以上の外、原判決9頁エ記載のとおりである。

3 本件時間外手当の支給について

控訴人の主張は、以上の外、原判決12頁3⑴記載のとおりである。

添付書類
甲第26号証 平成21年6月29日の高槻市議会の議事録のうち控訴人質疑部分

以上