高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【京大農場】スタジアムは「行政案の一つ」?嘘を言うな!

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今日は12月議会の最終日。私は一般質問で、京大農場等の件について質問しました。

高槻市は、最近、サッカースタジアム建設を「行政案の一つ」などと言い出しています。しかし、これはごまかしにもほどがあります。

サッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致の件は、平成15年の高槻市長選挙の際に、奥本市長が唐突に出してきた目玉公約であることは、市民の皆さんはご存知だと思いますが、

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それ以後のことをたどっていくと・・・

平成15年度の施政方針大綱では、「市民のオアシスとして、人が集い、語らう場となる、全面芝生の都市型公園の構想を公約に掲げてまいりました。この公園にサッカースタジアムを備え、『ガンバ大阪』の本拠地を高槻に誘致することにより、市内外の多くの人々が集まり、夢を共有しながら、一体となって「感動できる場」となります。」としています。

その年の10月15日の大阪府議会・教育文化常任委員会で、大阪府は、京大農場のスタジアム建設について「史跡の保存に影響を与えることになり、また史跡本来の活用とは考えがたいことから、建設は難しい」という見解を示したにもかかわらず、

平成16年度の施政方針大綱でも、「都市型公園の整備を契機として「サッカーのまち高槻」に「ガンバ大阪」の誘致に向け、スポーツが生活の一部となる'スポーツ文化'の醸成へと引き続き調査研究してまいります。」としていますし、

平成17年度施政方針大綱でも「本市は、全国的にも「サッカーのまち 高槻」として、その名を馳せているところです。ガンバ大阪』の誘致を含む都市型公園構想につきましては、にぎわいの創出やうるおいのあるスポーツ文化の醸成に向けて、京都大学をはじめ幅広く関係者に働きかけてまいります。ガンバ大阪につきましては、"高槻後援会"や"われら『ガンバ大阪』応援隊"など、ホームタウンとしての市民活動を応援してまいります。」と、ヒートアップしています。

この年の7月には、都市型公園構想中間報告書が出され、ガンバ大阪を誘致した場合、「都市イメージの向上」等、計約200億円の経済効果があると謳われました。

ところが、何故か、平成18年度の施政方針からは、「ガンバ大阪誘致」ということが言われなくなりました。

平成18年8月22日の朝日新聞では、「市は今月、京大側に計画について説明したが、京大側は「農場移転について学内では議論にもなっていない」として、譲渡などの合意は得られなかったという。」と報じられています。

京都大学のホームページによると、農場の転出に関しては、確かに遺跡の存在には触れていますが(今回遺跡の範囲が特定できたのだから、それ以外の場所に施設を造ればいいと思うのですが。スタジアムが建てられるなら、学舎も大丈夫では?)、「高槻市から遺跡の保存等を目的とした公園整備のため、高槻農場の取得要請」があったと書かれています。

つまり、この一連の話の発端は、明らかに、ガンバ大阪誘致のためのサッカースタジアム建設という市長の公約であるわけで、それは決して「行政案の一つ」といったものではなく、唯一無二の構想として、平成17年度までは施政方針で堂々と言い続けてられていたわけです。

そして、今日現在においても、サッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致を、市長も市も否定しない。ずっとそういう態度で、ごまかしながら、高槻市は、ついに、数百億円で、京大農場を買い取り、URに何か施設を造らせるというところまで話を進めてきたのです。

平成18年くらいまでに、市長が「やっぱりガンバ大阪誘致は無理です。ごめんなさい。」と素直に謝罪し反省していれば、この話は途中でなくなって、巨額の税金を使って京大農場を買い取るという方向にもなっていなかったはずですが、公約の実現性をうやむやにしながら突き進み、平成21年9月28日には、ついに、京大・高槻市・URの3者で、「京都大学大学院農学研究科附属農場の移転等に係る覚書」(いわゆる「大枠合意書」まで締結してしまいました。この責任は、とてつもなく重いはず。

今回判明した、京大農場内の遺跡の範囲や、大阪府の見解、市のこれまでの答弁などからすると、ガンバ大阪のホームスタジアムの建設は、非常に困難と言わざるを得ません。ガンバ大阪を誘致できない場合でも、京大農場を買わないといけないのでしょうか?上手い喩えが見つかりませんが、テレビが買えないのに、テレビ台だけ買うようなものでしょうか。運転免許も取れそうにない人が、先にベンツを買うようなものでしょうか。こんな馬鹿な買い物の仕方はありません。

ガンバ大阪も誘致できず、京都大学も去っていく、ということになれば、何のために、数百億もの税金を投じる必要があるのか分かりません。京大農場移転の話は、すべてなかったことにできないのかと、平成21年9月28日に締結したいわゆる大枠合意書というのは、今からでも破棄できないかと、今日は質問したのですが、高槻市の答えは、

一方的に破棄できないものと考えております」

というものでした・・・

平成20年3月10日の高槻市議会本会議で、奥本市長は、

 関西大学の支援についてのお尋ねですが・・・関西大学高槻新キャンパスを実現することで、大学の活力、知力、知的財産を活用した知と文化の拠点の形成、若者を中心とした活気に満ちあふれたまちづくりなどが実現できるものと期待しております。また、大学進出の経済効果等につきましては、建設時には約7億円、開校4年後には毎年約22億円と試算しております。
 関西大学による市及び市民への地域貢献につきましても、地域防災、地域交流、施設開放、高・大連携という4つの柱の地・学連携を実現することにより、知の拠点として市民への還元効果が期待されます。こうした好機を逃すことのないよう、積極的に支援することで、50年、100年先の将来を見据えた、夢と誇りとにぎわいのまちづくりを目指してまいります。



と述べています。

関西大学に関してこうなのですから、京都大学という西日本一の学府の存在というのは、まさに「知の拠点」であり、経済効果を生んでいるのであり、高槻のブランドの一つ・ステータスの一つのはずではないのでしょうか?

奥本市長が、サッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致という、実現性の乏しい公約を掲げず、あるいは途中で正直に実現不可能だと市民に謝罪していれば、京大農場はそのままで、巨額の税金を投じて、この土地を買い取ったり、芝生公園を整備したり、スポーツ施設か何か分からないですがURに建設させたりする必要はないわけです。

ガンバ大阪誘致という当初の目的が、いつの間にかうやむやにされて、数百億の税金を使って、農場やURの造る施設を買う話ばかりが進んでいる。これは、詐欺ともいえるのではないでしょうか。

もしこれを市が強行するならば、議会も止めないのであれば(止めそうもないですが)、私は、法的手段をとらざるを得ないと考えております。


以下は本日の私の質問と、高槻市の答弁要旨です。

<1回目の質問>

1番目は.京都大学農場におけるサッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致についてです。
(1)非公式・公式を含め、京都大学側に対して公約に関する話を持ちかけたのはいつなのでしょうか?

(答弁)
 京大農場については、過去より国民の財産である弥生時代の貴重な安満遺跡の存在が確認されています。また、文化庁としても、平成5年の史跡指定の答申に対して、未告示地として長年の懸案事項でした。その後、文化庁と協議を重ねる中で、文化庁から改めて範囲確認調査の指導もあり、京都大学に協力を依頼してきた経緯がございます。
 一方、京都大学としては、農学研究を進める中で、掘削の深さや建物更新の制限、農場として手狭な事等から、教育の発展的研究が望めないと判断し、木津川市への移転を検討されているものです。
 現在は、今回の調査結果を受け、安満遺跡の公有化を進めるため、また、市民の財産として公園用地を確保するために協議を進めております。

(2)平成15年度~17年度の施政方針では示された「ガンバ大阪誘致」の語句が、18年度以降の施政方針から消えた理由は何なのでしょうか?

(答弁)
 京大農場については、現在も京都大学が農学研究を続けていることや、地下に存在する安満遺跡の状況等がありまして、まずは、範囲確認調査等をおこない、現地の状況等を整理した結果、先般、史跡指定の答申がなされたものです。
 「スタジアム建設」については、平成18年3月に策定した基本的な方針の中で、まずは市民の財産として公園用地を確保し、その後、民間企業等の協力を得た段階で、段階的にスタジアム建設等に取り組むとしており、行政案の一つと考えております。

(3)ガンバ大阪誘致・関大誘致の経済効果はそれぞれ出されましたが、京大転出による経済損失はどれだけの金額になるのでしょうか?また、高槻のブランド価値に影響はないのでしょうか?

(答弁)
 京都大学については、安満遺跡の存在等から発展的研究が望めないと判断し、京都府木津川市への移転を検討されているものであります。そうしたことから、京大が転出する経済損失については、算出しておりませんのでよろしくお願いします。
 市としても、高槻市の市街地中心部に位置する貴重な空間を公有化し、「にぎわい文化交流拠点」として、市民のために利用・活用していくことが望ましいと判断したものです。

(4)京大農場の中で、史跡指定されるであろう範囲は、(フリップ)この赤色の部分で、
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ここにはスタジアム等の建設はできません。何かを造ろうとすると、この青色の範囲に造るしかないわけですが、ガンバ大阪に確認したところ、縦約210m、横約190mの長方形型のスタジアムを建設するとのことでした。そこで、それをこの地図に重ね合わせてみると、(フリップ反転)物理的に建設は不可能ではないかと思われるのですが、ガンバ大阪のホームスタジアムの建設は可能なのでしょうか?

(答弁)
 先般、史跡追加指定区域の答申が文化庁文化審議会から出たばかりであります。
 また、上面利用につきましては、今後の庁内推進委員会等での検討課題であり、現段階では判断しかねますのでよろしくお願いします。

(5)平成22年11月10日の史跡整備特別委員会で示された遺跡の範囲と、12月議会の文教市民委員会協議会で示された範囲が違う理由は何なのでしょうか?

(答弁)
 史跡整備等特別委員会の開催当時は、国の文化審議会において史跡追加指定の可否を非公開にて審議中でございました関係上、根拠資料につきましては、お示しできませんでした。
 その後、文化審議会の答申がなされたため、文教市民委員会協議会におきまして、追加指定の根拠となっております「保存すべき遺構の範囲」を報告申し上げたところでございます。

(6)仮にスポーツ施設等を建設するとして、建設中に遺跡が発見された場合にはどうなるのでしょうか?

(答弁)
 史跡追加指定の答申を受けなかった範囲は、周知の埋蔵文化財包蔵地でございますので、建設工事に先立ちまして、発掘調査等をおこない、記録保存等の必要な措置を講じてまいります。

(7)今年11月10日 史跡整備特別委員会終了直後、奥本市長は、私に対して、紅潮したしかめっ面を近づけ、握りこぶしを作りながら「何が言いたいんや、あの質問は、こら!何が言いたいんや!」と怒声を上げました。さらに奥本市長は、副市長に抱きかかえられて止められながら、「ふざけるなよ!」の捨て台詞も発しました。この暴言について謝罪を求めます。

(答弁)
 特別委員会の質問の趣旨に関することと考えております。


<2回目の質問>

 奥本市長は、議員の質問に関して議場外で圧力をかけるような行為をしたわけですが、それについて謝罪を求めても、無意味な答弁しかしない。素直に謝罪し反省しないのでしょうか。奥本市長の人格を疑わざるをえないですね。

(1)京大農場にサッカースタジアムを建設して、ガンバ大阪を誘致できるのか、できないのか、どちらなのか。しっかりと、明確にご答弁下さい。これが1点目です。

(答弁)
 スタジアム建設等に対するご質問ですが、先般、史跡追加指定区域の答申がでたばかりでありますので、今後の庁内推進委員会等での検討課題と認識しております。

(2)1回目の質問で、京都大学に話を持ちかけたのは、いつなのかと、お訊きしたのですが、なぜまともに答えられないのでしょうか?ちゃんと答えて下さい。これが2点目です。

(答弁)
 京都大学側に対する話かけについてのご質問ですが、公有化に向けて、平成15年度より、これまで継続的に協議を行っております。

(3)ご答弁では、「平成18年3月に策定した基本的な方針の中で、まずは市民の財産として公園用地を確保する」「スタジアム建設は行政案の一つ」だということですが、最初はこんなこと言ってませんでしたよね。
 各年度の施政方針大綱をたどっていくと・・・
 平成15年度では、「市民のオアシスとして、人が集い、語らう場となる、全面芝生の都市型公園の構想を公約に掲げてまいりました。この公園にサッカースタジアムを備え、「ガンバ大阪」の本拠地を高槻に誘致することにより、市内外の多くの人々が集まり、夢を共有しながら、一体となって「感動できる場」となります。」としています。
 その年の10月15日の大阪府議会・教育文化常任委員会で、大阪府は、京大農場のスタジアム建設について「史跡の保存に影響を与えることになり、また史跡本来の活用とは考えがたいことから、建設は難しい」という見解を示したにもかかわらず、
 平成16年度の施政方針大綱でも、「都市型公園の整備を契機として「サッカーのまち高槻」に「ガンバ大阪」の誘致に向け、スポーツが生活の一部となる'スポーツ文化'の醸成へと引き続き調査研究してまいります。」としていますし、
 平成17年度も「本市は、全国的にも「サッカーのまち 高槻」として、その名を馳せているところです。「ガンバ大阪」の誘致を含む都市型公園構想につきましては、にぎわいの創出やうるおいのあるスポーツ文化の醸成に向けて、京都大学をはじめ幅広く関係者に働きかけてまいります。ガンバ大阪につきましては、"高槻後援会"や"われら「ガンバ大阪」応援隊"など、ホームタウンとしての市民活動を応援してまいります。」と、ヒートアップしています。
 この年の7月には、都市型公園構想中間報告書が出され、ガンバ大阪を誘致した場合、「都市イメージの向上」等、計約200億円の経済効果が謳われました。
 ところが、何故か、平成18年度の施政方針からは、「ガンバ大阪誘致」ということが言われなくなった。
 平成18年8月22日の朝日新聞では、「市は今月、京大側に計画について説明したが、京大側は「農場移転について学内では議論にもなっていない」として、譲渡などの合意は得られなかったという。」と報じられました。
 京都大学のホームページによると、農場の転出に関しては、確かに遺跡の存在には触れていますが、「高槻市から遺跡の保存等を目的とした公園整備のため、高槻農場の取得要請」があったと書かれています。
 つまり、この一連の話の発端は、明らかに、ガンバ大阪誘致のためのサッカースタジアム建設という市長の公約であるわけで、それは決して「行政案の一つ」といったものではなく、唯一無二の構想として、平成17年度までは施政方針で堂々と言い続けてられていたわけです。そして、今日現在においても、サッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致を、市長も市も否定しない。
 ずっとそういう態度で、ごまかしながら、数百億円で、京大農場を買い取り、URに何か施設を造らせるというところまで話を進めてきた。平成18年くらいまでに、市長が「やっぱりガンバ大阪誘致は無理です。ごめんなさい。」と素直に謝罪し反省していれば、この話は途中でなくなって、巨額の税金を使って京大農場を買い取るという方向にもなっていなかったはずですが、公約の実現性をうやむやにしながら突き進み、平成21年9月28日には、ついには、京大・高槻市・URの3者で、いわゆる大枠合意書まで締結してしまった。この責任はとてつもなく重いはずです。
 今回判明した、京大農場内の遺跡の範囲や、大阪府の見解、市のこれまでの答弁などからすると、ガンバ大阪のホームスタジアムの建設は、非常に困難と言わざるを得ない。ガンバ大阪を誘致できない場合でも、京大農場を買わないといけないのでしょうか。
 ガンバ大阪も誘致できず、京都大学も去っていく、ということになれば、何のために、数百億もの税金を投じる必要があるのか分かりません。京大農場移転の話は、すべてなかったことにすべきだと私は思いますが、平成21年9月28日に締結した、いわゆる大枠合意書というのは、今からでも破棄できるのでしょうか。お答えください。これが3点目です。

(答弁)
 大枠合意書に関するご質問ですが、京都大学高槻市都市再生機構の3者の合意のもとに締結したもので、一方的に破棄できないものと考えております。

(4)4点目は、奥本市長の公約の根拠です。約8年経った現時点においても、できるかできないか分からないようなサッカースタジアム建設・ガンバ大阪誘致の公約を、どんな根拠に基づいて、なぜ掲げたのでしょうか?また、その公約の実現性を未だにうやむやにしていることについては、責任を感じていないのでしょうか。お答えください。

(答弁)
 当該地は市街地に残された貴重で、かつポテンシャルの高い空間であるため、都市魅力の向上などの観点から、京都大学をはじめ関係者と協議調整を行う中で、順序を踏んで取り組んできております。

(5)5点目は、都市再生機構・URはこれでどれだけ利益を上げるのかということです。史跡指定された範囲以外の土地については、いったんURが取得して、事業完了後に、市に引き渡す。こういう形で、国土交通省の防災公園街区整備事業の補助金を活用するということなんですが、市の会計からも公金が支出されるのに、非常に不透明な感じがします。URの問題はこれまでも指摘されたところですが、URはこれでどれくらい儲けるのでしょうか?高槻市は公金の使い道をちゃんとチェックできるのでしょうか?お答えください。

(答弁)
 都市再生機構に関する質問ですが、現時点では京大農場の土地取得費や工事費等について、算出しておりません。今後につきましては、そうした内容について、適切に確認を行いながら進めてまいりたいと考えております。