高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【スーパー堤防】出来レースの可能性もあるが、しっかりと事業仕分けを。

スーパー堤防事業仕分けの対象に・・・

蓮舫氏がスーパー堤防視察 特会仕分け前に早くも大ナタ示唆
2010.10.22 20:34

 蓮舫行政刷新担当相は22日、事業仕分け第3弾で行う特別会計の見直しを前に、東京都大田区多摩川に設置されている「スーパー堤防」を視察した。
 スーパー堤防は、首都圏や近畿圏の6河川で計872キロを整備する計画。社会資本整備特別会計の事業として実施され、4月現在、約7千億円の事業費を投じているが、完成・整備中は約50キロにとどまっている。
 多摩川でも完成区間と未整備区間が混在する現状を見た蓮舫氏は、記者団に「一体いつまでに整備できるのかという出口が見えないのは、お金の使い方として疑問だ。仕分けの対象としては分かりやすい議論ができると思う」と述べ、“大ナタ”判定を示唆した。



スーパー堤防」とは、堤防の外側の土地を盛り上げて、洪水の被害を最小限に抑えることを目的としたもの。こちらのサイトに分かりやすい説明があります。

高槻市内でも、淀川だけではなく、芥川や女瀬川でも合流地点近くで建設が計画されています。

ただし、それには大変な時間と莫大な費用がかかります。これまでのペースで行くと、完成までに400年、合計2兆4000億円もの費用が必要とのこと。

このスーパー堤防、どれだけの洪水が防げるかというと、32000年に1度の規模の大雨に耐えられるのだとか。32000年前といえば、マンモスの生きていた旧石器時代だと、テレビでも揶揄されていました。

そりゃあそんなすごい堤防があれば安心なんでしょうけれども、発生の確率・周期を考えれば、学校や庁舎などの耐震化工事のほうが急務ではないのかと私には思えます。

スーパー堤防事業は、国の直轄事業ですが、大阪府も負担金を強いられており、橋下知事も国に事業中止を求めていました

このスーパー堤防も、今回、事業仕分けの対象に・・・ぜひ蓮舫大臣にはしっかりとメスを入れていただきたいと思います。


しかし、約1年前に、国土交通省は、スーパー堤防を断念していた向きがあります。

昨年10月14日、毎日放送の「VOICE」で報道されたところによると・・・

スーパー堤防建設予定地の住民の方々は、「巨額の税金の無駄遣いで景観を悪化させるだけ」と反対運動をされていたのですが、国交省・淀川河川事務所は、「全員の同意を得ることが出来ませんでした。皆様所有の土地につきましては、スーパー堤防整備を実施しないことに決定いたしました」との文書を周辺住民の方々に配布していたのです。淀川河川事務所は取材に対して、「民有地でのスーパー堤防整備は当面しない」と話した・・・とのことでした。

これからすると、今回の事業仕分けは「出来レース」の可能性もあります。

まあ、仮にそうであったとしても、しっかりと、不要不急の事業については、廃止との結論を出していただきたいと思います。


高槻市のほうも、「都市計画マスタープラン」の「都市計画の基本方針」の中で、

[災害に強いまちづくり]
(中略)
医療機関や行政施設などと近接する河川敷を救援・復旧活動の拠点として整備したり、スーパー堤防による堤防の強化や河川改修を進めます。



としています。住民の方に対しても、推進の立場で物を言ってきたとのこと。今後、高槻市がどう対応を変化させるのかについても、注目したいと思います。