高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

【生活保護費不正支給】住民監査の意見陳述…議員の関与についてもしっかりと監査を

本日10時15分から意見陳述があり、以下のように述べました。

今回の住民監査請求は、前生活福祉課長が電算システムを不正操作して、生活保護費を違法に支出した事件についてのものです。私は6月24日にこの住民監査請求をさせていただきましたけれども、高槻市のほうも、その翌日の6月25日に、詐欺と、有印公文書偽造、同行使の罪で、前課長を大阪府警高槻署に告訴して、懲戒免職処分にしたということです。

告訴状に記載されたものは、今年の1月に約2万7千円を詐取した件だけですけれども、報道によると、不正な支出は少なくとも平成18~22年度で計約1100万円にのぼっているとのことです。

監査請求書に書きましたが、今分かっている約1100万円という金額はもとより、不正に操作された電子計算機の復旧等にかかる費用や、本件により必要となった職員の時間外手当や弁護士等への報酬なども、高槻市の損害ですので、当人や関係者に対して、損害賠償や不当利得返還を請求していただきたいと思います。

さらに、今回のような架空のデータを入力するようなやり方のものだけではなく、もしかすると、実在の人物に対して、違法不当な生活保護費の支給もされてきた可能性が考えられます。

最近では、中国福建省出身の日本人姉妹の親族とされる中国人48人が入国直後に、生活保護を申請した問題がありましたし、いわゆる貧困ビジネスの問題や、政治家の口利きの問題というのも、世間ではしばしば話題にのぼります。

前課長は、書類の決裁とシステム管理の最終権限者であったとのことなので、今回の事件で指摘されている以外の不正・違法行為にかかわっている可能性があります。ぜひ、それについても、監査を行ってくださいますよう、お願いいたします。

それから、6月18日の総務消防委員会協議会で、奥本市長が、今回の事件について「議員が関係している。議員が関係している。」と発言されました。

市長が自ら、しかも議員を目の前にして、このように明言したということは、議員の関与があったと考えざるをえません。特に、ここにおられる三本先生は監査委員です。監査委員の目の前でそんなことをいったということは、自白に等しいはずです。

事件に関係していたのは、市議なのか、府議なのか、国会議員なのか、もしかすると首長なのか、分かりませんが、この点についても、市長や当人から事情聴取するなどして、どの議員が、どんな関与をしたのか、しっかりと調べていただきたく存じます。

市長は、この事件には直接関係がないように思いますが、議員の関与をいつ知ったのかによって、責任の度合いが変わってきます。事件の前から知っていたとしたら、非常に罪が重いはずです。

また、前課長に権限を集中させ、他の職員がチェックもしないような体制が構築されていたことについては、前課長だけの責任ではないはずです。当然そのような仕組みにした上司なども責任を負うべきです。いつ、誰が、こんな公的機関にあるまじき野放図な、ルーズな体制にしたのか。これについてもきっちりと責任者を明らかにしてください。

今回の事件について、私は議会でも取り上げましたけれども、年度ごとの被害状況も教えてもらえませんでした。市側の答弁より、マスコミの報道のほうが詳しいんですね。なぜ高槻市は、議会で詳細な説明ができなかったのでしょうか。市民や議会をなめているとしか考えられません。監査委員の皆さんは、絶大なる権限があるわけですから、被害の詳細について、いつ、何月何日に、どのような手口で、誰に対して不正に支給したのか、あるいは自分のポケットに生活保護費を入れたのか、どの議員が関与していたのか、調査によって明らかにして、賠償や返還を請求していただきたいと思います。

高槻市は調査委員会を立ち上げたとのことですけれども、今回の事件は単なる金銭的な問題ではなく、システムの問題や、事件による二次的な被害、議員の関与や、市に対する市民の不信など、いろいろな側面がありますので、調査委員会の報告を鵜呑みにし援用するのではなく、監査委員の皆さん自身が、しっかりとした監査をして、監査結果を出していただくことを要望いたします。

以上です。



私の陳述の後、市の担当者が陳述しました。その内容は議会答弁と同じでしたので、以下に議会での私の質問と市の答弁の内容を記載します(実際とは異なる部分もあります)。

1問目
<質問事項>
1-1 生活保護費を支給するまでの流れをご説明ください。
1-2 告訴された職員は、何月何日にどのような不正を行い、不正な執行をしたのでしょうか?
1-3 市はこれまでどのような調査をしてきたのでしょうか?当該職員に対して聞き取り調査を行ったのでしょうか?電算システムの不正操作や公文書の虚偽記載についてはどのように調べたのでしょうか?
1-4 いつまでに調査を終了し、市民に対して説明ができるのでしょうか?
1-5 6月18日の総務消防委員会協議会で、事件に関する質問等が議員から相次いでされた後の休憩時間中に、奥本市長が「議員が関係している。議員が関係している。」と発言しました。大変な発言をされたと驚きましたが、どの議員がどのようにこの事件と関係しているのでしょうか?また、当該職員は、調査の中で、議員との関係について何か言っていたのでしょうか?
1-6 不適正な金額が今の金額より大きくなった場合は、どうするのか? また、お金の返還はどう取り扱っていくのか?

 <答  弁>
北岡議員の数点にわたるご質問にお答えいたします。

まず、1点目の生活保護費を支給するまでの流れでございますが、
大きな流れの説明になりますが、生活保護の申請が行われますと、担当ケースワーカーは資産・収入申告書、調査の同意書等の提出を求め、不動産や稼動収入、年金等の受給要件を確認いたしております。新たに生活保護費が支給される場合は、紙ベースのケースファイルとともに、生活保護システムで保護台帳や月々に支給する金額等が記載された保護決定調書を作成し、福祉事務所長の決裁を受けた後、担当者は保護決定調書中にあるバーコードの読み取り処理を行い、保護費の支給へと手続きを進めていく流れとなっております。

2点目の、何月何日にどのような不正を行い、不正な執行をしたのかとのお尋ねですが、
現在、18年度から21年度までの間での、1,000万円を超える金額と平成22年度の4月から5月末までの100万円が不適正な支出であると把握しておりますが、不適正と思われる額等につきましては、警察への捜査とともに、去る、6月21日に設置をいたしました生活保護費不適正支出調査等委員会のワーキンググループにおいて、調査に着手しているところでございます。

3点目の、これまでどのような調査を行ってきたのかとのことですが、
これまで、行政事務適正化、福祉事務所、人事課が、当該職員の聞き取り調査を数度行っております。また、生活保護システムでの支給履歴が消去もしくは目視できないようになされており、システムのメーカーを呼び、消去等がなされた履歴の復元に向け調整を行っているところでございます。

4点目の、いつ調査が終了し、いつまでに市民に説明できるのかとのご質問ですが、
本格的な調査を始めたばかりで、いつまでとは言えない部分がございますが、出来る限り早く、不適正な支出の額等の確定を急ぎ、全容の究明と再発防止策に努めていきたいと考えております。

5点目のご質問ですが、
一般的な意味で、市民の方が日常生活で、困ったり悩んだりされている生活相談や心配ごと相談におきましては、市役所の窓口に来られる前に、事前に議員のもとに相談に行かれる場合もございます。そういった趣旨のことであると聞いております。 また、当該職員からの発言も聞いておりませんので、よろしくお願いいたします。

最後に、お金の返還についてのご質問でございますが、
生活保護費は、4分の3が国からの負担金で、残り4分の1は一般会計からの支出でございます。今後、国に返還することにもなりますので、調査等で不適正な金額が確定しましたら、損害額として、当該職員に該当金額の請求を行うこととなりますので、よろしくお願いいたします。


2問目
<質問事項>
 質問では何月何日、というふうにお聞きしましたが、そういう答弁ではありませんでした。総額1100万円を超える被害があったというのは報道でも分かっていることなので、もう少し詳しいことをお聞きしたいのです。せめて、年度ごとの被害について、件数と金額をお答えください。これが1点目です。

 2点目。今回の事件は、現金で、生活保護費を支給していたために、違法行為が発覚しにくかったという面があると思います。他の部署でも現金を扱っておられますが、たとえば、収納課など、手提げ金庫で現金を保管しているところは、日々しっかりと管理ができているのでしょうか?現金が行方不明になったことなどはないのでしょうか?お答えください。

 3点目。市民が生活相談などで事前に議員のところに相談にいったという趣旨だというご答弁ですが、そんなニュアンスではありませんでした。事件についてひとしきり、というかしつこく議員から質問等がされた後だったのですから、当然、その事件に、議員が関係している、という趣旨の発言だったわけです。その場に居合わせて市長の言葉を聞いた議員や職員の方は、そのニュアンスが分かっていると思います。市長は、嘘をつかず、本当のことを、お答えください。どの議員がどんなふうに関係していたのでしょうか?再度お聞きしますので、ちゃんとしたご答弁をお願いします。

    
 <答  弁>
北岡議員の2問目にお答えいたします。
まず、1点目の、年度ごとの件数と金額についてのご質問ですが、
これまで、告訴に向けた作業を最優先に、取り組みを進めてきたところでございます。そのため、不適正と思われる額等の把握につきましては、一問目にお答えしていますように、警察への捜査とともに、「生活保護費不適正支出調査等委員会」のワーキンググループが調査に着手し、現在作業に取り組んでいるところでございますので、よろしくお願いいたします。

2点目の、現金を保管する手提げ金庫の扱いですが、
手提げ金庫につきましては、現金支給等を行うために、勤務時間帯は職員の目が行き届くところに保管し、万全を期した保管を心掛けており、これまでに現金が行方不明になったことはございません。

3点目のご質問でございますが、一問目にお答えしましたとおりですので、よろしくお願いいたします。


3問目
<質問事項>
市長が、我々議員の目の前で、「議員が関係している。議員が関係している。」と言ったことについては、大変重いことだと思います。それを市民からの生活相談だの事前相談だのと言って、ごまかすというのは、議員を愚弄するにもほどがあります。市長は、議員の目の前で、「議員が関係している。」と言い切ったのだから、しっかりと、どの議員がどのように関係していたのか、説明をする義務があります。それがもしウソだったというのであれば、「間違っていました」とちゃんと謝罪をしてください。