高槻ご意見番

「高槻ご意見番」の代表で、高槻市議会議員の北岡たかひろのブログです。

密室でいつの間にか大型特養の設置が決まっていた…

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22年度の予算案を見てまず驚いたこと。100床もの大型の特別養護老人ホームを1か所、また設置すると・・・前に聞いた時には、大型の特養は、平成18年度に事業者の選定を行った分が最後で、以後は29床以下の地域密着型の小規模な特養をつくっていく、ということだったのに・・・

担当者に話を聞くと、第4期の「高槻市高齢者福祉計画・介護保険計画」の85ページに記載してある、と。

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しかし、この計画を見ても、介護老人福祉施設、すなわち特別養護老人ホームの利用者の数が、21年度の1110人に比べて、22年度に10人増えて1120人になる、さらに23年度は87人増えて1207人になる、としか書いておらず、100床の特養を1か所つくるということは読み取れませんでした。

22年度の増加分の10人という中途半端な人数は、高槻市民が市外の施設を利用する数だという説明だったのですが、そうしたら尚更、87人の増加という数字からは、100床の特養を1箇所つくるというふうには読めません。

そこでさらに説明を求めると、「この数字を0.981という係数で割るんです」とのことでした。でも、0.981で割っても、100にはなりませんし、仮に100になったとしても、それを1つの施設でするということはどこにも書いていません。

じゃあ、どこで、こんな100床の特養を1箇所つくるということを決めたのか、と訊くと「福祉企業委員会にも報告させていただいております」との説明。でも、議会の福祉企業委員会の議事録を調べてみても、そうは書いていない。

実際は、いつ、どこで、誰が決めたのか、と、さらに説明を求めると、「実は、部署の中で、そういう案を温めていて、正式には、平成21年10月21日に特養の募集要項を決裁するときに決めました」ということでした・・・

計画に書いてある、いや係数で割れば出てくる、いや福祉企業委員会に報告した、いや募集要項の決裁の時に正式に決定した、と説明が二転三転して、私を騙そうとしたのかなと、こんな嘘の説明を繰り返して何のつもりだと、怒りを感じたのですが、そういうふうに、実際のところは、うやむやな形で、以前はもうつくらないと言っていた100床もの大型の特養を設置することが、密室で決められてしまったわけです。

こんなことを認めてしまうと、後々に禍根を残すことになると思います。

たとえば、1000人の利用者の増加を見込む計画を作ったら、その後は、高槻市役所の自由な裁量で、こっそりと、1000床という非常に大きな特養を1箇所つくることを決めてもいいということにもなりかねません。

私はこういうような非常に不透明なやり方は、改めるべきだと考えます。どういった施設を整備していくのかについては、それを利用する側、介護保険料や税金を納める側である、市民の皆さんに、ちゃんと分かりやすく、前もって説明すべきです。

事業者としては、大規模な施設のほうが、スケールメリットが活かせるし、経営がやりやすいのでしょう。けれども、厚生労働省のほうは、定員29名以下の小規模な地域密着型の特養の設置を推進しているようです。これは、担当職員の説明によると、高齢者の方が、地元にある小規模な地域密着型の特養を利用することで、地元に住み続けるほうが、幸せに過ごせるだろうとという考えがあるからだとのことでした。

では、高槻市としては、今後、どのようにしていこうと考えているのか。事業者の経営を考慮して、大型の特養をつくっていくのか、それとも、地域密着型の小規模な特養を整備していくのか・・・高槻市の方針を議会で尋ねたのですが、明確な方針は示されませんでした。

つまり、今後も、いつの間にか、密室で、大型特養の設置が決まる可能性があるということです。事業者を選考する際の高槻市の採点も信用できないし、高槻市の福祉行政が公明正大だとは、私にはとてもそう感じられません。